日々の積み重ねでニキビが増える…
前回はニキビの種類と原因について詳しくお伝えしていきました。
前回記事はこちら>>【女医が回答】ニキビのでき方と種類… 顔のブツブツ、これって全部ニキビ?
今回はニキビを減らす自宅ケアについてお話したいと思います。
ニキビを減らすために自宅でできることは?
◆スキンケア
1日2回はたっぷりと泡立てた洗顔料で優しく皮脂を落としましょう。
毛穴の汚れを落とすためにゴシゴシとこするのはNG。目に見えない傷がついたお肌はニキビができやすくなります。
洗顔後の保湿も大切。乾燥肌は過剰に皮脂の分泌を促してしまいます。化粧水や乳液はノンコメドジェニックテストという毛穴に皮脂詰まりを起こしにくいことを確認したものがおススメです。
◆食事
ひと昔前は漠然とチョコレーやケーキの食べすぎでニキビが増えると言われていました。最近の研究で注目されているのが『GI』(Glycemic Index(グリセミック・インデックス))。
食事をすると血中に糖が取り込まれることで血糖値が上昇します。血糖値を下げるために体内からインスリンが分泌されますが、高インスリン血症は男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌を促進し、皮脂の過剰産生や角質の肥厚を引き起こしてニキビの元となるコメドを作りやすい状態にすることが分かってきました。
『GI』値は炭水化物50g当たりの血糖値の上昇スピードを計測した値で、その数値が低いほど血糖値の急激な上昇が少なく、インスリンの分泌量も抑えられるのです。
さらに、1人前の食事単位で食材ごとに数値化されたものを『GL値』(Glycemic Load(グリセミックロード))と呼び、GL=各食品が含有する炭水化物の量[g]×GI÷100で求められます。
GL値の方がより実用的な数値であり、血糖値を上げにくい食事の考え方として海外では主流になってきています。ニキビに悩んでいる方は参考にするのも一つ。
◆ヘアスタイル
髪の毛にはスタイリング剤や皮脂などの汚れやホコリがたくさんついています。ニキビのできやすい部分にはなるべく接触させないのがポイント。顔回りをすっきりとさせたヘアアレンジで過ごしましょう。
◆睡眠
睡眠中にアンチエイジングとも関連が深い成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンが不足するとお肌のターンオーバーが遅くなり、皮膚が分厚くなって皮脂の排出口を塞いでしまうことでニキビができやすくなります。また、お肌自体がくすんで見えてしまうことも。
きれいなお肌作りは夜。快適で十分な睡眠を手に入れましょう。
◆ストレス
ストレスがかかると交感神経が活発化し、男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌が盛んになります。先ほどお話したようにアンドロゲンはお肌をニキビができやすい状態にしてしまいます。
現代人とストレスは切っても切れない関係にありますが、心もお肌も健康でいるために、ストレスを上手にコントロールする方法を見つけることも大切。
今日から取り組める自宅ケア、いかがでしたか? さて、まだまだマスクを外せそうにない状況が続きそうです。次回はニキビとマスクの関係についてお話したいと思います。
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田場医院 院長 田場史子(たば・ふみこ)
兵庫県三田市にある形成外科・皮膚科・美容皮膚科を併設する「田場医院」院長 形成外科専門医。
1982年生まれ。高知大学医学部医学科2007年卒。淀川キリスト教病院での研修後、神戸大学大学院医学研究科形成外科学へ入局。2018年田場医院に形成外科・皮膚科・美容皮膚科を開設。クリニックにはお肌で悩む多くの患者さんが訪れる。