「寛大な心」とは?
皆さんは、友達との待ち合わせで相手が少し遅刻してもあまり気にしないタイプですか? それとも、気になってしまうタイプでしょうか。自分に対しても、相手に対しても許容できる範囲というのは人によって異なります。
その範囲が広いことを「寛大」と捉えることができるのではないでしょうか。まずは、「寛大な心」の辞書的な意味から確認していきましょう。
「寛大な心」の意味
「寛大(かんだい)」とは、「大らかで他人に対する思いやりがあること」「むやみやたらに人を責めないこと」などの意味があります。そもそも「寛」には、「厳しくないこと」「他に対してゆったりとしているさま」などのニュアンスが含まれているので、豆知識として覚えておいてもいいかもしれませんね。
つまり、「寛大な心」とは、そういった「他人に対する許容度の深さ」を表しています。
「寛大」の類語表現とは?
「寛大」の他にも、「許容度の深さ」というようなニュアンスを含む言葉があります。ボキャブラリーを豊富にして、様々な場面で活用できるように、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:寛容
「寛容(かんよう)」とは、「広い心で他者を受け入れること」という意味です。「寛大」と同じような意味で受け取ることができそうですが、ニュアンスが少し異なります。「寛大」は、「心の広い様子」など「許容度の深さ」を表しますが、「寛容」は「相手の過ちや失敗を許す」ことに重きを置かれているという違いが。
「先輩は、私の遅刻にも寛容に目をつぶってくれた」というように使われることが多いです。
2:鷹揚
「大きく構えて小さなことにこだわらないさま」を「鷹揚(おうよう)」といいます。「おおよう」と間違われることが多いので注意しましょう。「鷹揚」の「鷹」は難しい漢字ですが、鳥の鷹(たか)がゆったりと空を飛ぶ様子から、「鷹揚」の言葉が生まれたようです。
「鷹揚」は、「鷹揚にうなずく」という表現がよく使われます。「鷹揚にうなずく」とは、「相手の話に対して、細かいことは気にせずに納得する様子」を表す言葉です。
ただし、自分で「私は鷹揚にうなずく」とは言わないので注意しましょう。あくまで、相手から見た様子を表現する際に使います。
3:雅量
「雅量(がりょう)」は、「寛容」や「鷹揚」よりも見慣れない言葉かもしれません。「おおらかに人を受け入れる心」という意味で、「寛大」と同じニュアンスで使うことができます。
「彼は雅量のある人だ」のように用いられますが、「雅量な」や「雅量に」など形容動詞としては使うことができません。「寛大」は「寛大な態度で」「寛大に受け入れる」など形容動詞としても使うことができるため、文法上の違いがあるといえるでしょう。
「寛大な心」を持っている人の特徴とは?
「寛大」や類語の意味から、「寛大な心」を持った人は心に余裕がある人であることが窺えたのではないでしょうか。良い意味で大雑把な人と言い換えられるかもしれませんね。こういった人に共通する特徴にはどのようなものがあるのか、一緒に見ていきましょう。
1:多様的な考え方ができる
「寛大」であるということは、他者を受け入れることができるということです。それは、柔軟で多様的な考え方ができるということでもあります。そのため、固定概念にとらわれない斬新なアイデアが思い浮かぶことも。
頭ごなしに他者を否定することがないため、人間関係における衝突も少なく、良好な人間関係を築けるというのも大きな特徴といえるかもしれませんね。
2:自己肯定感が高い
「寛大な心」を持っている人は、他者だけでなく自分を受け入れることができる人でもあります。人は、自分と他者を比較して落ち込んだり卑屈になったりしがちです。しかし、「寛大な心」を持っている人は、自分の短所も受け入れることができるので、ネガティブな感情に支配されにくい傾向にあります。
3:感情の起伏が穏やか
感情の起伏が穏やかなことも、「寛大な心」を持っている人の特徴のひとつ。物事に対する許容量が大きいので急に怒り出したり、落ち込んだりすることがありません。「寛大な心」を持っている人は、安定したメンタルを持っていると言えるのではないでしょうか。
4:コミュニケーション能力が高い
「寛大な心」を持っている人は、良い意味で細かいことを気にしない大雑把な人が多いので、他者とのコミュニケーションを上手に取れる傾向にあります。また、「なんとかなる!」と大きく構えているので、初対面の相手とも積極的に関わって距離を縮められるのです。
「寛大な心」を持つための方法とは?
「寛大な心」があることで、日々の生活に余裕が生まれたり、人間関係のトラブルを避けることができたりします。メリットの多い「寛大な心」ですが、どのようにしたら育むことができるのでしょうか。最後に「寛大な心」を持つための方法について紹介します。
1:客観的に物事を見る習慣をつける
トラブルが起きると、ついつい焦ってしまうもの。焦ると視野が狭くなって自分中心の考え方になってしまいがちです。日頃から客観的に物事を捉える習慣をつけることで、いざという時も相手の気持ちに立って考えられるようになるのではないでしょうか。
2:小説を読む
小説は、登場人物に感情移入をして読むことが多いです。そのため、相手の気持ちに思いを馳せることを習慣化させることができます。
3:スケジュールに余裕を持たせる
時間の余裕は心の余裕に繋がります。隙間のないスケジュールはトラブルが起きたときにリカバリーしにくいですし、スケジュールが順調に進まないことでストレスに繋がってしまう恐れが。
リラックスできる時間を確保したり、いざという時に対応できる余白をつくっておくことで「寛大な心」を持つことができるのではないでしょうか。
最後に
「寛大な心」とは、「大らかで他人に対する思いやりがあること」という他者に対する許容量の大きさを表す言葉です。ほどよく肩の力を抜いて充実した生活を送れるように、ぜひ本記事で紹介した「寛大な心」を持つための方法を実践してみてください。
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