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この記事のサマリー
・「業を煮やす」は、物事が思うように進まず、腹を立てる様子を指します。
・「業」は腹立たしいことを指します。
・類語には「業を沸かす」や「堪忍袋の緒が切れる」、「腹に据えかねる」があります。
「何度言えば伝わるの?」… 思い通りに進まない状況に、抑えていた苛立ちがとうとう噴き出しそうになる。そんな、しびれを切らした怒りを表すときに使うのが、「業(ごう)を煮やす」という言葉です。
けれど、なぜ「業」を「煮る」と書くのでしょうか? 一見すると意味の分かりにくい表現ですが、背景を知れば納得できるはずです。
この記事では、「業を煮やす」の意味・語源・使い方・注意点を辞書に基づいて紹介します。
「業を煮やす」の意味を確認
「業を煮やす」という言葉の意味と、その成り立ちを整理していきましょう。
「業を煮やす」の読み方と意味
「業を煮やす」は、「ごうをにやす」と読みます。なかなか思うようにいかずに腹を立てることを意味しますよ。
辞書では次のように説明されています。
業(ごう)を煮(に)や・す
事が思うように運ばず、腹を立てる。「無意味な発言が続き―・して席を立つ」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「業」は、腹立たしいことを意味します。
参考:『デジタル大辞泉』『日本国語大辞典』『故事俗信ことわざ大辞典』(すべて小学館)

「業を煮やす」の使い方を例文でチェック!
具体的にどのような場面で「業を煮やす」を使えばいいのか、例文とともに確認していきましょう。
「担当者の決断が遅く、現場は業を煮やしていた」
周囲が焦れ、イライラしている雰囲気を表しています。ビジネスの文章にも使える表現です。
「交渉が長引き、彼はついに業を煮やして直接相手先へと出向いた」
待っていても進展しないため、いらだちが募り行動に出た場面です。「我慢の限界に達した」ニュアンスが伝わってきます。
「はっきりしない態度が続き、彼女は業を煮やして別れを切り出した」
相手の優柔不断さに我慢できなくなり、感情が限界に達して決断した場面を示しています。
「業を煮やす」の言い換え表現
「業を煮やす」と似た意味を持つ表現を紹介します。
「業を沸かす(ごうをわかす)」
「業を煮やす」とほぼ同義で、感情が沸騰するような怒りを表します。
例文:「一向に返事がなく、ついに業を沸かして電話をかけた」
「堪忍袋(かんにんぶくろ)の緒(お)が切れる」
長く我慢していた怒りが、ついに限界を超えて爆発するさまを表します。
例文:「度重なる遅刻に、ついに堪忍袋の緒が切れた」
「腹(はら)に据(す)えかねる」
怒りを心中におさめておくことができなくなる意味で、我慢ができないことを表します。
例文:「失礼な態度が続き、さすがに腹に据えかねた」
参考:『デジタル大辞泉』(すべて小学館)

「業」を用いた他の慣用句にはどんなものがある?
「業を煮やす」以外にも、「業が滅する」「業を晴らす」などの表現があります。それぞれの意味を確認してみましょう。
「業が滅する」
「業が滅する」とは、悪いことをした報いが消えてなくなることを意味します。転じて「死ぬ」ことを指しますよ。
「業を晴らす」
「業を晴らす」とは、悪行の報いを受け尽くすことを意味します。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

「業を煮やす」に関するFAQ
ここでは、「業を煮やす」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 読み方は「ぎょうをにやす」で合っていますか?
A. いいえ、「ごうをにやす」と読むのが正解です。
Q2. 「業を沸かす」と言ってもいいですか?
A. はい、「業を煮やす」と同じ意味で使えますよ。
Q3. 「業を煮やす」の類語を教えてください。
A. 「堪忍袋の緒が切れる」や「腹に据えかねる」があります。
最後に
「業を煮やす」は、思うように進まない状況に、じわじわと焦れた気持ちが募る様子を表す言葉です。時間とともに怒りが沸き上がる様子が伝わってくるようですね。
怒りに心が奪われそうなときには、気持ちを言葉にして整理するだけでも少し落ち着くかもしれませんよ。
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