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2025.10.18

「お気遣い痛み入ります」は、使いどころを間違えやすい敬語? 失敗しがちな場面と注意点

上司が会議の時間を調整してくれたとき、同僚がメールの返信をくれたとき、「お気遣い痛み入ります」という言葉を使っている人も多いでしょう。
実はこの表現、多くのビジネスパーソンが使いどころを間違えている敬語の一つなのです。相手の配慮に感謝を伝えたいという気持ちは素晴らしいのですが、場面に合わない重すぎる感謝表現は、かえって相手を困惑させたり、不自然な印象を与えたりすることがあります。
今回は、「お気遣い痛み入ります」の正しい意味から、失敗しやすい使い方、適切な場面、そして状況に応じた言い換え表現まで、具体例を交えながら詳しく解説します。

コマツマヨ

「お気遣い痛み入ります」の意味とは?普通の感謝との違い

「お気遣い痛み入ります」は、相手の配慮や心遣いに対して深い感謝と恐縮の気持ちを表す表現です。まずは、この表現が持つ本来の意味と、通常の感謝表現との違いを知っておきましょう。

「痛み入ります」ってどういう意味?

「痛み入る」とは、相手の配慮が身にしみて、心が痛むほどありがたいという意味を持ちます。単なる「ありがとう」を超えた、深い恐縮と感謝が込められた表現です。

ニュアンスとしては「そこまでしていただいて申し訳ないです」に近く、相手の行為に対して恐れ多いという気持ちと、深い感謝が混ざった複雑な感情を表現しています。相手が自分のために大きな負担や犠牲を払ってくれたことに対する、最も強い感謝の言葉と考えられますね。

普通の感謝とは重みが違う

「お気遣い痛み入ります」は、軽い気持ちで使うには少々重い表現かもしれません。本来は、相手が通常の範囲を超えて、”恐れ多い”レベルの配慮をしてくれた時に使う言葉です。日常的に使うと、相手も「そこまで大げさに言われても…」と戸惑い、お互いに疲れてしまう可能性があります。

「お気遣い痛み入ります」を使うと失敗しやすいシーン

よくある失敗例として、ちょっとした業務を同僚に手伝ってもらったときなどに「お気遣い痛み入ります」と言ってしまうケース。軽い親切のつもりで手伝っただけなのに、仰々しい反応だと言えます。

必要以上に恐縮した態度を取ることで、距離を感じさせてしまったり、堅苦しい使うことで「この人、本当に感謝してるの?」「口癖になってるだけでは?」と、形式的な印象を与えてしまいます。言葉の重みが失われ、信頼関係にも影響しかねません。

「痛み入ります」が自然に使えるベストなシーン

では、どんな時なら「お気遣い痛み入ります」を使うのが適切なのでしょうか。

まずは、上司や先輩などの目上の人、取引先など、フォーマルな言葉が適切な相手に、本来の業務を超えた特別な配慮をしてもらった時も適切です。例えば、担当外の案件なのに協力してくれた、他部署なのに自分の業務時間を割いてでも助けてくれたといった場合。また、自分のミスをフォローしてもらった時も、この表現がふさわしいでしょう。相手が余計な手間をかけて、自分の失敗を補ってくれたことへの恐縮と感謝を同時に伝えられます。

その他、相手が明らかに手間をかけてくれたことが分かる場面、普通では期待できないレベルのサービスを受けた時、相手にとって負担だったであろうことをしてもらった時など、”特別な配慮”を受けた場合に限定して使うのが適切です。

(c)Adobe Stock

上司や先輩から「センスがいいね」と思われる言い換え表現

「お気遣い痛み入ります」の代わりに使える、場面に応じた適切な表現をご紹介します。

1.ご配慮いただき、ありがとうございます

通常のビジネスシーンでは「ご配慮いただき、ありがとうございます」が使いやすく、相手への感謝を丁寧に伝えられます。

2.身に余る光栄です

特別な機会を与えられた時は「身に余る光栄です」という表現も効果的です。昇進や表彰、重要なプロジェクトへの参加など、名誉なことに対する感謝を表現できます。

3.お心遣いに感謝いたします

日常的な心遣いに対しては「お心遣いに感謝いたします」がちょうどよい重さです。相手の気持ちを受け止めつつ、大げさになりすぎない絶妙なバランスの表現です。

使い分けができると、こんなメリットが!

適切な感謝表現の使い分けは、あなたのビジネスパーソンとしての評価を高めます。どんなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

TPOに合わせて言葉を使い分けられる人だと思ってもらえる

場面に応じた適切な表現ができる人は、状況判断力があり、相手の立場を理解できる人として評価されます。過不足のない感謝表現は、ビジネスセンスの良さを示す指標の一つです。

「言葉遣いが自然で上品」という印象を与える

大げさすぎず、かといって軽すぎない、ちょうどよい感謝表現ができる人は、教養があり品格のある人という印象を与えます。これは、社内外での信頼関係構築に大きくプラスに働きます。

(c)Adobe Stock

結局、感謝の気持ちをスマートに伝えるには?

「お心遣い痛み入ります」は特別な場面のための特別な表現です。普段は「ありがとうございます」「助かりました」といった軽やかな感謝で十分なので、場面に合わせて言葉の重さを調整することがポイントです。

結局のところ、形だけの敬語より、相手の立場に立って考える気持ちが一番大切。相手が何をしてくれたのか、それがどれほどの負担だったのかを理解し、それに見合った感謝を伝える。この基本を押さえれば、自然と適切な表現が選べるようになるはずです。

TOP画像/(c)Adobe Stock

コマツマヨ

WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。

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