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2025.07.11

【奈緒&ウエンツ瑛士|対談 前編】人を愛するのは簡単ではないけれど、分け隔てなく愛を伝えることはできる

初共演とは思えないほど、息がピッタリの奈緒さんとウエンツ瑛士さん。共に臨むのは、米軍兵士と日本人女性の半生を描いた舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』。実在する夫婦の愛の軌跡を、戦後80年のいま届けることの意味とともに考えます。

「愛はひとりで育てていくものではない」(奈緒さん)

舞台『WAR BRIDE』。第二次世界大戦直後の1951年、米軍の兵士フランク・ハーン(ウエンツ瑛士)と恋に落ちた桂子(奈緒)は、双方の家族に受け入れられ、フランクの故郷・アメリカのオハイオ州へ移住。ところが、現地では思いがけない人種差別と辛い現実が待ち受けていてーー。2022年にドキュメント番組として放送された実話をもとに、今回初めて舞台化されます。

注)WAR BRIDE=戦争花嫁。第二次世界大戦後、連合国軍占領下の日本に駐留していた兵士と結婚して兵士の国に渡った日本人女性をさす。アメリカへ渡った戦争花嫁の数は約4万5千人いたといわれている。女性たちは娼婦・売春といった誤解と偏見を世間に植え付けられ、差別を受けてきた。

――奈緒さんが演じるのは、20歳でアメリカへ渡った桂子・ハーンさん(現在94歳)。舞台出演にあたり、オハイオ州ライマで暮らす桂子さんにお会いしたそうですが、どのような印象を受けましたか?

奈緒さん(以下、奈緒):桂子さんは、とにかく魅力にあふれた素敵な方です。身寄りのないアメリカで、自分の居場所を築いてきた桂子さんの周囲には、たくさんの愛があふれていました。街を歩きながら会った桂子さんのお知り合いの方と思いがけず話が弾んだり、フランクさんのお墓の前ではその場で会っているように話しかけたり。「あなた、寂しいでしょ、ごめんね」と、今でもフランクさんのことをすごく大切に思っているんです。その様子を見て、「どんな所でも、自分で居場所はつくれる」という大きな希望と、「愛はひとりで育てていくものではない」ということを学びました。

ウエンツ瑛士さん(以下、ウエンツ):僕は実際にお会いしていないけれど、こうして話を聞くほどに、アメリカで生まれ育ったフランクさんより前向きで、表現力豊かな桂子さんが思い浮かびます。実際、フランクさんは内気だったらしいのですが、桂子さんの影響を受けて、どんどん明るく開花していった。さまざまな苦労を乗り越える桂子さんの姿を見て、たくさんの勇気をもらい、より強い絆で結ばれていったのでしょう。

――そんなふたりの関係を、どのように表現していきたいとお考えでしょうか。

奈緒:愛と希望のあるふたりの話ですから、これからの稽古は、そして舞台本番も、とても温かなものになるといいな、と思っています。そして、ふたりの物語をしっかりと届けたい。舞台に関してはまだ未熟なところがある私ですが、ウエンツさんとなら、絶対に叶えられるって。何かあったらウエンツさんに相談しようと心の中で決めています(笑)。不思議と、ものすごく安心感があるんです。

ウエンツ:雰囲気づくりは大前提として、桂子さんとフランクさんが実践してきた「たくさんの愛情表現」「たくさんのコミュニケーション」を、臆せず表現していきたいと思います。そして、舞台上にいる僕らを見て、お客さんも一緒に舞台に上がりたくなったらいいですね。

「周囲に愛を与えることが、自分たちの幸せにもなっていく」(ウエンツさん)

――この実話を、戦後80年のいま上演することに関して、どのように受け止めていらっしゃいますか。

奈緒:まず、『WAR BRIDE』(戦争花嫁)という言葉を今回初めて知り、「WAR」(戦争)と「BRIDE」(花嫁)というふたつの言葉のイメージのギャップ、そして緊張感を感じました。さらに、『WAR BRIDE』という言葉の背景を考えたとき、辛く悲しい過去の事実をきちんと伝えつつも、言葉のネガティブなイメージを変えていきたいなと。桂子さんとフランクさんが明るく前向きに乗り越えてきたように、希望のある言葉として伝えることはできるはず。そんな思いで臨もうと決めています。当時伝えたかった思いを、代わりに私たちが舞台をとおして。それを、戦後80年という節目のタイミングに担うのは、とても光栄なことで、意味のあることだと思います。

ウエンツ:桂子さんとフランクさんのことを知るほどに、周囲にたくさんの愛を与えることが自分たちの幸せにもなっていくんだと感じます。ひとつひとつは小さなことかもしれないけれど、争いをなくすことに、いつかきっとつながるだろうと。

どんな状況でも、どんな時代でも、その努力を続けてきたふたり。そうすることが、自分たちの幸せにもなっていくということを、生涯とおして証明しています。80年たった今も、その愛をみんなに伝えることはできるはず。とは言っても、人を愛するというのは、改めて簡単なことではないと思っているんですけどね。

「ウエンツさんは、今まで会ったなかで『ベストオブナチュラル』です!」(奈緒さん)

奈緒:テレビで拝見してもっていたウエンツさんのイメージと、実際にお会いしたウエンツさん、まったく一緒なんです。そこがまず、魅力です。

ウエンツ:あ、そう?

奈緒:はい。どんなときもずっと自然で。今まで出会った方の中でも、ベストオブナチュラルです!

ウエンツ:初めて聞いた賞だけど…あ、ありがとう。

奈緒:気を遣わせない佇まいもそうだし、どんな場でも安心して湯につかっているような気になれるんです。

ウエンツ:オレ、お湯?(笑) そういう奈緒さんのことも、全部を知っているわけじゃないけど、天真爛漫な明るさ、そしてプロフェッショナルなところは、画面を通して感じていましたよ。会ってみれば、さらに厳しさも温かさもあって。お言葉を返すようですけど、「ベストオブナチュラル」、奈緒さんに差し上げます。

奈緒:わあ、ありがとうございます(笑)。

戦争、そしてWAR BRIDEという重たいテーマに向き合いながらも、ふたりの明るさによって、温かみと愛にあふれた舞台作品になることは、早くも確定。後編では、さまざまなジャンルで活躍するおふたりにとっての、舞台の醍醐味、さらにOggi読者のみなさんに向けた「30代の過ごし方」を語ります。お楽しみに!

舞台「WAR BRIDE ―アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン―」

第二次世界大戦後、日本に駐留していた米兵フランク・ハーンと恋に落ちた桂子は、20歳で結婚し渡米。「WAR BRIDE(戦争花嫁)」と呼ばれ、米兵と歩いているだけで娼婦と誤解されるなど、差別を受けた桂子は、どう乗り越えてきたか。一人のジャーナリストが、激動の時代を生きた桂子の人生をたどる。

原案「War Bride 91歳の戦争花嫁」(TBSテレビ)
脚本/古川健(劇団チョコレートケーキ)
演出/日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
出演/奈緒、ウエンツ瑛士
   高野洸、川島鈴遥、渡邉蒼、福山絢水、牧田哲也、岡本篤、占部房子
   山口馬木也

2025年8月5日(火)~8月27日(水)
よみうり大手町ホールにて。その後、兵庫、福岡での公演あり

撮影/三宮幹史(Trival)スタイリング/岡本純子(奈緒さん)、上野真紀(ウエンツ瑛士さん) ヘア&メイク/竹下あゆみ(奈緒さん)、松永香織(ウエンツ瑛士さん)

奈緒さん:トップス¥29,700 、パンツ¥42,900/ともにアンスリード(アンスリード青山店03-3409-5503) 、イヤリング¥48,500 、チャーム¥23,100/ともにアガット(0800-500-5000) ウエンツ瑛士さん:コウタ グシケン(info@kotagushiken.com)

奈緒

なお/1995年2月10日生まれ、福岡県出身。福岡でスカウトされ、モデルとして活動を開始。2013年に俳優デビュー。2018年のNHK連続テレビ小説『半分、 青い。』で注目を集め、その後ドラマ・映画に多数出演。近年の出演作に、ドラマ『東京サラダボウル』『あのクズを殴ってやりたいんだ』、舞台『Medicineメディスン』『眠くなっちゃった』『恭しき娼婦』、映画『傲慢と善良』『先生の白い嘘』などがある。8/22(金)23:00より主演ドラマ「塀の中の美容室」がWOWOWにて放送・配信が控える。

ウエンツ瑛士

うえんつえいじ/1985年10月8日生まれ、東京都出身4歳からモデルとして活動を始め、雑誌、CMのほか、NHK教育テレビ『天才てれびくん』にレギュラー出演。9歳で劇団四季のミュージカル『美女と野獣』で俳優デビュー。以降、ドラマ・映画・舞台、情報番組・バラエティ番組などで活躍。2018年から約1年半のイギリス留学を経たのち、近年の出演作は舞台『オーランド』『アンドレ・デジール 最後の作品』『太平洋序曲』、ドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』『ペンディング・トレイン-8時23分、明日 君と』、映画『湯道』などがある。

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