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2023.08.08

「ご承知おきください」は敬語として正しい? ビジネスシーンやメールで使える文例と類語・英語表現も紹介

「ご承知おきください」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。ところが、頻繁に目にする言葉ながら、社内外のやりとりで間違った理解のまま使われることもしばし見受けられます。本記事では、「ご承知おきください」の正しい意味や使い方を解説します。

「ご承知おきください」の意味や読み方とは?

お辞儀をするスーツ姿の女性
(c)Shutterstock.com

「ご承知おきください」という表現。取引先との折衝や社内の打ち合わせで使ったことがある、という方も多いのでは? しかし、あなたが使っている「ご承知おきください」は、もしかしたら誤った使い方かもしれません!?

ドキッとされた方、安心してください。これからのビジネスシーンで活用できるよう、「ご承知おきください」の正しい意味や使い方を改めて確認していきましょう!

◆「ご承知おきください」の使い方は? 敬語として正しい?

まず「ご承知おきください」の「承知」という意味についてご説明していきましょう。「承知」の意味は、「事情を知ること」や「相手の事情を理解し、許すこと」。

日常生活で何か頼まれごとをしたとき、「わかった」ということがありますよね。「承知」はこの「わかった」と同じ意味を持つ言葉になります。

そして、「ご承知おきください」の「おき」は、「しておく」という表現が変化したもの。「前もって何かをする」という意味があります。この「承知」と「しておく」が合わさり「承知しておく」。それを丁寧に表現したのが「ご承知おきください」です。

つまり、「ご承知おきください」の意味は、「前もって事情を知っておいてください」という意味になります。これは文法的にも正しい尊敬語ですよ。

◆「ご承知おきください」をビジネスなどで使う時の注意点とは?

(c)Shutterstock.com

「ご承知おきください」は尊敬語ではあるものの、ビジネスの場面で使うには注意が必要な表現です。意味を紹介したときに、気付いた方もいるかもしれませんね。

「ご承知おきください」の意味は、「知っておいてください」。なんだか一方的な言い方のように感じませんか?「ご承知おきください」に使われている「承」という字は、強制のイメージが強い言葉。そのため、目上の人に使うと、上から目線な印象を与えてしまう可能性があります。上司や社外の方に使うことは控えましょう。

また、「ご承知おきください」のように、目上の方に使うべきではない言い回しが他にもあります。それは、「お知りおきください」と「ご了解ください」。

この2つの言い回しは、「ご承知おきください」と同じく正しい文法の敬語表現です。しかし、上から一方的に決めるような響きがあるため、同じく目上の方に使うのは避けるべきだと考えられています。

「ご承知おきください」の使い方は? 例文でチェック

(c)Shutterstock.com

「ご承知おきください」の意味や注意点についてお話ししてきました。次は、「ご承知おきください」を実際に使うイメージを持っていただけるよう、いくつかの例文と解説をご紹介します。

「本日は20時までの営業となりますので、ご承知おきくださいませ」

スーパーやレストランなどに来店したときに、聞いたことがあるのではないでしょうか? 語尾を「ませ」にすることで、柔らかい表現になりますよ。

「こちらの仕様書の内容について、ご承知おきください」

ビジネスの場面で一般的に使われる表現です。プレゼンや勉強会など、相手に何かを知ってもらいたい場面で使用することができます。「ぜひ」や「可能であれば」などを文頭につけて、内容の重要度を組み合わせるのも有効ですよ。

「明日から働かせていただく山田です。ご承知おきを」

自己紹介など、自分のことを覚えてもらいたいときに使用することのある表現です。「お見知りおきを」と同様に使うことができます。ただし、通常は「お見知りおきを」を使うため、意味が通じない可能性があることに注意が必要。

「ご承知おきください」の類語・言い換え表現はどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

「ご承知おきください」を目上の方に使いたい時、一体どんな言い換え表現をすればいいでしょうか? 類語をいくつか覚えておくと、いざという時に役立ちますよ。シーンや相手によって使い分けてくださいね。

「お含みおきください」

「お含みおきください」は、「覚えておいてください」を丁寧な表現で表した言い方です。「お含みおきください」は、目上の方にも使用することが可能。

それは、「お含みおきください」は相手のことを高める尊敬語だからです。ビジネスで上層部の方に使いたいときは、この「お含みおきください」を使いましょう。

「ご了承ください」

「ご了承ください」という表現には、自分が行うことに対して「納得してください」「受け入れてください」という気持ちが含まれています。

また、「ご了承ください」はこれから始めることに対して許しをもらう時に使う言葉です。メールやビジネス文書などもよく使われていますよ。ただし、この「ご了承ください」は単体で使うと、「ご承知おきください」のように一方的な物言いだと受け取られる可能性があります。相手に応じて、「ご了承のほどお願い申し上げます」など丁寧な表現をして使いましょう。

「ご了知ください」

「ご了知ください」は他の2つに比べて、あまり耳にする機会はないかもしれませんね。この「ご了知ください」の意味は、「内容や事情について、はっきりと理解すること」。「ご承知おきください」より強く事情を知ってほしいときなどに使うことができますよ。

「ご承知おきください」の英語表現とは?

(c)Shutterstock.com

最後に「ご承知おきください」の英語表現についても押さえておきましょう。いざという時に役立ちます。

Please be advised.(ご承知おきください)

「advise」といえば、「助言する」という意味が一般的ですよね。実は「advise」には「通知する」「知らせる」という意味もあります。「please」と組み合わせることにより、「ご承知おきください」という意味になりますよ。

Please note that the price has changed.(価格が変わったことについてご承知おきください)

ビジネスの場面でも使うことのできる表現です。「that」のあとに知っておいてもらいたい内容に関する英文を続けます。

また、この「note」には、「この内容について注意してください」という意味もあります。合わせて覚えておくと便利ですよ。

Give a thought.(考えおいてください)

上の1、2はビジネスの場面でも使うことのできる英語表現です。しかし、日常生活で使うには少し堅苦しい言葉使いです。こちらの「Give a thought」の方は、日常生活で使えるカジュアルな「ご承知おきください」の表現になりますよ。

最後に

(c)Shutterstock.com

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「ご承知おきください」について理解が深まりましたでしょうか?

ビジネスでも日常生活でも「ご承知おきください」は、相手に覚えておいてほしいことがある時に使える表現です。使う場面にさえ注意をすれば、どこでも有効活用できる言葉ですね。正しい意味と使い方をしっかり覚え、役立てていきましょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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