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2023.08.08

「目をつむる」と「つぶる」はどちらが正解? 適切な使い方を例文で紹介

目を閉じることを意味する「目をつむる」は、「目をつぶる」とも言いますよね。この2つの言葉、どちらを使えば正解なのかと悩むことはありませんか? この記事では、それぞれの適切な使い方を例文で紹介していきます。

「目をつむる」「目をつぶる」それぞれの意味をチェック

「目をつむる」と「目をつぶる」は、どちらも普段からよく使う言葉ですが、どのような違いがあるのかと疑問に思うこともあるかもしれません。同じ意味に思える2つの言葉ですが、実は違いがあるのを知っていますか?

「目をつむる」と「目をつぶる」にはどのような違いがあるのか、使い方と合わせてチェックしていきましょう。

「目をつむる」の意味とは?

まずはそれぞれの意味を見ていきましょう。「目をつむる」には次の意味があります。

▷つむる
目を閉じる。つぶる。
《デジタル大辞典》(C)Shogakukan Inc.より引用

「目をつむる」は、単純に「目を閉じる」ことを表します。「目をつむり、問題の解き方を考える」のように使うと、目を閉じて考える姿をイメージしますよね。

「目をつむる」の漢字表記は、「目を瞑る」。漢字はあまり使われず、ひらがな表記を使うことが多いでしょう。

「目をつぶる」の意味とは?

▷つぶる
1:まぶたを閉じる。つむる。
2:見て見ぬふりをする。
《デジタル大辞典》(C)Shogakukan Inc.より引用

「目をつぶる」には、目を閉じる以外にもさまざまな意味があります。上記以外にも、「死ぬことを婉曲的に表現する」「我慢する」「あきらめる」などの意味合いで使われていますよ。

「目をつむる」「目をつぶる」どちらが正解?

目を閉じるという意味であれば、「目をつむる」と「目をつぶる」どちらを使っても正解です。目を閉じる以外の、「見て見ぬふり」などの意味で使う場合は、「目をつぶる」を使うのが正解。「見て見ぬふり」で「目をつむる」を使うのは適しません。

積み木でチェックとバツ
(c)Shutterstock.com

【例文つき】「目をつむる」の使い方とは?

ここからは、「目をつむる」の使い方をチェックしましょう。「目をつむる」の持つ意味を、例文で紹介します。

《例文》
・音楽を聴きながら目をつむると、リラックスできる
・彼は目をつむり、考えごとをしていた
・今日は乾燥しているので、できる限り目をつむることにした

「目をつむる」は、まぶたを閉じて何も見ない状態を表します。

【例文つき】「目をつぶる」の使い方とは?

「目をつぶる」の使い方も見ていきましょう。「目をつぶる」はさまざまな意味を持つ言葉。順に紹介していきます。

意味その1:目を閉じて、何も見ないこと

《例文》
・目をつぶると、今日起こったことが思い出された
・好きな音楽を流して目をつぶると、疲れが取れる
・彼は目をつぶると、すぐに眠ってしまった

「目をつぶる」の代表的な意味が、「目を閉じて、何も見ないこと」。「目をつむる」と同じ使い方をすればいいでしょう。

意味その2:ミスや失敗、過失を意図的に見過ごす

《例文》
・今回だけは目をつぶるが、同じことを二度としないと約束してほしい
・この件に関しては、私に免じて目をつぶっていただけませんか
・ひどい失敗だったが、お客様のご意向もあり、今回に限り目をつぶることにした

ミスや失敗、過失などが生じた際、それを意図的に見過ごしたり、水に流したりするということは現実でもありますよね。意図的に見逃したとしても、起こったことが解決するわけではありません。それをわかりながらも、意図的に見逃がす場合に、「目をつぶる」は使われます。

しかし、同じことを繰り返すのは避けたいところ。そのため、「今回だけは」「~に免じて」のように、何かしらの条件や理由をつけて使われることが多いでしょう。

その3:我慢したり、諦めて何かを妥協したりする

《例文》
・もう少し広い部屋が希望だったが、アクセスが抜群に良いので目をつぶろう
・提案内容が素晴らしいので、期限を過ぎたことは目をつぶることにした
・多少の遅れは目をつぶるが、連絡はすべきだろう

生活していると、何かを我慢したり、諦めて妥協したりしながら、折り合いをつけることがありますよね。マイナス面があり、全面的に良いわけではないけれど、妥協してもいいというような時に、「目をつぶる」を使うことがあります。

寝室
(c)Shutterstock.com

その4:死を婉曲的に表現する

《例文》
・父は「ありがとう」とつぶやき、静かに目をつぶりました

死を婉曲的に表現する際、「目をつぶる」を使うことがあります。ただし、目上の方の逝去などで使うのは適しません。その場合は、「他界された」「ご逝去された」「永眠された」などを使う方がいいでしょう。

2つの言葉の類語をチェック

「目をつむる」と「目をつぶる」の類語についてもチェックしましょう。他の表現を知っておくことで、語彙力が身につきます。

「目をつむる」の類語とは?

・まぶたを閉じる
・目を閉じる

「目をつむる」の類語は、それほど多くありません。

「目をつぶる」の類語とは?

「目をつぶる」の類語も、意味別に見ていきましょう。前述したように、「目をつぶる」はさまざまな意味を持つ言葉。表現したい意味に合わせて、適切な類語を選ぶようにしてくださいね。

●目を閉じて、何も見ないこと
・まぶたを閉じる
・目を閉じる

●取り上げるべき重要な問題に正面から取り組まないこと
・素通りする
・すっ飛ばす
・等閑視する

●人の罪を罰せずに赦すこと
・免罪する
・容赦する
・水に流す
・見逃す
・見てみぬふりをする

●悪事などを目的しても、特に何も言わないこと
・目を背ける
・聞こえないふりをする
・不問に付す
・大目に見る

●眠ること
・就寝する
・床に就く
・布団に入る

同じ文書やメールでは、表記の統一を

「目をつむる」と「目をつぶる」は、目を閉じるという意味であればどちらを使ってもいいとされています。ただし、文書やメールを作成する際は、表記をどちらかに統一して使うといいですね。

表記が混在すると、読み手を迷わせてしまうということも。伝えたいことを正しく伝えるためにも、表記が統一されているかは意識するようにしてください。

眠る女性
(c)Shutterstock.com

最後に

「目をつむる」と「目をつぶる」は、目を閉じるという意味ではどちらを使っても正解です。ただし、文書やメールを作成する際は、表記を統一するのがベター。「目をつむる」と「目をつぶる」が混在すると、読み手を迷わせてしまうかもしれません。「目をつぶる」は、目を閉じる以外にもいろいろな意味を持ちます。意味や使い方を把握し、適切に使えるようにしたいですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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