汎用とは
「汎用」という表記を見て、「ぼんよう」と読むことはありませんか? 汎用はビジネスシーンや日常でよく使われる言葉ですが、誤用されやすく、特に読み方を間違える人は少なくありません。よく使う言葉なだけに、読み方や使い方を知っておきたいですね。まずは読み方と意味をチェックしていきましょう。
汎用とは、どんな意味?
汎用を辞書で調べてみました。
▷【汎用】読み方:はんよう
いろいろの方面に広く用いること。
《デジタル大辞典》(C)Shogakukan Inc.より引用
汎用は、「さまざまな用途で広く使われること」を意味します。たとえば、使い道がいろいろある製品であれば、「汎用性の高い製品」のように表現すると、意味が適切に伝わりますよ。
「ぼんよう」とは読まない
汎用が間違われやすいのは、読み方でしょう。汎用を「ぼんよう」と読む人が多いのですが、汎用の読み方は「はんよう」のみ。他の読み方はありません。
誤用の要因として考えられるのが、「汎」と「凡」が似ていること。一見するとよく似た字面ですが、漢字は異なります。混同しないよう、注意してくださいね。
凡庸と汎用、間違えやすいので注意
汎用は「凡庸」と混同されることもあります。漢字や読み方が似ていますが、意味は異なりますよ。
凡庸の読み方や意味は?
▷【凡庸】読み方:ぼんよう
平凡でとりえのないこと。また、その人や、そのさま。
《デジタル大辞典》(C)Shogakukan Inc.より引用
凡庸は、「平凡であること」を表す言葉です。汎用と読み方や漢字のイメージが似ていますが、意味は異なります。間違って使うと、本来相手に伝えたいことと違う意味になりますから、気をつけたいですね。
汎用の使い方って?
汎用を実際に使う場合、どのような使い方をするかを見ていきましょう。
使い方のパターンがある
汎用は使い方や目的が1つではなく、さまざまなことに応用できるという意味合いを持ちます。本来の目的ではないものに利用できるという場合も、「汎用」で表現するといいですね。
汎用の使い方には、パターンがあります。そのパターンを覚えてしまうと、使いやすいかもしれません。
《汎用を使うパターン》
・汎用性がある、汎用性がない
・汎用性が高い、汎用性が低い
・汎用できる
・汎用する
・汎用品
ビジネスシーンでの汎用、使い方を例文でチェック
上記のパターンを用いて、汎用の使い方を例文で紹介します。参考にしてくださいね。
《汎用性がある・ない》
・この製品は汎用性があり、多くの企業で採用されています
・弊社部品の残念なところは、汎用性がないことです
《汎用性が高い・低い》
・A社の商品の特徴は、汎用性がずば抜けて高いことだ
・デザインは素晴らしいが、汎用性の低さが問題だ
《汎用できる》
・今、市場が求めているのは、さまざまなことに汎用できるシステムだ
《汎用する》
・使い方次第では、他の機器に汎用することも可能です
《汎用品》
・この充電器は汎用品だけど、純正品とそん色がない
汎用を別の表現で言い換えたい時は?
汎用を別の表現で言い換えたい時、どのような言葉を使えばいいのかをチェックしましょう。
言い換え1:万能
万能は、「すべてに効力がある」や「あらゆることに優れている」という意味を持ちます。汎用と意味合いが近いので、万能を使って表現しても、正しい意味で伝わることが多いでしょう。
ただし、汎用には「すべてに効力がある」という意味合いはありません。この点が万能とは異なるため、伝える際は注意するといいですね。
言い換え2:多機能
多機能とは、「複数の用途に使える」や「複数の機能がある」を意味する言葉。汎用とはとても似た意味合いになります。
汎用と多機能で異なるのは、多機能には「複数の専門性を持つ」というニュアンスがあること。汎用にはそのニュアンスはありません。
もう少し説明すると、汎用は「他のことにも使えるもの」という意味になりますが、多機能は「いろいろな機能を持つもの」という意味になります。使い方によっては誤解されるかもしれませんので、その点は意識して使いましょう。
言い換え3:多用途
多用途も、汎用の言い換えに使われることがあります。多用途とは、文字通り「多くの用途に使える」という意味。汎用の持つ意味である「広くたくさんのことに利用できる」という意味ではなく、「たくさんの使い方ができる」という意味合いが強くなります。
いずれの言い換え表現も、ニュアンスの違いがありますので、その違いを把握しておきましょう。
汎用の対義語って?
汎用の対義語もチェックしてみましょう。
対義語になるのは、特定の分野や部分を表す言葉
汎用の対義語となるのは、「限られた」という意味を持つ言葉が該当します。
・専門
・限定
・特定
・特化
いずれも、分野や範囲が限られているというニュアンスを含みます。それぞれの意味や違いを知り、適切に使えるようにしてくださいね。
汎用品を正しく使おう
汎用という言葉は、ビジネスシーンだけでなく、日常でもよく使われます。特に、汎用で多く使われているのは、「汎用品」かもしれません。
汎用品を使う場合は、事前に確認を
最近の汎用品は質が良く、純正品と変わらない使用感や出来映えになるものが多数ありますよね。純正品に比べて安価で購入できる製品も多いため、消費者にとってはプラスになることも。
しかし、製品やメーカーによっては、汎用品の使用を勧めないケースがあります。汎用品を使うことで質が落ちたり、かえって手間になったりということもあるようです。また、汎用品の中には、仕様が異なる、保証がないというものもありますので、その点も注意したいですね。
汎用品を使う場合は、メーカーが公表している取扱書や注意書きを事前によく読み、内容を把握しておきましょう。汎用品を正しく使うことを意識し、トラブルにならないようにしてくださいね。
最後に
汎用はビジネスシーンや日常でよく使われる言葉ですが、誤用されることもあります。汎用の正しい読み方は「はんよう」ですが、違う風に覚えている人も多いかもしれません。よく使う言葉だけに、適切な読み方や使い方、意味を把握しておきたいですね。汎用の使い方はさまざまですが、使い方のパターンがあります。紹介した例文を参考に、使い方をマスターしてくださいね。
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