「心が狭い」の意味とは?
「心が狭い」とはどのような意味をもつ言葉なのでしょうか? 基本的な意味を押さえておきましょう。
「心が狭い」の意味
「心が狭い」とは、「周囲の状況や他人の言動を受け入れないこと」「他人に対する思いやりがないこと」をいいます。自分の思ったことや意見は口にするものの、他人の話や意見に耳を傾けたり、気持ちを受け入れる余裕がないことを指します。大抵は「心が狭い」人のように、人の性格や態度に対して使われることが多い表現です。
「心が狭い」と「器が小さい」は同じ意味?
「心が狭い」と似た表現に「器が小さい」がありますが、意味に違いはあるのでしょうか?
そもそも「器が小さい」の「器」には、「人物や能力の大きさ、器量」という意味があります。このことから「器が小さい」とは、人としての度量が狭いことや能力を持ち合わせていないことを表します。よく会話の中で「あの人は人の上に立つ器ではない」というような使い方をしますが、これは人の上に立てるような人格や能力を持っていない、という意味です。
一方「心が狭い」とは、他人に対して思いやりがないことや広くおおらかな心が持てないことを表す言葉です。つまり、「器が小さい」は人格や能力などその人そのものを指す言葉であるのに対して、「心が狭い」は人への態度を指す言葉なので、厳密にいえば異なる意味をもつ言葉であるといえるでしょう。
「心が狭い」人の特徴とは?
それでは「心が狭い」人には、具体的にどのような特徴があるのでしょうか? 自分自身や身の回りの人に当てはまるかどうか確認してみましょう。
他人に対する思いやりがない
同僚や友人など、身の回りの人に思いやりがないことは「心が狭い」人の大きな特徴です。例えば、同僚が仕事でミスをした時も、「なんでこんなことでミスをしたんだ」とすぐに感情的に怒ってしまいます。相手の立場になって考えたり、心境を思いやることができないこともこのタイプの特徴なのです。
人の短所ばかり指摘する
人の良いところではなく、短所ばかりを指摘することも「心が狭い」人の特徴です。人間誰しも長所と短所の両方を持っているものですが、「心が狭い」人は、他人の短所を許せない傾向が。優れた上司ならどちらも考慮した上で相手に対してアドバイスをするものですが、「心が狭い」人は、長所をみようとせず、悪い点ばかりを挙げて説教する癖があります。人の短所ばかりを探して口を出してくることも「心が狭い」人である証拠なのです。
人の成功や幸せを喜べない
「心が狭い」人は、身近な人の成功や幸せを素直に喜べない傾向があります。例えば、同僚がチームのリーダーに抜擢された場合も、悔しいという気持ちや「なんで自分じゃなくてあいつなんだろう」という嫉妬心を抱きがち。素直に相手の長所を認めて、自分も頑張ろう! と前向きに捉えることができればいいのですが、ネガティブな感情に囚われてしまうことが多いようです。
「心が狭い」人になる理由や心理
「心が狭い」人は、どうして気持ちに余裕が持てなくなってしまうのでしょうか。その理由や心理を探ってみましょう。
自分が正しいと思い込んでいる
「心が狭い」人は自分が正しいと思っている傾向があります。プライドが高いこともあり、他人からの意見やアドバイスを素直に聞くことができません。途中で意見を変えたり、人の意見を取り入れることを「負け」だと思ってしまうのです。そんな姿を見て周りの人は「融通がきかない人」「頑固な人」という印象を持つことも珍しくありません。他人の意見を受け入れる心の余裕がないことが、「心が狭い」人の大きな特徴といえるでしょう。
完璧主義
心が狭くなってしまうのは完璧主義な性格が原因であることも。完璧主義の人は、他人に対してもいつも正しい答えや100%のクオリティを求めてしまいます。自分の中の「こうあるべき」という価値観を他人に押し付けてしまうのです。そのため、相手が自分と違う意見を言ってきたり、仕事でミスすることを許せず、頑なな態度をとってしまうのかもしれません。
心が狭くならないための対処法とは
自分の気持ちに余裕が持てず、自己嫌悪になることは誰にでもあることです。そんな時に少しでもおおらかな気持ちでいるためにはどうしたら良いのでしょうか? 具体的な方法をみていきましょう。
イライラしたときほど一呼吸おく
人はイライラしている時ほど、怒りをそのまま相手にぶつけてしまいます。後になって「どうしてあんなことを言ってしまったんだろう」と後悔したことがある方も多いのではないでしょうか。イライラして厳しい言葉を言おうとした時ほど、一呼吸おく習慣をつけてみましょう。冷静になる時間を取ることで感情的な言い方を避けることができます。一度、席を離れて気分転換することもおすすめです。
相手の考えを尊重する
人は誰でも生まれ育った環境や性格が異なります。たとえ同じ職場で働いていても、価値観の違いや意見の違いがあることは当たり前のことです。喧嘩したり、意見がぶつかりそうになった時ほど、「人は人、自分は自分」と思うように心がけましょう。他人と自分は違って当たり前だと自覚することで、相手のことを受け入れやすくなります。
違う職種や年代の人と積極的に交流する
人は誰でも、同じ環境や狭い人間関係のなかで生活することに慣れてしまうと、考え方に柔軟性がなくなってしまいます。時には、異業種交流会に参加してみたり、若い世代の人と話すことで、より広い視野を持てるようになります。広い世界を知ることで、柔軟な考え方を身につけましょう。
「心が狭い」かも? と感じたらできることから改善を
「心が狭い」の言葉の意味や「心が狭い」人の特徴、心理などをご紹介しました。いつでも他人に対して厳しい人もいますが、ストレスが原因で一時的に他人に思いやりを持つことができなくなることもあります。
もし、自分自身にも当てはまるかも? と感じた場合は、ストレスの原因を改善したり、ここで紹介した対処法を試してみてください。できることから少しずつ始めて、おおらかな気持ちを取り戻しましょう。
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