「セオリー」とは? 意味と語源を解説
初めにご紹介するのは、「セオリー」の意味と語源です。「セオリー」は、一体どのような意味の言葉なのでしょうか?
「セオリー」の意味
「セオリー」は「理論や仮説、定石」といった、「確立された方法」を指す言葉です。元々は「理論、定石」という意味のみ使われていましたが、現在では「ある物事における最善の方法・手段」という意味でも使われるようになりました。スポーツなどでは「戦術の基礎」、といったニュアンスでとらえると分かりやすいかもしれませんね。
「セオリー」の語源
「セオリー」の由来は、英語の「theory」。この「theory」は、「見ること」「見解」という意味があるギリシャ語の「theoria」から生まれた言葉です。「見ること」「見解」という言葉が転じて、「自分の意見」という意味で使われるようになり、さらに転じて、「理論」という意味になりました。日本語の「セオリー」は、英語の意味がそのままカタカナ語として定着した言葉です。
「セオリー」の使い方とは? 例文でチェック
実際に「セオリー」という言葉はどのように使われているのでしょうか? 今回は、例文3つ挙げて使い方をご紹介したいと思います。
「何事も、まずはセオリー通りにやるところからスタートだ」
「セオリー」を使った会話の中でも、特によく使われるのが「セオリー通り」です。文脈や会話の内容からニュアンスが多少異なることはありますが、多くの場合が、「仮説通り」「予定通り」という意味で使われます。
また、「セオリー通り」に似た「セオリー」の使い方だと、他にも「○○するのがセオリー」があります。この場合の「セオリー」の意味は、「定石、効果的なやり方」です。
「この障害の対処法について、一刻も早くセオリーを確立させる必要がある」
ビジネスシーンの場合だと、「セオリーを確立する」といった使い方をすることが多いです。「確立」という言葉を合わせて使う場合の「セオリー」は、主に「方法、やり方」という意味で使われます。
すでに実施されているやり方や、既存の方法に沿って仕事を行う際は、「確立されたセオリーに従う」といった表現をされることもあります。
「彼のセオリーによると、モテるためにはまず清潔感を持つことが重要らしい」
特定の人を指して「○○のセオリー」という使い方をすることもあります。この使い方の場合、「セオリー」は「持論」という意味で使われます。
「セオリー」の類語とは?
続けて「セオリー」の類語を紹介します。類語を押さえておくと、シチュエーションに応じてより適した言葉を使えるようになりますよ。
定石(じょうせき)
「定石」は元々、「最善とされている決まった打ち方」を指す囲碁の言葉です。そこから意味が転じて、「ある物事に対する最善の対処法」という意味で使われています。
「決まった方法、やり方」という点では、「セオリー」と「定石」に意味の違いはありません。ただ、「定石」は「仮説」というニュアンスを持たないため、「仮説」というニュアンスを含みたい場合は「セオリー」を使う必要があります。
マニュアル
「マニュアル」は、「説明書」「手引書」という意味を持つカタカタ語です。機械の操作方法や仕事のやり方をまとめた冊子のことも「マニュアル」と呼びますよね。
「マニュアル」は、「ある物事に対して確立された対処法」を記載しているもののため、「セオリー」の一種と言い換えることができます。「初心者向けのもの」と「マニュアル」、「上級者向けのもの」を「セオリー」と分けて使われることが多いです。
モットー
「モットー」は、個人、企業などの集団の「行動指針や目標として掲げていること」を指して使われます。「座右の銘」と言い換えることもできますね。「セオリー」が論理的に説明できるものに対して使うのと異なり、「モットー」は目標や心がけのため、理論ではないという違いがあります。
「セオリー」の対義語とは?
最後に、「セオリー」の対義語についてご紹介です。理論や、やり方という意味がある「セオリー」の対義語とは、一体どのようなものがあるのでしょうか?
実践
「セオリー」の対義語としてよく挙げられるのは「実践」です。「主義や理論、仮説などを実際に自分で行うこと」という意味があります。「理論」の対義語となる言葉ですよ。
アクション
「アクション」は「実践」と同じ意味を持つカタカタ語です。日本語では「動作、活動」と言い換えることができます。
応用
「応用」は、「原理や知識を、実際の状況に当てはめて利用すること」という意味があります。「定石」やスポーツなどで、「戦術の基礎」という意味で使われる「セオリー」の対義語として使うことができますよ。
最後に
「セオリー」について解説しました。「セオリー」は、「定石、仮説」といった「確立された手段」という意味を持つカタカナ語です。前の文脈によって様々な意味で使うことができるため、ビジネスシーンでも活躍する言葉です。正しい意味と使い方を覚えて活用してみてくださいね。
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