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「召し上がってください」の意味とは?
「召し上がる」は、「食べる・飲む」の尊敬語です。
相手の行為を高める表現で、目上の相手に対して使うこともできます。
つまり「召し上がってください」は、相手の行為を高めながら丁寧に食べ物(または飲み物)を勧める表現。
「食べる」「飲む」に「ください」がつく言葉なので、「どうぞお食べください(お飲みください)」という意味です。
こんな場面で使って!「召し上がってください」の正しい用法

「召し上がってください」は、ビジネスシーンでもよく使われる言い回しです。
アラサーが使いやすい主なシーンをまとめました。
♦︎基本的に「相手をもてなす場面」で用いるのが正解!
たとえば、次のようなシーンで「召し上がってください」を使うと自然です。
・来客にお茶やお菓子を出す場面
・上司や取引先に料理を勧める場面
・フォーマルな食事で相手に食事を促したい場面
このときに、ただ「召し上がってください」と言っても間違いではありませんが、より丁寧かつ自然なフレーズにするには「どうぞ温かいうちに召し上がってください」や「お口に合えば、ぜひ召し上がってください」など、相手を気遣うひと言とセットにするとなお良いでしょう◎。
アラサーがやりがちな「召し上がってください」のNG使用例をチェック!

アラサー世代は「丁寧にしよう」と気負いすぎて、うっかりNG敬語を発してしまうことも。
ありがちなNGを、筆者が見聞きした事例を交えながら紹介します。
♦︎ NG1:自分に使ってしまう
筆者が実際に見た事例のひとつに、自分の行為にうっかり誤用していたケースがあります。
ビジネスランチの席でホスト役だった20代後半の女性が、参加者に食事を促したあとに「私も召し上がりますね!」と発言してしまい、微妙な空気になっていました。
「召し上がってください」は尊敬語ですから、自分の行為には使用しません。
この場合は「私もいただきます」が正解です◎。
♦︎NG2:距離感を考慮しない
敬語は、距離感を考慮して使うのがスマート。そのため、普段から敬語を使わない相手に急に用いてしまうと、強烈な違和感を生む場合があります。
たとえば、同僚や友人にそれまではタメ語で話していたのに「召し上がってください」だけ敬語を使えば、「ん?」と感じさせがち。距離を感じる言葉にも聞こえてしまいます。
自分ではちゃんとしている印象を出したいだけだったとしても、結果的に「壁」になってしまうのは残念ですから、相手との関係性を考慮して用いて◎。
♦︎NG3:定型句として繰り返す
誤りではないけれど、機械的な印象を与えかねない使い方として、来客に定型句として繰り返してしまうパターンがあります。
筆者が実際に見た事例では、来客にお茶を出す際にひとりひとりに「召し上がってください」と無表情に声をかけていた人がいたケースがありました。間違いではないものの、せっかくの丁寧な振る舞いにも関わらず機械的な印象ばかりが強まって少々残念な印象を与えていたのが印象的で、この人物は後日、先輩から「もうちょっと人間味のある振る舞いを」と指摘を受けたと聞きました。
無表情に伝えるのではなく表情にも気を配りながら、さらに「温かいうちに〜」や「冷めないうちに〜」などちょっとしたひと言を相手によって変えて添えると、機械的な印象を避けやすいでしょう。
【場面別】「召し上がってください」の言い換え方って?

「召し上がってください」を言い換えるなら、場面に応じて対応していきましょう。
♦︎カジュアルに言い換えるなら?
カジュアルに言い換えて、さらに親しみやすさを重視するならば「どうぞ食べてください」「よかったら、これどうぞ」「遠慮せずに食べてね」などの言葉が適切です。
敬語としての正しさよりも、言葉のテンポやムードを優先しましょう。
♦︎ビジネスシーンやフォーマルな場面で言い換えるなら?
ビジネスシーンやフォーマルシーンで言い換えをするならば「ご自由にお取りください」や「よろしければ、お試しください」などの言い回しが挙げられます。
ただし「召し上がってください」も、十分に丁寧な言い方です。むしろ汎用性の高い表現ですので、あえて積極的に言い換える必要はないかもしれません。
♦︎ワンランク上の表現で言い換えるなら?
「召し上がってください」と似たニュアンスを、ワンランク上の表現で伝えたいならば「お口に合えば幸いです」や「ささやかですが、どうぞ」などの言い回しが適切です。
直接的に「食べてください」という意味のフレーズではなくても、押し付けない表現によって丁寧な印象を狙えます。
アラサーが迷いやすい「召し上がってください」の疑問を解決!

「召し上がってください」にまつわるアラサーが迷いやすいポイントを整理しましょう。
実務で迷いやすい点をピックしました。
♦︎Q1.「召し上がってください」と「お召し上がりください」の違いは?
A1.「お召し上がりください」は二重敬語です。
どちらもビジネスシーンで広く使われている言い回しですが、「お召し上がりください」のほうがより丁寧で自然な言い回しだと受け取られやすい傾向にあります。
ただし「お召し上がりください」は、厳密には二重敬語にあたります。
正しい日本語表現を選ぶのであれば「召し上がってください」が正解です。
♦︎Q2. 上司に「召し上がってください」は恥ずかしいのですが「食べてください」では失礼ですか?
A2. 基本的には避けたほうが無難です。
上司との日頃の関係性にもよりますが、基本的には、目上の相手に対して「食べてください」はカジュアルすぎる言い方なので避けるべきでしょう。
♦︎Q3.「召し上がってください」はLINEやチャットでも使える?
A3. 問題なく使えます。
原則として、LINEやチャットで用いても問題はありません。
ただし日頃の関係性によっては、やや硬い印象を与えかねないため、親しい相手であれば「どうぞ」や「食べてね」などの親しみのある言い回しが好まれます。
「召し上がってください」は場面に合わせて使うべき言葉
「召し上がってください」は、使う相手や距離感、場面によって印象が大きく変わる言葉です。
場面に相応しくない使い方をしてしまうと強烈な違和感を招きかねませんから、自然な言い回しとして用いられるシーンを心得ておきましょう。
丁寧にしたいからと、「盛る」だけの敬語はNG。場面に合わせて使い分けられるよう、マスターしていきましょう◎。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



