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「心遣い」の読み方と意味とは?
思いやりの心に感謝する言葉が「心遣い」。本記事では、「心遣い」の読み方や意味、使い方を解説していきます。
まず、「心遣い」の読み方や意味について、確認していきましょう。
◆「心遣い」の読み方と意味
「心遣い」は、「こころづかい」と読みます。「あれこれと気を配ること、心配り、配慮」という意味。相手のことを思いやったり、心配したりする気持ちを表すことができます。「心遣い」は「心を遣わせる」、すなわち、自分の心を相手に寄り添わせるという意味です。相手の感情を思いやった上で、言葉を掛けたり、行動を起こしたりすることを指します。
また、「心遣い」には、「お金」の意味があります。直接的に、「お金」という言葉を出すことが憚られる場面で用います。例えば、部の飲み会です。部長から飲み会の費用として、少し多くお金を出していただいたこと、ありませんか? そんな時、飲み会の席で「お心遣いをいただき、ありがとうございました」と使います。この場合、「お金をいただき、ありがとうございました」という意味。「お金」を「心」と言い換えて表現しているのです。
ひとつ注意したい点が、「心使い」ではないという点。「使う」は、物理的に働かせることを表します。「心遣い」で働かせるものは「心」ですよね。心は目に見えたり、手に取ったりできず、物理的に働かせることができません。心に対しては、相手に遣えるという意味を持つ「遣い」を用います。
◆「心遣い」の使い方は?
思いやりの心を感じた時、「心遣い」を用いて感謝を述べたいと思いませんか? 「心遣い」の使い方を解説します。「心遣い」の意味は「気を配ること」「心配り」「配慮」でしたね。相手が心を配ってくれたことを、丁寧に表現したものが「お心遣い」です。相手の思いやりを感じた時に使用しましょう。例えば、「先日は、お心遣いをいただきまして、ありがとうございました」などと用います。
「心遣い」と「気遣い」の違いは?
「心遣い」と似ている言葉に、「気遣い」があります。「気遣い」は「あれこれ気を遣うこと」という意味。どちらも相手を思いやっての言動に対しての言葉ですね。「心遣い」には「思いやり」「配慮」というニュアンスが多く含まれているのに対し、「気遣い」には「心配」「懸念」というニュアンスで用います。
また「心遣い」は間接的な言動に対して用いられますが、「気遣い」は直接的な言動に対して用いられます。
例えば、ケガで入院してしまった友人に対しての言動で比べてみましょう。
入院中は、きっと退屈だろうからと本を贈ったり、退院後の楽しいプランを提案したりすることを「心遣い」と表します。
一方、入院生活に必要な洗面道具や衣類を贈るのが「気遣い」になります。
「心遣い」をビジネス等で使う時の注意点とは?
では、ビジネスシーンで「心遣い」を使う時、どのような点に注意すれば良いでしょう? 確認していきます。
「お心遣いありがとうございます」は、目上の相手に使うことができます。ビジネスシーンでもよく用いられていますね。目上の方から特別な配慮や支援をいただいたときは、「心遣い」をより丁寧に、「お心遣い」として、用いると良いでしょう。「ありがとうございました」だけでは、感謝の気持ちを表し切れないときに「お心遣いをいただき、誠にありがとうございました」とすると、よりお礼の気持ちを伝えることができますね。
「お心遣い」を用いれば、相手の言動にだけでなく、思いやってくださったという気持ちに対してもお礼を伝えることができます。また、「お心遣い」は普段以上の思いやりや心配りを受けた時、または贈答品や心付け、ご祝儀などの金品を貰った時にも使えるので覚えておくと便利ですね。
さらに、相手が目上の方でなくても、改まった場での挨拶や文章内などでは「心遣い」という言葉を使うことができます。お礼やお詫びは、相手との立場関係によらず、きちんと気持ちを伝えたいですよね。
「心遣い」の使い方は? 例文でチェック
では、「心遣い」の使い方を例文でチェックしましょう。
「先日はあたたかなお心遣いをいただきまして、ありがとうございました」
贈り物などをいただいたときに使える表現です。相手が心を配ってくれたことを、丁寧に表現したものが「お心遣い」です。相手の思いやりを感じた時に、感謝の気持ちとともに使用するのが良いでしょう。
また、心は温度で表すことができます。相手からの心遣いがうれしかったということを「あたたかなお心遣い」と表現することで、やわらかな印象とともに感謝が伝わります。
「お心遣いに痛み入ります」
より丁寧な表現が「お心遣いに痛み入ります」です。「痛み入る」とは「申し訳ない・恐れ入る」などの意味。相当な金品をいただいたり、目上の人から特に心を配ってもらった時などに用いることができる表現です。
「このたびは、お心遣いを賜り誠にありがとうございます」
「お心遣い」の後には「いただき」「くださり」がくることが多いです。「いただき」「くださり」の代わりに、「賜り」を使うことで、改まった場や相手へ格別の感謝を伝えたい場合に、より丁寧で強い気持ちを表すことができます。
「心遣い」の類語にはどのようなものがある?
「心遣い」の類語も合わせて覚えておきましょう。
ご配慮
「ご配慮」は、「心を配ること」「気を遣うこと」という意味。少しかしこまった表現として使用できます。逆に、「心遣い」を使うとやさしい印象になります。場面によって、使い分けられると良いですね。
【例文】:「格別のご配慮を賜り、恐縮に存じます」
心尽くし
「心尽くし」は、「相手のために、心を込めてすること」という意味。具体的に形になるものを指します。例えば、「心尽くしの料理」と言えば、相手においしく食べてもらいたい、喜んでもらいたいという心を尽くして作る料理のことです。
【例文】:「このたびは、お心尽くしのお料理をいただき、誠にありがとうございました」
ご温情
「ご温情」は、相手から受けた情けや深い思いやりの意味。「情」という言葉から分かるように、相手の「情」に対して感謝をするときに使う言葉です。ビジネスシーンではなく、個人間でのお付き合いがある相手に向けられます。相手が恩師の場合は、「ご恩情」を使いましょう。
【例文】:「先日は遠方より結婚式にご参列いただき、ご温情に深く感謝申し上げます」
「心遣い」の英語表現とは?
「心遣い」のように、感謝を伝える英語表現があるでしょうか? 例文を用いて、確認していきましょう。
I appreciate your kindness.(お心遣いに感謝申し上げます)
ビジネス英語では、「Thank you.」よりも「appreciate(~に感謝する)」をよく使います。「kindness」は優しさという意味です。
Thank you for your concern.(お心遣いありがとうございます)
「concern」は、配慮という意味。直訳すると、「あなたの配慮に対して感謝します」となります。
Thanks for keeping an eye out for me.(お心遣いありがとう)
友人に対し「見守ってくれてありがとう」「心配してくれてありがとう」という意味で述べるカジュアルな表現です。
最後に
人とのお付き合いの中で「心遣い」をいただいたとき、「相手の気持ちがうれしい」と感じます。そんな風に相手を思いやり、さりげなく心遣いができる人って素敵ですね。心遣いのできる人でいられる少しの余裕を持っていたいものです。
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