「ケチ」とは?
周りに「ケチ」と思う人はいますか? まずは「ケチ」の意味をおさらいしましょう。
意味
「ケチ」の意味はいくつかあり、人の性質をあらわすものとしては「必要以上に金品を惜しむこと」「気持ちが卑しく、心が狭いこと」。また、物事に対して「ケチ」と言う場合には、「価値のない粗末なもの」「不吉なこと」「不景気」という意味があります。
たいてい、「ケチ」と言うと、お金を出すのを必要以上に渋る人をあらわすことが多いでしょう。例えば、人へのプレゼントも安いもので済ませようとしたり、冠婚葬祭などでさえもお金を出すのを嫌がったりします。単なる節約を超え、周りから「せこい」と思われてしまった場合に、「ケチな人」と言われることが多いですね。
なお、「ケチ」を漢字で書くと「吝嗇」で、「りんしょく」とも読みます。あわせて覚えておくといいでしょう。
語源・由来
続いて、「ケチ」の語源について解説します。「ケチ」は、不思議で奇怪な事件を意味する「怪事(けじ)」がなまってできた言葉なのだとか。江戸時代になると、「卑しい」「粗末なさま」といった意味になり、これがやがて、現在使われている「金品を惜しむこと」などの意味に変わったのだそうです。
「ケチ」と「節約」の違いとは?
「ケチ」は、「必要以上に金品を出し惜しむこと」と説明しました。しかし、「節約」との違いは何なのでしょうか? まず、みんなで割り勘するときや、冠婚葬祭など、お金を出すのが必要な場面でも、出し惜しみするのは「ケチ」といえるでしょう。
また、例えば恋人や家族、同僚など、周りの人に迷惑をかけたり、嫌な気分にさせてしまったりするのはNG。それくらい金品を惜しむと、「ケチな人」として認定されてしまうことが多いですね。
一方、「節約家」は、無駄遣いはしませんが、必要な場面ではお金をきちんと出します。つまり、節約するべきところと、お金を使うべきところをしっかりと線引きできているということ。例えば、自分の生活は質素にしていても、人のためにお金を使える人は「節約家」といえるでしょう。
「節約」の場合は、他人に迷惑をかけることがないので、不快に思われないこともポイントです。むしろ、周りから「賢い」とポジティブな印象を持たれることもあります。
「ケチな人」の特徴
では次に、「ケチな人」の具体的な特徴を見ていきましょう。特徴を参考にして、「ケチな女性」と思われないようにしたいものですね。
1:「お金がない」とよく言っている
もちろん、出費が重なったり、収入が減ったりすると、残金が減り「お金がない」と言うこともありますよね。しかし「ケチな人」は、常日頃から「お金がない」と言っていることが多いようです。周囲にお金がないことをアピールすることで、「気を使ってほしい」という下心を持っている場合も。「お金がない」が口癖の人は、周りの人を疲れされたり、不快にさせたりしてしまうことが多いですね。
2:人のためにお金を使いたがらない
「ケチ」と「節約」の違いでも紹介しましたが、人のためにお金を使うのを渋る人は「ケチな人」とされてしまいます。お世話になった人へのご馳走や、後輩におごるのもしないことが多いでしょう。また、プレゼントはもちろん、結婚式のご祝儀、飲み会などの交際費などに対しても、「もったいない」と感じる傾向にあります。
3:デートにもクーポンや割引券を使う
付き合いの長いカップルや価値観が合う同士であれば問題ないですが、初回のデートでクーポンや割引券を使うと、女性からは、「ケチくさい」「かっこ悪い」と思われることが多いでしょう。イメージがダウンし、「ケチな男」と言われてしまいます。
4:貧乏な家で育った
「ケチな人」の育ちとしては、小さい頃の家庭環境が貧しかったケースが多いようです。親が節約するのを幼少期から見ていたり、買いたいものを買えなかったりした経験などから、節約の癖が身についているのかもしれません。
類語や言い換え表現とは?
続いて、「ケチ」の類義語を紹介します。ここでは、ネガティブな意味合いの「ケチくさい」「しみったれ」と、ポジティブな意味合いの「倹約家」について見ていきましょう。
1:ケチくさい
「ケチ」の言い換え表現としては、「ケチくさい」が代表的です。「いかにもケチなようす」「いかにも卑しい」「いまいましい」といった意味があります。意味を見てわかる通り、ネガティブなイメージのある言葉ですね。
例文:叔父さんは考えがケチくさい。
2:しみったれ
「しみったれ」はあまり馴染みのない言葉ですよね。意味は、「物惜しみすること」「卑しいこと」「安っぽいこと」などです。「ケチ」とほとんど同じ意味と考えていいでしょう。こちらも、良い印象は与えない表現です。
例文:いつも物の値段を確認してきて、しみったれな奴だ。
3:倹約家
「倹約家」は、「けんやくか」と読みます。意味は、「無駄を省いて出費を抑える人」。すでに説明した「節約家」とほとんど同じ意味といえます。そのため、「ケチ」をポジティブな意味に変換して表現したいときにぴったりな表現でしょう。
例文:倹約家な夫のおかげで、お金に余裕ができてきた。
英語表現とは?
「ケチ」を英語で言いたい場合には、どのような表現があるのでしょうか。ここでは、もっともよく使われる「ケチ」の英語表現から、スラングまで紹介。海外の方とやりとりするときに、ぜひ使ってみてください。
1:stingy
「ケチ」の表現としてもっともぴったりなのは「stingy」です。「ケチくさい」「みみっちい」「しみったれた」などの意味があります。「ケチ」が持つニュアンスと同じく、ネガティブな意味合いで使われ、「倹約家」などのポジティブな印象は含みません。
例文:My father is a stingy person.(私の父はケチだ)
2:frugal
「frugal」とは、「倹約な」「節約して」「質素な」などの意味を持つ単語です。「ケチ」のように、お金を出すのを渋るといったネガティブなニュアンスではなく、「倹約家」というポジティブな意味合いで使われます。節約をしている人をポジティブなニュアンスで言いたい場合には、この「frugal」を使ってみましょう。
例文:He is frugal with his food expenses.(彼は食費を節約している)
3:tightwad
「tightwad」は、「けちん坊」という意味。「堅い」という意味の「tight」と、「(紙幣などの)束」などの意味を持つ「wad」を組み合わせた単語です。主にアメリカで使われるスラングですので、ビジネスなどのフォーマルな場面では、使わないほうがいいでしょう。
例文:My aunt is a notorious tightwad.(私の叔母は、けちん坊で有名だ)
最後に
あまりにケチケチしていると、周りに迷惑をかけたり、ネガティブなイメージを持たれたりしてしまいます。また、「ケチ」な人の末路として、行動に制限がかかるため人生を楽しみきれないという意見もあるよう。節約は大切なことですが、度を超えてしまうほどの「ケチ」にはならないように注意したいものですね。
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