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2022.07.15

「する」の謙譲語には「いたす」が使える! 正しい使い方や他の敬語表現を解説

「する」の謙譲語は「いたす」や「させていただく」です。自らの一方的な行為には前者を、相手の許可が必要な行為には後者を使用しましょう。また、謙譲語以外の敬語表現を理解しておくことも大切です。するの謙譲語の使い方や、その他の敬語表現について解説します。

「する」の謙譲語とは? 使う場面や例文を解説

(c)Shutterstock.com

「する」をへりくだって伝える際は、謙譲語の「いたす」や「させていただく」が使えます。ただし、自分が一方的に行うことには「いたす」を、相手の許可を得たうえで行う動作には「させていただく」を使うというルールがあります。

するの謙譲語を適切に使い分けられるように、それぞれの使い方を整理しておきましょう。ここでは、するの謙譲語を使う場面や例文をご紹介します。

いたす

「いたす」はするの謙譲語の一つです。「いたします」や「いたしかねます」などの形があり、自分の動作をへりくだって表現する際に使われます。漢字では「致す」と書きますが、するを補助動詞として使う場合はひらがなを用いるのが適切です。

なお、「いたす」が使えるのは、自らの一方的な行為について述べる場面に限られます。「いたす」の用法を例文で確認しましょう。

・明日、ご連絡いたします。
・こちらへご案内いたします。
・必要な物はこちらでご用意いたします。
・チームの新しいメンバーをご紹介いたします。
・確認いたしますので、少々お待ちください。
・準備が完了いたしました。

させていただく

「させていただく」も、するの謙譲語として使える表現です。「もらう」の謙譲語「いただく」と使役動詞の「させる」をくっつけた構造であり、使う際は「させて」の前に動詞を置きます。

「させていただく」が適しているのは、相手の許可を得たい場合や、相手の好意によって恩恵を受ける場合です。「させていただきます」や「させていただきたいのですが」などの形があるため、状況に応じて使い分けましょう。

「させていただく」の具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。

・会議室を利用させていただきたいのですが。
・明日、訪問させていただきます。
・きちんと説明させていただきます。
・体調不良のため、早退させていただけないでしょうか。

するの尊敬語と丁寧語はどのように使う?

(c)Shutterstock.com

するの謙譲語について理解したら、尊敬語と丁寧語の使い方も覚えておきましょう。尊敬語とは、相手の動作などを高めることで敬意を示す表現です。するの尊敬語は「なさる」や「される」で、目上の人と会話する際や目上の人を立てる際に使います。

一方の丁寧語とは、聞き手への敬意を込めた表現です。するを丁寧語に変換する際は「します」が使えます。ここでは、するの尊敬語と丁寧語を使う場面や例文について解説します。

するの尊敬語

するの尊敬語は「なさる」や「される」です。「あそばす」もするの尊敬語ですが、一般的にはあまり使われません。

「なさる」と「される」では、前者のほうが敬意の度合いが高めです。「される」は「する」の受け身系と同じ形であり、手軽に尊敬語を作れることから、「なさる」よりも敬意が低いとされています。

場合によっては、「される」を尊敬語として使っているのか、するの受け身系として使っているのか区別しにくいこともあるでしょう。コミュニケーションの齟齬が生じないように、尊敬の意味を込める場合は「なさる」を使うのが無難です。

するの尊敬語を使う際は、以下の例文を参考にしてみてください。

・ご注文は何になさいますか。
・来週末にパーティがありますが、参加なさいますか。
・よく料理をなさるんですか。
・明日のイベントには○○様も出席されます。
・休日は何をされていますか。

するの丁寧語

するを丁寧語で表す際は、「します」を使うのが適切です。自分や相手の動作に対して使えるため、汎用性が高い表現です。また、同僚や親しい上司、プライベートの知り合いなど、幅広い相手に対して使えます。

敬意の度合いは高くありませんが、相手に丁寧な印象を与えることはできます。するの尊敬語や謙譲語が思い浮かばない場合は、「します」を使って丁寧な表現にするのが無難です。「します」の使い方を例文で確認しておきましょう。

・本日中に報告します。
・私が対応します。
・それでは、今週中に連絡します。

するを敬語で表す際の注意点

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するを敬語で表す際は、以下の3点に注意が必要です。

1. 二重敬語などの誤用に気をつける
2. 尊敬語と謙譲語を混同して使わない
3. させていただくを濫用しない

敬語を誤って使うと、相手に失礼な印象を与えかねません。するの敬語を正しく使えるように、3つのポイントを確認しておきましょう。ここでは、するを敬語で表す際の注意点について解説します。

二重敬語にならないように気をつける

二重敬語とは、一つの言葉に対して敬語を重ねることです。たとえば、「拝見させていただきます」は謙譲語の「拝見」に「させていただく」がくっついており、二重敬語となっています。

「拝見」だけでもへりくだった印象をもつため、この場合は「拝見します」とすれば問題ありません。状況によっては「拝見させていただきます」が適切であるという意見もありますが、相手に違和感を与える可能性があるため、基本的には使わないほうが無難です。

尊敬語と謙譲語を混同して使わない

するを敬語にする際は、尊敬語と謙譲語を混同しないように注意しましょう。たとえば、謙譲語の「いたす」は自分の行為をへりくだって伝える表現のため、相手の行為に対して使うのは不適切です。

相手の行為に対して敬意を込める場合は、尊敬語の「なさる」や「される」を使わなければいけません。敬意を示す相手は同じであっても、行為の主語が誰なのかによって適切な敬語が変わるため、正しく使い分けることが大切です。

させていただくを濫用しない

「させていただく」は、相手の許可を得たい場合に使える謙譲語です。しかし、自分の意思で行う動作に対して使うなど、誤った形で用いられることもあります。たとえば、「予約させていただきました」「説明させていただきます」などは、正しい使い方とはいえません。

「させていただく」を濫用すると、慇懃無礼な印象を与える可能性があります。「させていただく」が使える場面を正しく理解し、むやみやたらに使わないようにしましょう。

するの謙譲語を正しく使おう

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するの謙譲語には「いたす」と「させていただく」が挙げられます。「いたす」は自らの一方的な行為について、「させていただく」は相手の許可を得たうえで行う動作について使うのが適切です。

あわせて、するの尊敬語「なさる」「される」や、丁寧語「します」の使い方も理解しておきましょう。するの敬語表現をマスターし、会話の中で使ってみてください。

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