トンマナの正式名称は「トーン&マナー」
「トンマナ」と聞いて、何を指すかがすぐにわかる人は少ないでしょう。トンマナという言葉を聞いたことがあっても、意味や使い方などは曖昧にしか知らないかもしれません。
一般的な認知度はそこまで高くないトンマナですが、実は、今後のビジネスシーンにおいて欠かせない手段になると考えられています。トンマナを知っておくと、仕事に活用できることも多々ありますから、ぜひ覚えてくださいね。
トンマナって何?
トンマナの正式名称は、「トーン&マナー」。色調や語調、音調などを意味する「トーン」と、作法や行儀を意味する「マナー」が合わさった言葉です。
トンマナは、「デザインや文章の統一感」や「統一感を出すためのルール」のことを言います。デザインの場合は、色やフォント、イラストのタッチなどを統一し、文章であれば、文末表現や漢字表記、文言などを統一。そうすることで、商品やサービス、企業イメージに統一感を出すのです。
もともとは、広告や出版業界で使われていましたが、最近はマーケティングや企業ブランディングにも用いられています。
日常生活にあるトンマナの成功事例
私たちの日常生活の中で、トンマナはすでに根付いているのを知っていますか? ここで身近にあるトンマナの成功事例を紹介しましょう。
●コカ・コーラ
赤地に白いロゴと言えば、コカ・コーラをイメージする人も多いでしょう。コーポレートカラーである赤は、「コーク・レッド」と呼ばれ、運搬用の樽が由来。消費者にはなじみ深い赤色ですよね。
CMや広告、商品パッケージなどは、このコーク・レッドと黄色や白のロゴで統一されているため、一見でコカ・コーラとわかります。世界のあらゆる人が知るコカ・コーラは、トンマナの代表的な成功事例と言えるでしょう。
●ティファニー
大人気のジュエリーブランドとして知られるアメリカ生まれのティファニー。マリッジリングはもちろん、大切な人へのプレゼントにもよく選ばれていますよね。また、世代を問わず愛されているのも、ティファニーの特徴と言えるでしょう。
ティファニーの象徴と言えば、パッケージなどに使われているティファニーブルーとホワイトのリボンですよね。高貴さや気高さを感じさせるティファニーブルーは、見るだけで満たされるという人もいるのではないでしょうか? これももちろん、トンマナの効果です。
他にも、スターバックスコーヒーやマクドナルドなども、トンマナの成功事例にあたります。このように、私たちの身近にある商品やサービス、企業の認知度向上には、トンマナが関係していることが多いのです。
トンマナのメリットとは?
トンマナを意識することで生まれるメリットには、どのようなものがあるでしょうか? 製作側とユーザー側の両方から見ていきましょう。
1:ブランディングになる
トンマナを意識し、商品やサービスの広告展開やコンテンツ制作をすると、世界観が統一されます。それにより、ひと目でどの企業のものかがわかるようになり、ユーザーに浸透しやすくなることに。そうなると、条件反射的に特定の企業や商品、サービスをイメージしてもらえるので、企業自体のブランディングにもつながるのです。
2:商品やサービス、コンテンツの質向上につながる
ターゲット層に合ったトンマナを設定することで、商品やサービスに合致したユーザーを正確に把握することができます。そうすることで、よりニーズに合ったものを製作することができるため、結果的に商品やサービス、コンテンツの質向上につながるのです。
3:時間やコストの削減になることも
トンマナを確立すると、イメージや世界観の共有がスムーズになり、製作時間の短縮が実現します。修正・やり直しなども減少するため、コストカットになることも。
トンマナの設定には、時間や手間がかかりますが、トンマナを確立することができれば、ユーザーと製作側の両方にとって、大きなメリットにつながります。
トンマナを設定してみよう
広告やコンテンツを考える際、トンマナの設定を取り入れてみてはいかがでしょうか? 世界観が統一されるだけでなく、思わぬ効果が生まれるかもしれません。トンマナの設定方法を紹介しますので、ぜひ活用してみてください。
1:まずは、ペルソナの設定を
ペルソナとは、ユーザー層を指す言葉。ペルソナを設定する場合、年齢や性別だけでなく、職業や収入、住んでいる地域などの細かな情報まで洗い出すことが大切です。細かく情報を設定することで、より明確な伝え方ができ、ユーザーに響きやすくなります。
2:コンセプトが伝わるようにトンマナを設定する
ペルソナの設定ができたら、次はコンセプトが伝わるようにトンマナを設定していきましょう。ペルソナに対し、どのような文章やデザインであれば効率的にアプローチできるのか、しっかりと考える必要があります。
トンマナの設定には、デザインや色だけでなく、文のフォントやレイアウトにも気を配ります。細かな部分までしっかりと考えることで、よりニーズに合った質の高いものを提供できるからです。
3:トンマナのNGルールも決めておく
トンマナの設定をする際、避けるべきことも決めて共有するといいですね。文章の表現やデザインにおいて、どのような表現をNGにするか、あらかじめ考えておくとスムーズです。
文章であれば、誇張表現やネガティブな表現は避けるべきですが、どのような表現がそれに該当するか、そのイメージをしっかり共有することが大切です。そのつもりはなくても、思わぬ受け取り方をされることもありますから、その点は注意を払いたいですね。
トンマナと一致しない表現やデザインがどういうものかも、意見を共有しておきます。トンマナに使うメインカラーやサブカラーだけでなく、NGカラーについても設定しておけば、修正・やり直しを防ぐことに。
商品やサービス、コンテンツの魅力を高めるためには、トンマナが欠かせません。ぜひトンマナを上手く活用してください。
最後に
商品やサービスに、統一したイメージを設定するための手段であるトンマナ。トンマナを活用することで、商品やサービスだけでなく、企業ブランドも高めることができます。トンマナを上手く設定するために欠かせないのが、ペルソナの設定です。ユーザーの細かな情報を集め、相手をしっかりと想定し、ニーズに応えられるよう細かな部分にまで気を配るようにしてください。
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