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胃に熱感があって今にも吐きそうなのに吐けない…。そんな辛い症状を引き起こす胃もたれ。胃もたれの原因は暴飲暴食、ストレス、胃炎など多岐に渡り、働く女性であれば誰でも一度は経験したことがある症状ですよね。
そんな胃もたれに対して、速効性ある解消法はあるのでしょうか? 内科医の成田亜希子医師に詳しく教えてもらいました。
【胃もたれ 解消】即効性のある方法は?
胃もたれとは、胃の活動が低下し、飲食物がいつまでの胃内の残ることによって生じる症状です。
胃内に飲食物が停滞することで、胃の不快感や吐き気などを引き起こすばかりでなく、胃酸が過剰に分泌されることで胃の粘膜を荒らし、痛みを引き起こすことも珍しくありません。
このような胃もたれを解消するには、第一に胃内に停滞している飲食物の消化を促して、胃の先の十二指腸へ送り込むことが大切です。そのためには胃の活動を活発にする必要があります。
胃もたれの原因によっても解消法は異なりますが、最も速効性があるのは胃の活動や消化を促す効果のある胃薬の服用です。市販薬でも十分効果のあるものがありますので、薬剤師などに相談の上で購入してみるのがよいでしょう。
胃もたれに効果のあるツボ
また、効果には個人差がありますが、胃もたれの速効性ある解消法としておススメなのは、「ツボ」です。
代表的なツボは「合谷」
親指と人差し指の付け根を結ぶ線のちょうど真ん中あたりにあるツボです。胃腸の調子を整える効果があるとされています。食前・食後などに座りながらでも気軽に押すことができます。
「中かん」
みぞおちとおへそを結んだ線のちょうど真ん中あたりにあるツボです。単に指で押すだけでなく、ホットタオルやカイロなどで温めても効果があるとされています。
ただし、強すぎる刺激はかえって吐き気や胃もたれを強くすることもありますので、効果を見ながら行いましょう。
【胃もたれ 解消】できる寝方って?
強い胃もたれが生じている時は起き上がっているのもつらく、横になって休みたい…という人も多いのではないでしょうか?
胃もたれがあるときに無理をすると、吐き気や胃痛がひどくなることもありますので、楽な体勢で休むようにしましょう。
横になって休むときには体勢にも注意が必要
胃は食道から流れ込んだ飲食物を細かく消化し、十二指腸へ送り出す働きがあります。正常な胃は横にした瓢箪のような形をしており、身体の左寄りで食道とつながり、右寄りで十二指腸とつながっています。
このため、消化した飲食物をスムーズに十二指腸に送り込むには、十二指腸とつながる方=右側を下に向けて横になることがポイントです。
もちろん、胃はどのような体勢でも内容物が十二指腸に送り込まれるよう蠕動運動をしていますので、仰向けや左側を下にした状態で横になっても問題はありません。
しかし、胃もたれがある時には胃の蠕動運動が低下していることが多く、このような体勢で寝続けると内容物が十二指腸に送り込まれにくくなってしまい、胃もたれを悪化させる原因になることがあるのです。
胃もたれがある時は、背中などにクッションを入れ、なるべく右側を下にした体勢で横になるようにしましょう。
【胃もたれ 解消】に効く食べ物、食事の仕方って?
胃もたれがひどいときは、食欲もなくなり何も食べたくない…という人も多いでしょう。しかし、胃もたれのときこそしっかり食事を摂ることが回復への近道になると考えられます。
胃もたれは胃や腸の動きが悪くなって引き起こされる症状ですが、胃の中に内容物が停滞するため、消化を促そうと胃酸が過剰に分泌された状態となっています。このため、胃の粘膜は胃酸の影響を受けて荒れていることが多く、空腹の状態が続くと胃酸のダメージが強くなり、胃痛を引き起こすことがあります。
また、悪化すると急性胃炎や胃潰瘍にも進行することがありますので注意が必要です。悪化を避けるためにも、胃もたれのときには消化がよく胃の粘膜に優しい食事を摂るようにしましょう。
具体的には、よく煮込んだ野菜スープやうどん、そうめんなどです。飲み物は胃の粘膜を優しく保護する牛乳がおススメ。冷たく冷やした牛乳は胃の血行を悪化させることがありますので、適温に温めたホットミルクにするとよいでしょう。
巷では、胃もたれには梅干しや酢飯などさっぱりとした酸っぱいものがよいと言われることもありますが、これらのものは消化が悪いだけでなく、傷ついた胃の粘膜に更にダメージを与えることもありますので控えるようにしましょう。
油分・塩分・糖分が多いもの、かたいものは避けるのもポイントです。
【胃もたれ】しているときに、コンビニで買える解消に役立つものって?
出先での食後に突然胃もたれがひどくなった…という経験がある人も多いでしょう。
そこでおススメなのは、コンビニで手軽に買えるグッズでの即席解消法です。急な胃もたれに苦しんだときは、近くのコンビニで以下のようなものを購入して対処してみましょう。
カイロ
最近では、冬場だけでなく、夏場の冷房対策としてもカイロが置いてあるコンビニもありますね。カイロは、胃もたれに効くツボとした紹介した「中かん」を温めることができます。洋服の上からでも使用できますので、外出先でも気軽にツボを試すことが可能です。
牛乳、乳製品
牛乳や飲むヨーグルトのような乳製品の飲料は、胃の粘膜をやさしく保護してくれる作用があります。吐き気が強く、飲み物すら受け付けないという場合を除いて、まずは牛乳などの乳製品を飲んで様子をみてみるのも一つの方法です。
医薬部外品ドリンク
コンビニでは、栄養ドリンクなどとともに胃もたれや二日酔いなどによるムカムカを改善する効果が謳われたドリンクが販売されています。効果には個人差がありますが、身体に害になるものではありませんので、まずは試してみるのもよいでしょう。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。