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2023.08.09

油を売るとは無駄話などをして怠けることを意味する慣用句!由来や使い方

油を売るとは無駄話などをして仕事を怠けることを意味する慣用句です。昔の油売りの商売スタイルが由来となっているといわれています。どのように使う言葉なのか、具体的な例文をとおしてご紹介します。

油を売るとは無駄話をして怠けること

油を売るとは、無駄話をして怠けることを指す慣用句です。また、仕事をしないで怠けているときにも使います。ただし、実際に油を売るときにも「油を売る」と表現するため、話の流れから、慣用句なのか文字通りの意味なのか見分けることが必要です。

油を売るの慣用句は、江戸時代の頃にはすでに使われていたとされています。当時も今と同じく、天ぷらなどの油を使った料理があり、油を売る光景はそこかしこで見られていました。

昔の油売りが由来とされている

江戸時代やそれ以前は、油を入れた樽をかついで売り歩くスタイルが一般的だったようです。客は家から容器を持って行き、油売りが樽からひしゃくで容器に油を入れて販売しました。

ひしゃくで液体を注ぐ様子
(c)Adobe Stock

昔の油は現在よりも精製度が低かったためか「切れ」が悪く、ひしゃくから糸を引いてすんなりとは入らなかったようです。糸を引いている間、油売りは世間話などをして場を持たせます。その様子から「油を売る」は「無駄話をすること」を指すようになり、いつしか「無駄話をして怠けること」を意味するようになりました。

油を売るを例文でご紹介

油を売るという慣用句は、日常会話でも使われることがあります。たとえば、次のように使ってみましょう。

・あの子は油を売ってばかりで、なかなか勉強をしない。
・コンビニに行くといって出かけたはずなのに、1時間も戻ってこない。どこで油を売っているのか……。

明らかに怠けているときも、ストレートにいうのははばかられることがあります。油を売るという慣用句を使って、遠回しに表現するとよいかもしれません。

油を売ると類似する表現

油を売るは、怠けたりさぼったりしているときに使う表現です。ほかにも、次の表現は怠けているときなどに使うことがあります。

・道草を食う
・手遊びをする
・不精する

それぞれのニュアンスの違いや使い方について見ていきましょう。

道草を食う

「道草を食う」とは、目的の場所に行く途中でほかのことをすることを意味することわざです。寄り道するときなどにも使われます。

馬が道端に生えている草を食べると、予定した時間に予定した場所に行けません。その様子から、途中で時間がかかったり、本来の目的とは異なることをしたりすることを「道草を食う」というようになりました。たとえば次のように使えます。

・思ったよりも遅かったね。道草を食っていたんじゃないの?
・道草を食わずに、まっすぐに来てください。

油を売るのように無駄話をするというニュアンスはありませんが、目的以外のことに時間を使うのは同じといえます。

手遊びをする

「手遊びをする」とは、暇つぶしや退屈しのぎをすることを意味する言葉です。たとえば勉強をするつもりで、机に向かったものの、やる気が起こらず、鉛筆をクルクル回すなどの無関係なことをするときに使います。

・手遊びをしないで、勉強に集中してください。
・手遊びをしていたの?退屈なら、料理を手伝って!

油を売るのような無駄話のニュアンスはありませんが、本来するべきこと以外に時間を使っている点は同じです。状況を正しく把握して、表現を使い分けましょう。

不精する

「不精する(ぶしょうする)」とは、面倒がって、本当であればするべきことをしないことを意味する言葉です。また、身体を動かすのを嫌がるときや、身だしなみを構わないことなどを指すこともあります。

「無精する」と表記されることや、「ぶせいする」と読むこともありますが、いずれも同じ意味です。たとえば次のように使ってみましょう。

・不精して、セーターとシャツをまとめて脱いだ。
・彼は不精にも、自分の部屋すらまともに掃除をしない。

また、ほかの言葉と組み合わせることもあります。たとえば、出かけるのを不精するときは「出不精(でぶしょう)」、手紙を書くことを不精するときは「筆不精(ふでぶしょう)」などと表現します。

油を売ると反対の表現

熱心に勉強する女性
(c)Adobe Stock

油を売るには、「さぼる」や「怠ける」という意味があります。反対に、さぼったり怠けたりせずに一生懸命な様子を指す表現としては、次のものが挙げられます。

・一心不乱
・骨身を惜しまず

それぞれの表現のニュアンスや使い方を見ていきましょう。

一心不乱

「一心不乱(いっしんふらん)」とは、ひとつのことに集中し、ほかのことには注意を向けない様子を指す言葉です。油を売ったり道草を食ったりせずに、目的に向かってまっすぐに進むときに使います。たとえば、次のように使ってみましょう。

・彼女は一心不乱に受験勉強に取り組み、合格通知を手に入れた。
・一心不乱に仕事に励んだ結果、社内でトップの営業成績を上げた。

なお、かつては「いっしんぷらん」と読むこともあったようです。この場合は、雑念を捨てて仏の道にまい進することを意味する仏教用語として使われていました。

骨身を惜しまず

「骨身を惜しまず(ほねみをおしまず)」とは、手間や労力をいとわない様子を指す言葉です。一心不乱と同じく特定のことに集中する意味ですが、単に集中するだけでなく、実際に労力を使っていることに重きを置いた表現です。

・この度はご指名をたまわり、ありがとうございました。骨身を惜しまず一生懸命サポートいたします。
・骨身を惜しまず働けば、やがては認めてもらえるだろう。

油を売っているといわれないようにしよう

油を売るという表現は自分を戒めるときにも使うことがありますが、他人の行動が目に余るときや疑問に感じるときにも使うことがあります。

他人の行動に「油を売る」という表現を使うときは、褒めるニュアンスはなく、「一生懸命にすべきだ」「さぼらずに行動してほしい」といった好ましくないことを指摘する意味合いです。「また油を売っているよ」などと言われることがないよう、仕事にも勉強にも全力で取り組むようにしたいものですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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