疲れが取れにくい…それってもしかしたら「隠れ冷え性」のせいかも?
冬は手足が冷える、なんとなく疲れやすい、肩こりになりやすい…。それってもしかしたら「隠れ冷え性」のせいかもしれません。
給湯器や厨房機器などを手掛けるメーカー「リンナイ」では、全国の男女2,350名を対象に、お風呂を医学的に研究しているお風呂ドクターの早坂信哉先生監修の「冷え・ヒートショックに関する意識調査」を実施。
調査によれば、女性の約6割(59%)が、「冬の時期に多い体の不調」として「冷え」を挙げているんです。女性は男性と比べて筋肉量が少ないことから、男性よりも冷えに悩まされる傾向があるのだとか。
本記事では、「隠れ冷え性って何?」「冷えを改善する方法は?」「冬の正しい入浴法が知りたい!」などなど気になるポイントにフォーカスし、調査結果をご紹介します。
今すぐチェック!早坂先生監修・隠れ冷え性診断テスト
まずはこんなチェックから! ぜひみなさんも当てはまる項目をチェックしてみてください。チェックの数で冷え性の可能性を判定できます。
1.手足が冷たいと感じる
2.下腹部が冷えると感じる
3.一度手足が冷えると、暖かいところに来てもなかなか温まらない
4.冷房が効いているところでは冷えてつらい
5.手足が冷えて寝つけないことがある
6.めまいや立ちくらみがある
7.胃の不快感や便秘がある
8.肩こりになりやすい
9.頭痛が多い
10.疲れやすい
結果はこちら↓
1~5番が1個以上あれば「冷え性」、1~5番が0個で、6~10番が2個以上の場合は「隠れ冷え性」、1~5番が0個で、6~10番が1個以下の場合は「健康体」とのこと。
いかがでしたか? 冷えている自覚症状があれば「冷え性」、そうでなければもしかしたら「隠れ冷え性」が身体の不調を引き起こしているのかも?
8割が「冷え性」または「隠れ冷え性」かも!
調査対象者へのテストの結果、最も多いチェック項目は「疲れやすい」(59%)、続いて「手足が冷たいと感じる」(54%)で、8割が「冷え性」(67%)または「隠れ冷え性」(10%)に判定されました。
さらに冬の悩みに「冷え」を選んだ人対象に、「冷えによりつらいと感じる症状を選んでください(複数回答)」との質問をしたところ、「眠れない」(41%)が最も多く、「肩こり・関節痛」(33%)「だるさ・疲れやすさ」(24%)が上位に挙がりました。
早坂先生は冷えと睡眠の関係についてこう述べています。
「人間は身体の中心部分の体温(深部体温)が下がらないとよい睡眠が取れません。血流が悪いと、就寝時に手足から熱の放散がうまくいかず、深部体温が下がらないため睡眠の質が悪くなります。結果として疲れが取れず、絶えず疲れやすさを感じるのです」(早坂先生)
そしてこの悪循環を断ち切るには、血流を改善させるための「正しい入浴」が必要になるのだとか。ではどんなふうに入浴すれば、冷え性や隠れ冷え性が改善されるのでしょうか?
お風呂ドクター解説!冷えを改善する「正しい入浴方法」
「熱いお風呂につかれば冷え性は改善するのでは?」「半身浴が最高!」「時間のないときにはシャワーで済ませてしまう」……などなど、お風呂の入り方は人それぞれ。では一体どういうお風呂の入り方が「正しい入浴法」なのでしょうか。
調査内では「リラックスするために入浴するつもりが、疲れてしまう」(20代女性)や、「熱くなるが、出たあと冷めやすい」(30代女性)など、入浴に関するお悩みも挙げられました。疲れを取るため、身体を温めるための入浴なので、やっぱり効果的に行いたいですよね。
それでは、お風呂ドクター・早坂先生がおすすめする「正しい入浴方法」を一緒に確認してみましょう。
1.入浴のゴールデンタイムは就寝90分前
身体が温まりすぎると眠りにつくことができません。就寝の90分前に入浴することで、ほどよく体温が下がります。リラックスした状態で入眠でき、質のよい睡眠がとれます。
冷えの方は手足の血管が必要以上に収縮してしまうため、就寝に向けて、手足からの熱の放散がうまくいかず、よく眠れない、疲れが取れないという悪循環に陥っています。眠る前にしっかりと身体を温めて、そのあとは靴下などを履かずに、体温を自然に放散させてスムーズな体温低下を促しましょう。体温が下がってきたタイミングで眠るのがベストです。
2.40℃のお湯に全身浴で10~15分
入浴の基本は、40℃のお湯に肩までつかり、10~15分入ること。この入浴法で血流が改善し、体温をほどよく上昇させてくれます。ちなみに最初から熱いお湯に首までつかると、心肺に負担をかけることになるため、半身浴からはじめ、徐々に湯船に身体を沈めていく方法をおすすめします。
40℃を超える熱いお風呂は、入浴時に血圧が急上昇するだけでなく、汗をかきすぐに体温が下がるため、結果として温まりが長く続きません。長く入りすぎるのものぼせ(熱中症)を引き起こすことから、長くても15分以内で、額から汗をかいたら湯船から出るようにしましょう。
最近は「内臓冷え」という症状も研究されており、副交感神経が強く働き過ぎているため起こる症状があります。お腹周りが冷えるという方は、例外的に42℃で5分間の入浴をして、交感神経を刺激する方法を試してみるとよいかもしれません。ただし刺激が強いので、無理のない範囲で行ってください。
入浴するときに気を付けなければいけないことは?
そのほかにも、早坂先生によれば、「冷え対策に効く入浴剤を活用する」「お風呂でストレッチをする」などの対策も、冷え改善には効果的なのだとか。
一方入浴する上で気を付けなければいけないのが「ヒートショック」。急激な温度差によって引き起こされる、血圧の急な乱降下の結果、失神、脳卒中、心筋梗塞などの疾患が起こることを言います。なんとなくお年寄りに多いイメージがありますが、若い人でも要注意! なのだそう。
例えば最近のブームに「サ活(サウナ活動)」がありますが、体温を上げたあとで一気に水風呂で全身を冷やすと、ヒートショックの危険性があります。手足からゆっくりと水をかけて全身を慣らしたり、苦手な方は水風呂をパスしたりするなど、無理のない範囲でサウナを利用して、とのこと。
おうちでの入浴時にも、脱衣所と浴室の温度差に気を付けたり、入浴前に必ず水分補給をしたり、湯船に入る前に必ずかけ湯をしたり、ヒートショックを起こさないための意識が大切です。
お風呂に入って、立ちくらみが起こることがある方は、特に要注意ですよ。
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湯船につかるのがもちろん一番効果的ですが、どうしても時短や節約のためにシャワーで済ませたいという方は、「シャワーしながら浴槽に湯を貯める“シャワー足湯”がおすすめ」なのだとか。ぜひシャワー派の方は、今日から試してみてくださいね。
冬の大敵である「冷え」。正しい入浴方法で、「眠れない」「疲れやすい」「肩こりになりやすい」などの不快な症状を改善してみてはいかがでしょうか?
【調査概要】
「熱と暮らし通信 冷え・ヒートショックに関する都道府県意識調査」
調査期間:2023年9月24日~10月4日
調査対象:都道府県別 20~60代男女 計2,350名
調査方法:インターネット調査
調査主体:リンナイ調べ
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