〝勢い〟で転職してみたら案外良かった…って本当?
アンケート調査によると、「今、転職を検討している」Oggi読者は、なんと全体の61%! 転職がステップアップの手段として当たり前になった今、自分のやりたいことを叶えるためには、目の前のチャンスを逃さずつかむ、軽やかに動くことが必要、という仮説に迫ってみました。
Oggi読者に聞いてみました!
Q 今、転職を考えていますか?
Q 転職したい理由は?
「転職活動中」のほか、「情報収集中」「いい話があったら」も含め、検討している人は全体の6割超。よりよい環境で働くためのアンテナは常に張り巡らしている模様。ちなみに転職したい理由は、「給与への不満」がトップ。
Q 「勢いで転職」するのはアリだと思う?
今回、編集部では「転職を思い立ってから決行までが短い人」「たとえ経験がなくても、ひるまず飛び込む人」「好きが高じて本職にすること」などを〝勢いで転職すること〟と定義。そんな転職方法に肯定的な読者は半数以上という結果に!
働く私たちの前向きな選択のために…「勢いに乗って転職」するのは大いにアリ!
様々な理由から転職を考える人は多いはず。とはいえ、今の仕事を離れる、新しい仕事との相性など考えると悩むことはつきものです。今、キャリアに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
転職サービス「女の転職type」編集長 小林佳代子さんに、今どきの転職事情を聞いてみました。
教えていただいたのは…
▲転職サービス「女の転職type」編集長 小林佳代子さん
こばやし・かよこ/新卒でキャリアデザインセンターに入社後、転職情報誌および転職サイト「type」「女の転職type」の広告制作に携わる。2018年より現職。
「コロナ禍以降、今は圧倒的な売り手市場。もやもやするくらいなら、〝思いきって動く〟選択を」
ここ数年、Oggi世代の転職事情にはどんな変化が?
「当社が運営する転職サービスの動きを見ると、今は転職を検討する人にとって大きな追い風が吹いていると言えます。その要因としては、リモートワークの浸透など、社会全体の働き方の変革に加え、人手不足による人材獲得競争の激化があります。
求人数自体もここ数年高いまま推移していて、この先も、求職者が有利な状況はしばらく続く見込み。転職する側が望む給与のベースや条件も以前より高まっており、採用側もそれに応えようと各社が工夫を凝らしています。
この状況は求職者のマインドにも表れています。今年4月に当社の転職サービスに登録した方々のうち、4月に新社会人となった方の人数が過去最高を記録したんです。
つまり、入社後すぐ転職を検討しているということ(笑)。『石の上にも三年』の時代は終わり、キャリアの実現のためには即動く〝勢い〟を秘めた人が増えている今、一歩踏み出す勇気も大切なスキルのひとつと言えそうです」(小林さん・以下同)
最新の転職事情をチェック! 今どき転職の注目TOPIC5
1. 人材不足の今、採用方法はダイレクトリクルーティングが主流に
「今、企業は優秀な人材の確保が急務、かつ難題に。応募を待つのではなく、スカウト型採用やリファラル採用など、〝自ら求職者に働きかける〟方法が一般的に。スカウト専門の転職サービスなども増えているので、登録しておけば、思わぬチャンスが転がり込んでくるかも」
2. 注目の職種はITエンジニア系
「DXの推進によるIT需要の拡大で、急激に求人数が伸びているのがこの職種。自社ツールのサポート業務を行うIT事務などは、特別な資格がいらず未経験でもトライしやすいと特に人気。IT系はリモートワークができる、給与水準が高いなど、働きやすさの面でも注目です」
3. これから身につけるなら、どこにいても通用するポータブルスキル
「ここ数年でよく耳にするようになったのが、持ち運べるスキル=ポータブルスキルという言葉。企業もAIなど新たなテクノロジーに対応する必要がある中、業種や職種に囚われず、環境が変わっても生かせるスキルを持っている人材が重視される傾向にあります」
4. 情報収集は企業SNSの活用を
「今、さまざまな企業の人事部が、採用活動にTikTok、Instagram、noteなどのSNSを活用しています。転職サイトでは公開されていない情報も多いので、気になる企業のアカウントは日ごろからチェックしておくと◎。社員の様子など、職場の雰囲気の見極めにももってこい」
5. 勢いに乗るには、自分らしい「仕事の軸」を見つけてから
「いくら売り手市場でも、追い風が吹いていても、勢いだけに任せて転職するのはNG。やりたいこと、重視したいことなど、自分の中の軸をきちんともつことが大切です。まずは今抱えているもやもやの正体を探ることから始めて」
勢い転職をするためにしておくこと
☑︎予定はなくても、転職サイトに登録しておく
「登録の際、経歴やレジュメを書くことで、自然とキャリアの棚おろしができます。『自分の希望は?』と整理するうちに、何にもやもやしているかも明確になります」
☑︎自分のスキルを書き出して言語化する
「ポータブルスキルもそうですが、『自分はこんなことができます』と自らをプレゼンできる能力があると強い。書き出して整理しておくなど、言語化する訓練を意識的に行って」
☑︎やり直しはいくらでも! 迷うくらいなら飛び込む勇気を
「自分の軸ややりたいことがあっての〝勢い転職〟なら、たとえ失敗してもリカバリー、軌道修正が可能です。キャリア実現のために必要な紆余曲折と捉え、ぜひ挑戦を!」
●掲載している情報は2024年7月11日現在のものです。
2024年Oggi9月号「〝勢い〟で転職してみたら案外良かった… って本当?」より
イラスト/アイハラチグサ 構成/佐々木 恵(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部