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2022.12.15

「不寛容」ってどういう意味? 寛容と不寛容の境界線はどこに?

「不寛容」とは、「心が狭く、他者の言動・意見を受け入れないこと。他者の過ちや欠点を厳しくとがめることやその様子」を意味します。ただ、どのような行為を容認・禁止するかで具体的な「不寛容」の範囲は変化するもの。この記事では、「不寛容」の考えについても解説します。

そもそも「不寛容」とは?

特定の芸能人に対してネット上で激しいバッシングが起きたり、スーパーでレジの順番をめぐって大きなトラブルに発展したりと、「最近は不寛容な世の中だな」と感じている人は少なからずいるのではないでしょうか。

「日本は不寛容社会である」と言う人もいます。社会の変化が早いので、それにキャッチアップしていくために、日常生活がせわしくなっているのも関係しているかもしれませんね。

SNS炎上
(c)Shutterstock.com

この記事では、「不寛容」の意味や「不寛容」そのものに対する見解などを紹介していきます。

「不寛容」の意味

「不寛容」とは、一般的に「心が狭く、他者の言動・意見を受け入れないこと。他者の過ちや欠点を厳しくとがめることやその様子」とされます。

自分の意見や考えに固執して、他者の意見を受け入れない特徴を持つ人は、「不寛容な人」に分類されるのでしょう。自分の考えを「正しい」と信じて、他者に強要する人も同じようなもの。集団についても、特定の慣習や価値観を受け入れない、あるいは強要するグループのことを「不寛容な社会」と呼ぶことがあります。

一般的に言われるところでは、自分に大いに自信があったり、生活に満足していたりする時は、比較的心に余裕があるもの。しかし、生活が苦しくなったり、様々なことに追われたりしてストレスが増大すると、心にも余裕がなくなり、他者に対して「不寛容」になりやすくなります。

最近は、物価高などで生活が厳しくなりつつあるので、他者に配慮することも難しくなり社会全体が「不寛容」になっているのかもしれませんね。

ちなみに、「不寛容」は英語で「intolerance」と表現されます。「tolerance」が「許容」という意味で、その否定形というわけですね。

「不寛容」は相対的

さて「不寛容」ですが、「不寛容」と「寛容」を判断する基準は相対的であるとも言えます。どのような行為が社会的に容認・禁止されるかは、科学のように数値化できる客観的な基準が存在しないからです。

例えば、一般的に日本では「大麻を吸えない」「刺青をしたまま銭湯に入れない」という決まりがあっても、それを「不寛容だ」と感じる人はそう多くはいません。しかし、タトゥーの文化があり、大麻が合法化されている国もある欧米などから見ると、「不寛容である」と捉えることも可能です。

反対に、イランなどでは酒が禁止されていますが、それに対して日本の人が「不寛容だな」と感じることはあるかもしれません。しかし、「酒は悪いもの」「酒は飲まない」と考える人が多数派を占める集団においては、酒の禁止は「不寛容」には該当しなくなります。

お酒と大量のグラス
(c)Shutterstock.com

このように、「寛容」「不寛容」というのは相対的なものと見なせます。どのような行為を容認あるいは禁止するかは、各々の地域や文化によるものであり、「自分たちは寛容だが、彼らは不寛容だ」とすぐに決めつけることはできません。

もちろん、「物を盗んではいけない」とか「人をだましてはいけない」などといった共通する禁止行為もありますので、一定の範囲では、共通する「寛容」「不寛容」の基準を作れるかもしれません。しかし、自分が思う「寛容」「不寛容」と他者が考える「寛容」「不寛容」は、基本的に違うものであると意識することは重要ではないでしょうか。

「空気を読む」という言葉・考え方がありますが、これはそもそも同じ価値観を共有していることが前提になります。根本的に価値観の異なる相手に対して「空気を読む」ことを求めるというのは、困難が伴うもの。

相手が「それは不寛容じゃないのか」と申し出ることを「うるさい」と感じるかもしれませんが、まず相手がどのような価値観を持って行動しているのかを把握する必要があるでしょう。これは、同情するというわけではありません。

もちろん、自分にとっての「寛容」「不寛容」もありますので、相手にとっての「寛容」「不寛容」を全面的に受け入れることが難しいこともあるでしょう。それが果たして真に「寛容」なのかもわからないものです。「無制限に寛容な社会は、最終的に不寛容な人たちに寛容性を無効にされる」という「寛容のパラドックス」の問題もありますね。

妥協点を見出す

「寛容」「不寛容」が相対的なものだと認識したところで、自分が思うのとは異なる「寛容」「不寛容」と向き合うには、どうすればいいのでしょうか?

ソファに座って考える女性
(c)Shutterstock.com

まず、気を付ける必要があるのは、自分の考えの延長線上に相手がいるとは限らないと認識することでしょう。よく「自分が嫌がることを他人にしてはならない」と言われます。裏を返すと、「自分が嫌ではないことは他人にしてもいい」と解釈することもできるでしょう。しかし、「自分が嫌ではないことも他人にしてはならない」場合もあります。

ある人にとっては「寛容」であることが、別の人にとっては「不寛容」(あるいは嫌なこと)に該当するケースも多いです。そして、様々な立場の人間が増えれば増えるほど、ある事象に対して「寛容」か「不寛容」かの認識の違いは、より複雑なものになっていくでしょう。

こうなってくると、妥協点を見つける必要が出てきます。しかし、異なる価値観を持つメンバーが多くいる中で妥協点を見つけるというのは難しく、また労力のかかる作業です。仮に見つかったとしても、平均値のような妥協点で、みんなが十分に満足できないものになるかもしれません。我慢しなければならないこともあるでしょう。

そのような矛盾を抱えつつも、それを解決すべく考え続けることがより一層求められるのではないでしょうか。

最後に

「寛容」と「不寛容」は絶対的なものではありません。どのような行為が許容されるか、または禁止されるかは、地域や文化、さらには個人によっても異なるもの。ある人にとっての「寛容」「不寛容」が、他の人にとっての「寛容」「不寛容」と矛盾するケースもあります。そのような場合、相手に「空気を読む」ことを求めるのは難しいでしょう。

このように、根本的に価値観が異なる相手と向き合うには、お互いが容認できる妥協点を見出す必要性が出てきます。そのためには、相手のことをよく知り、考えなければならないもの。お互いが十分満足できない妥協点になるかもしれませんが、それを受け入れるという「我慢強さ」も求められるのかもしれませんね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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