イニシアチブとは「主導権」や「先導」を意味する言葉
政治やスポーツのニュースでよく使われる「イニシアチブ」。ビジネスの場でも使われることがありますよね。言葉は知っているけれど、意味やどう使うのかはよく知らないという人も多いのではないでしょうか?
イニシアチブは、上手く活用できれば、ビジネスにおいて有利になる、業務を円滑に進めることができるなど、メリットが多いとされています。イニシアチブを活用するにはどうすればいいか、チェックしていきましょう。
イニシアチブには3つの意味がある
まずは、イニシアチブの持つ意味を見ていきましょう。辞書で調べたところ、次の意味があることがわかりました。
●イニシアチブ
1:物事を率先してすること。首唱。先導。
2:主導権。
3:国民が自発的に立法に関する提案を行うことのできる制度。直接民主制の一要素。国民発案。
《デジタル大辞泉》(C)Shogakukan Inc.より引用
ビジネスの場では、「率先して行動する」の意味合いで使われることが多いとされています。「主導」「実行力」という意味合いでも使われるイニシアチブは、今後も使われる機会が増えるかもしれません。
なお、「イニシアティブ」と呼ぶこともありますが、意味や使い方はイニシアチブと同じです。
リーダーシップとは意味が違う?
「先導」を表す言葉として、「リーダーシップ」を思い浮かべる人もいるでしょう。同じ意味のように思えますが、イニシアチブとは異なる部分があります。
イニシアチブ:場の主導権を握り、自ら率先して行動すること
リーダーシップ:チームや集団をまとめ、先導または統率すること
イニシアチブは「場の主導権を握る」のが目的ですが、リーダーシップの目的は「チームや集団をまとめること」。目的に違いがあることがわかりますね。そのため、言葉の使い方も異なります。ミスコミュニケーションを起こさないためにも、違いについて把握しておきましょう。
【例文つき】イニシアチブはこう使う
イニシアチブの意味が確認できたので、次は使い方を見ていきましょう。例文を用いて、使い方を解説します。
「イニシアチブをとる」の使い方
《例文》
・競合他社に勝つためにも、イニシアチブをとるべきだ
・市場のイニシアチブをとることができれば、売上が伸びるはずだ
場の主導権をとる、成果を出すことにつなげるために主導権を握るという意味で使われるのが、「イニシアチブをとる」。新しい提案や課題解決のアイデアを積極的に出すことで、場の主導権をとることにつなげます。
また、目標達成などの成果を出すため、自ら率先して行動するという意味で使われることもあります。
「イニシアチブを発揮する」の使い方
《例文》
・主任がイニシアチブを発揮し、スムーズに商談を進めることができた
・プロジェクトが成功したのは、各スタッフがイニシアチブを発揮したからだ
成果につなげようと自ら能動的に行動することを表すのが、「イニシアチブを発揮する」です。また、「主導権」という意味で使われることもありますので、認識しておくといいですね。
「戦略的イニシアチブ」の使い方
《例文》
・長期的な活動をするには、戦略的イニシアチブの立案が必要だ
・新規事業を立ち上げるには、戦略的イニシアチブを考えなければならない
イニシアチブは、「計画」「構想」のような意味で使われることがあります。「戦略的イニシアチブ」は、目的達成などのために掲げる計画のこと。特に、企業活動や政治の世界でよく用いられています。
イニシアチブをとり、成果につなげる5つのポイント
ビジネスの場では、イニチアチブをとると、何かしらの成果につなげることができると言われます。イニシアチブをとり、成果につなげるためにはどのようなことを意識すればいいでしょうか?
ここからは、イニシアチブをとり、成果につなげるためのポイントを解説します。イニシアチブをとるためのポイントは5つ。できそうと思うことがあれば、ぜひ取り入れてください。
ポイント1:自分自身の意見を明確に伝える
イニシアチブをとるためには、自分自身の意見を明確に伝えることが重要です。新しい提案や課題解決のためのアイデアなどを積極的に提案すると、周りを先導することができます。
また、意見を明確に伝え、説得力のある説明をすることができれば、場のコントロールがしやすくなるということも。周りから信頼を集めることができれば、イニシアチブをとりやすくなるでしょう。
ポイント2:冷静に判断し、決断する
プロジェクトなどの推進では、決断を求められる場面が多いですよね。その時、選択肢のメリットとデメリットを客観的に理解し、それをもとに冷静に判断して最善の決断ができれば、イニシアチブをとりやすくなるでしょう。判断力や決断力は、ビジネスにおいて重要視される力。普段から意識し、身につけていきたいですね。
ポイント3:双方に利益が出るよう行動する
イニシアチブをとり成果を出すには、相手方と自分(自社)の双方に利益が出るようにしなければなりません。自分(自社)の利益のみ優先してしまうと、相手方に不信感を与えてしまいますし、相手方の利益を優先すると、自分(自社)に損失を与えることになります。
双方に利益が出るよう行動することができれば、相手方からも信頼され、イニシアチブをとりやすくなるでしょう。
ポイント4:トラブル予防と対策に力を入れる
プロジェクトや業務を円滑に進めるには、トラブル予防と対策に力を入れることが欠かせません。ミスが起きやすいポイントや想定できるトラブルを把握し対策をすることで、スムーズに物事が進むはずです。
トラブル予防と対策を的確に進めるには、多角的な視点で考えることが大切。そのためには、いろいろな人の意見が必要になります。普段から周りとしっかりコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことができれば、多くの意見をもらうことができるでしょう。
ポイント5:しっかり事前準備をする
商談やプレゼンテーションの場では、質問や疑問に対応することが求められます。事前準備をしっかりし、的確な対応ができれば、イニシアチブをとりやすくなるでしょう。
事前準備でしておきたいのは、疑問に感じるポイントを周囲に聞くこと。いろいろな人に意見を聞くことは、業務の質を高めることにつながります。
最後に
イニシアチブとは「先導」や「主導権」を表す言葉です。イニシアチブを活用できれば、成果をあげやすくなるとされています。解説した5つのポイントの中で取り組めそうなものがあれば、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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