この記事のサマリー
・「告げ口」とは、人の過失や秘密を、こっそり別の人に告げ知らせること。
・類語には「密告」「言いつける」がある。
・「報告」はある任務を与えられた人がその経過や結果を告げ知らせることを意味。
職場や友人関係で、「それって、ちょっと告げ口っぽくない?」とモヤっとしたことはありませんか? 人の過失や秘密をこっそり別の人に伝える行為は、ときに信頼関係を揺るがします。一方で、問題を共有することが必要な場面もありますよね。
この記事では、辞書にある「告げ口」の意味を出発点に、この言葉の使われ方や、関わり方のヒントを整理していきます。
「告げ口」の本来の意味と「報告」との違い
まずは、辞書に基づいた「告げ口」の正確な意味を押さえておきましょう。意味があいまいなままだと、相手への誤解や不用意なトラブルにつながりかねません。ここでは、基本の定義を丁寧に確認します。
「告げ口」の辞書的な意味
「告げ口」とは、「人の過失や秘密を、こっそり別の人に告げ知らせること」を意味する日常語です。
辞書では次のように説明されています。
つげ‐ぐち【告げ口】
[名](スル)人の過失や秘密を、こっそり別の人に告げ知らせること。「先生に―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「告げ口」と「報告」の違い
「報告」は特にある任務が与えられた人がその経過や結果を告げ知らせることを意味します。一方、告げ口は「秘密・過失をこっそり知らせる行為」であり、私的・非公式な性質を含みます。この点が大きな違いです。
「告げ口」の類語や言い換え表現は?
「告げ口」の類語には、「密告」があります。「密告」もこっそり知らせることを意味しますが、特に関係当局などに告げることを意味しますよ。
「先生に言いつけるよ!」というセリフは小学生がよく使いますね。「言いつける」もまた、「告げ口」の類語です。
「告げ口」の英語表現
英語で「告げ口」を表す場合、日常会話では“tell on(〜のことを密かに告げる)”がよく使われます。ビジネスシーンでの報告行為は“report”が該当しますが、これは辞書の意味でいう「告げ口」ではなく、「報告」です。

告げ口する人・された時の心理と対処
「告げ口」は、ただ意味を理解するだけでは捉えきれない面があります。特に職場では、誰かが「こっそり何かを伝えたらしい」という状況だけで、不安やモヤモヤを感じる人も多いのではないでしょうか? ここでは、一般的に語られる心理傾向を丁寧に整理しながら、落ち着いて対処するための視点を紹介します。
告げ口する人の一般的な心理
告げ口する背景には、さまざまな事情があるといわれています。例えば、「自分が責められたくない」「状況を先に伝えておきたい」といった不安から行動する人もいます。
また、注意してほしいことを誰かに共有したいという思いが、結果として「こっそり伝える」という形になる場合もあるでしょう。いずれにしても、相手の動機を一面的に決めつけず、行動の背景を幅広く捉えることが大切です。
告げ口された時の受け取り方
「誰かが自分のことを話したらしい」と感じた瞬間、戸惑いや不安が生まれるのは自然なことです。まずは、事実と感情を分けて整理することを意識してみてください。
実際に何が伝わったのか、どの範囲が事実なのかを冷静に確認することで、衝動的な判断を避けられます。また、相手の意図を断定しない姿勢を保つことが、関係悪化を防ぐ上でも重要です。
職場での告げ口への対応の基本姿勢
職場では、「こっそり伝えられた情報」であっても、内容によっては上司に共有すべき場合があります。例えば、業務に関わるミスやトラブルは、状況改善のための「報告」として扱われることもあります。
一方で、個人的な感情のもとに秘密や過失を伝える行為は、「告げ口」にあたる可能性があります。まずは事実の整理と情報の線引きを行い、必要に応じて第三者の視点も取り入れることが、落ち着いた対応につながります。

「告げ口」が招く状況
「告げ口」をする人に対して、周囲の人はどう思うのでしょうか? そして「告げ口」が招く周囲の受け止め方について見ていきましょう。
告げ口する人に対して周囲が思うこと
「告げ口」が繰り返されると、周囲は「裏側で情報が動く人」「本音が見えにくい人」という印象を抱くことがあります。また、物事を直接その人に伝えるのではなく、第三者に話す傾向があるため、「なるべく距離を置きたい」「本音は話せない」と思う人も多いでしょう。
告げ口する行為が招きやすい「その後の状況」
告げ口という行為は、人からの信頼と密接な関わりがあります。もし告げ口の内容が不正確であったり、個人的な感情に基づくものであれば、周囲は距離を取るでしょう。
一方で、事実を整理して伝える「報告」であれば問題はなく、むしろ評価される場面もあります。
つまり、行動の「動機」と「伝え方」が、その後の関係性を大きく左右するのです。
周囲との関係が変化しやすいポイント
告げ口は当事者を入れずに話を進めるため、誤解が生じやすくなります。そのため、気づいたら「人間関係がぎくしゃくしていた!」なんてこともあるでしょう。結果として、告げ口していた張本人が居づらさを感じる状況に陥ることもあります。
これは「罰」ではなく、コミュニケーション経路の不透明さが原因で起きる自然な現象です。対話をオープンにするだけでも、関係の見え方は大きく変わるのではないでしょうか。
トラブルを避けるためのヒント
もし「これを伝えるべきか迷う」という場面では、
・その情報は「秘密」に当たるか?
・「こっそり伝える」必要があるのか?
・本人に直接確認できないか?
といった視点を持つと、告げ口ではなくなるでしょう。また、過失や状況を上司に知らせる場合は、「報告」として整理することで、不要な誤解を避けられます。相手の立場を尊重しながら、透明性のあるコミュニケーションを意識することが大切ですね。

「告げ口」に関するFAQ
ここでは、「告げ口」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「告げ口」と「密告」はどう違いますか?
A1. 「告げ口」も「密告」もこっそり知らせることを意味しますが、「密告」は特に関係当局などに告げることを意味します。
Q2. 「告げ口」はどんな場面で使われる言葉ですか?
A2.秘密や過失を当事者に知られないように伝える場面が中心です。
Q3. 子ども同士の「言いつける」と、大人の「告げ口」は同じ意味ですか?
A3. 「告げ口する」という意味で類語にあたります。
最後に
告げ口は、職場で人間関係のトラブルを引き起こす原因となることも多いものです。口は災いの元ということわざがあるように、発言する時は十分に気をつける必要がありますね。
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