「主夫」とは?
「主夫」という言葉を知っていますか? 「主婦」と音は同じですが、意味が少し異なります。
最近では、「主夫」を取り扱った漫画やドラマが話題になりました。一般的にはまだあまり取り入れられていない家庭スタイルですが、じわじわと認知されています。さっそく意味を見ていきましょう。
「主夫」の意味
一言でいうと、「主夫」とは、「主婦」の男性バージョンです。つまり、女性が社会に出て家計を支え、家事や育児など家庭内のことを主に男性が担当する家庭スタイルを指します。
「主夫」といっても様々なタイプの「主夫」があり、ずっと家で家事をおこなう「専業主夫」タイプや、家事や育児の合間にパートやバイトをおこなう「主夫」スタイルなど「こうでなければならない」という定義はありません。
主な収入源が女性で、男性が比較的家事を担当する場合に「主夫」と呼ばれます。
「主夫」のメリットとは?
「主夫」がいるご家庭は未だに多くありませんが、「主夫」にはどのようなメリットがあるのでしょうか。一緒に迫っていきましょう。
1:「主婦」の大変さを理解することができる
「主婦」の方で、「夫が自分の大変さを理解してくれない」と不満に思った経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。「家でのんびりできて良いよな」、「それに比べてこっちは…」などと心無いことを言われたという声を多く耳にします。
家事は意外と重労働です。また、ほとんど一日をひとりで過ごすことが多いため、ストレス発散も難しいですよね。毎日同じことの繰り返しというのもつらい。
しかし、旦那さんが「主夫」になれば、その大変さを理解してもらうことができます。お互いの大変さを理解し、共有することでお互いを尊重し合えるようになるのです。
2:それぞれが得意分野で活躍できる
人には向き不向きがあります。家事が苦手な女性や、会社勤めが苦痛で苦痛で仕方ない男性もいますよね。社会の常識だからと無理するのではなく、お互いが得意なことを分担したほうが気持ちも効率も良くなります。
3:子どもと触れ合う時間ができる
会社勤めをしている男性は、なかなか子どもとの時間が取れない場合も多いです。しかし、「主夫」になれば、自然と子どもとのコミュニケーションが増えます。また、料理や掃除のスキル、買い物の知識など、新しい技術を身につけることができ、自身の成長に繋がるところもポイント。
「主夫」のデメリットとは?
一見、いいこと尽くしの「主夫」ですが、実はデメリットもあります。
1:周りの目が気になってしまう
やはり、「主夫」は未だに少数派。スーパーが込み合う時間帯は、女性の方が大半を占めています。そうなると目立ってしまいますし、噂の種にされるのも避けたいという心理が働き、苦痛に感じてしまうのです。
他にも、子どもの行事に参加することが気まずいという声も耳にします。お母さん同士のネットワークに入ることが難しく、情報交換がしにくいのも大きなデメリットです。
2:「主夫」になりたては分からないことだらけ
結婚してから「主夫」になった場合は、会社勤めの時と勝手の違いに大きく戸惑うことが考えられます。夕食の支度をしながら掃除をしたり、子供の面倒を見ながら買い物に行ったりと、同時に複数のことをおこなわなければならないため、非常に大変です。
マルチタスクをすることに慣れていないと、初めは仕事をするよりも断然苦労することになります。
3:後ろめたさを覚える
「妻が自分の代わりに家計を支えている」という事実に罪悪感を覚える男性が多いです。男性は女性に頼られることを好むため、自分が女性の稼ぎに頼っていると感じてしまい、申し訳なさや不甲斐ない気持ちに苛まれてしまいます。
4:「主夫」が少ないため、情報を集めにくい
同じ境遇の人が少ないため、「主婦友」ならぬ「主夫友」をつくることが難しいかもしれません。お買い得な情報や、子どもの通う学校の情報など、知りたい情報をうまく集められない可能性があります。
しかし、今の時代はSNSがあるため、情報を集めやすくなりました。身近な情報は得られにくいかもしれませんが、「主夫」としての悩みを相談できる場所が増えつつあります。
「主夫」になる上で注意しなければならないこと
メリットやデメリットを十分理解したうえで、それでも「主夫」制を取り入れていきたい! という方のために、「主夫」になる上で注意しなければならないことを紹介します。
1:収入は十分かを考える
これは、「主夫」だけに限らず、どちらかが「専業主婦・主夫」になる場合に考えなければならないことですが、一人の収入で家計を支えられるかを考えなくてはなりません。
しかし、現在では在宅ワークも増えています。男性が家事をおこなう傍らでアフィリエイトやFXなどをして家計を支えることも可能です。
2:環境の変化に対応できるか検討する
いきなり仕事を辞めて「主夫」になろうとするのは危険かもしれません。家事は思ったよりも大変です。料理や掃除、洗濯以外にも名前の無い細かい家事は、家の様々なところに潜んでいます。コツをつかむまでは一人でこなせないかもしれません。
ですので、いきなり「主夫」になるのではなく、少しずつ家事を覚え、時間をかけて「主夫」を目指しましょう。もしくは、「主夫体験」として、休日に家事を一通りおこなってみることもおすすめです。
3:相手のやり方を尊重する
夫が主夫になりたての場合、女性側は「いっそ自分でやった方が早く終わるのに…」と思ったり、「ここはこうして欲しい」と思ったりすることがあるかもしれません。
しかし、初めては誰にでもあること。お互いを支えあって生きてこその家族です。手を取り合って成長していくためにも、先に紹介したように環境に対応できるかあらかじめ「主夫体験」をして様子を見るようにしましょう。
最後に
お互いが得意だと思える分野で活躍できたら、心に余裕ができます。余裕のある明るい家庭を築いていきたいですよね。
しかし、周りに「主夫」の家庭が無いとなかなか踏み出すのは難しいかもしれません。それでも、お互いが納得したうえで「主夫」制を取り入れたほうが良いと判断した場合は、積極的に取り入れても良いのではないでしょうか。性差による格差が減ってきている今だからこそ、常識に捉われず、新しいライフスタイルを取り入れていきたいですね。
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