「意趣卓逸(いしゅたくいつ)」とは?
「意趣(いしゅ)」とは心の向かうところ、「卓逸(たくいつ)」とは他より群を抜いて優れていることです。つなげて「意趣卓逸」とすると、心の向かうところが極めて優れていることを表し、その人の性格や性向が素晴らしいときなどに使われます。
なお、意趣卓逸は日常的にはほぼ使われる言葉ではないといえるでしょう。
中島敦の著作『山月記』の中では、主人公の友人・李徴の詩を讃える表現として「長短凡そ三十篇、格調高雅、意趣卓逸、一読して作者の才の非凡を思わせるものばかり」と記載されているのが有名です。
い‐しゅ【意趣】
出典:小学館 デジタル大辞泉
1 恨みを含むこと。また、人を恨む気持ち。遺恨いこん。「意趣を晴らす」
2 心の向かうところ。意向。
「格調高雅、―卓逸」〈中島敦・山月記〉
3 無理を通そうとすること。意地。
「二人はわざと―に争ってから」〈有島・生れ出づる悩み〉
4 理由。わけ。
「神妙に―を述べ、ものの見事に討たんずる」〈浄・堀川波鼓〉
5 「意趣返し」に同じ。
「昨日の―に一番参ろか」〈浄・矢口渡〉
たく‐いつ【卓逸】
出典:小学館 デジタル大辞泉
[名・形動]他より群を抜いて優れていること。卓越。
意趣卓逸以外の文章や人格・容姿を褒める漢字四字の言葉と例文
意趣卓逸以外にも、文章や人格、容姿などを褒める漢字四字の言葉は多数挙げられます。たとえば、次の言葉はいずれも褒め言葉として使われることがあります。
・一唱三嘆
・才気煥発
・博覧強記
・勇猛果敢
・温厚篤実
・清風明月
・眉目秀麗
・明眸皓歯
意味や使い方を覚えておくと、褒め言葉のバリエーションが増えます。それぞれ例文を通して見ていきましょう。

一唱三嘆
「一唱三嘆(いっしょうさんたん)」とは、1回読んだだけで何度も感嘆することです。
・新入社員のレポートを見て驚いた。まさに一唱三嘆、大変な文才だよ
・特に彼女の文章は素晴らしい。選考委員一同が一唱三嘆。誰もが彼女を大賞に推したよ
中国で、宗廟の祭などで楽を奏する際、1人が歌を唱えて3人が唱和するというスタイルを採ることがありますが、この様子から一唱三嘆という表現が生まれたといわれています。
才気煥発
「才気煥発(さいきかんぱつ)」とは、優れた才知の働きが盛んに現れることや、その様子を指す言葉です。
・彼女はまさに才気煥発。打てば響く明晰な頭脳の持ち主だ
・彼を一言で表現するなら、才気煥発な人だ。頭がいいとは彼のような人のことを言うのだろう
頭のよさや利発さを褒める際に用いられる表現です。特にネガティブな意味はないので、普段から使っていきましょう。
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博覧強記
「博覧強記(はくらんきょうき)」とは、広く書物を読み、多種多様な事柄をよく記憶していることです。
・分からないことがあれば彼に聞くとよい。彼は博覧強記の人だから
・まさに博覧強記。恐るべき知識量だ
専門分野における深い知識を持っている場合だけでなく、雑学や豆知識などに詳しい場合にも使うことがあります。
勇猛果敢
「勇猛果敢(ゆうもうかかん)」とは、勇気があり、思い切って実行に移すことです。
・部長の勇猛果敢な行動が我が社の危機を乗り切る原動力になったのは、疑いようがない
・勇猛果敢は美徳でもあるが、それが盲信に基づくものなら、手放しでは賞賛できない
おもに思い切りのよい性格や行動を褒める際に使われます。
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温厚篤実
「温厚篤実(おんこうとくじつ)」とは、性質が穏やかで真面目な様子を指します。
・総務課の課長は温厚篤実な人柄で、部下からも上司からも信頼が厚い
・彼女は温厚篤実な性格で、知り合ってもう10年も経つが、声を荒げたことは一度もない
温厚篤実は、人当たりが柔らかく誠実な様子を表現する際にも使われます。人柄を褒める際に活用しましょう。
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清風明月
「清風明月(せいふうめいげつ)」は、清らかな風と明るく美しい月を指す言葉で、転じて、自然の趣を愛でる様子や風雅な遊びなどをたとえる際に使われます。
・人里離れた民宿で、清風明月を楽しんだ
・清風明月も、共に楽しむ人がいてこそだ
清風明月は自然の美しさを表現する言葉ですが、一点の曇りもない心を指す際にも使われます。心映えや性質などの清らかさを褒める際にも活用できるでしょう。
眉目秀麗
「眉目秀麗(びもくしゅうれい)」とは、容貌が優れて美しいことです。
・眉目秀麗な彼は、どこにいても目立つ存在だ
・お父様とお母様の良いところを引き継いだ眉目秀麗な顔立ちですね
眉目秀麗は、男性に対して使われることが多い傾向にあります。
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明眸皓歯
「明眸皓歯(めいぼうこうし)」とは、明るく澄んだ美しい瞳と白くきれいな歯のことです。転じて、美人を指す表現として用いられます。
・彼女が到着すると、会場が一気に明るくなった。まさに明眸皓歯を絵に描いたような美人だ
・新しい部長は、大阪支社でも明眸皓歯の誉れ高い佳人だ
中国の詩人・杜甫(とほ)の詩中にも見られることから、8世紀にはすでに使われていた表現だと考えられます。
バリエーション豊かな表現で褒めよう
人の良い部分に気づき、率直に言葉にして表現することは、人間関係を円滑にするためにも欠かせない行為です。人を丁寧に観察し、良い部分を発見し、折に触れて褒めるようにしましょう。
しかし、いつも「すごいね」「立派だね」「かわいいね」「キレイだね」では、会話が単調になってしまいます。人の良い特質や優れた能力、文章などに使える表現を覚えておくと、褒め言葉のバリエーションが増え、より円滑な人間関係の構築にもつながるでしょう。
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