この記事のサマリー
・寛容な心とは他者の言動や欠点を受け入れ、厳しく責めない広範な心のことです。
・歴史的には異質な立場や信仰を排除せず、互いに容認し共存する原則を指します。
・類語には、「寛大」「雅量」「太っ腹」などがあります。
友人との待ち合わせで相手が遅刻した際、その対応は人によって異なります。怒ってしまうか、拗ねてしまうか、それとも温かく迎えるか…。こうした場面で用いられる言葉が「寛容」という言葉です。
ただし、「寛容」は単なる優しさや我慢を意味する言葉ではありません。本記事では、辞書に基づいた正確な定義を起点に、「寛容な心」の類語や寛容な心を持つための方法を整理します。
「寛容な心」が指す意味とは?
まずは、「寛容」という言葉の核となる正確な意味を整理します。
他者の言動や欠点を厳しく責めない姿勢
「寛容」とは、寛大な心で人を許すことです。辞書では次のように説明されています。
かん‐よう〔クワン‐〕【寛容】
[名・形動](スル)
1 心が広くて、よく人の言動を受け入れること。他の罪や欠点などをきびしく責めないこと。また、そのさま。「―の精神をもって当たる」「―な態度をとる」「多少の欠点は―する」
2 ⇒免疫寛容
[派生]かんようさ[名]
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
異なる立場や価値観を容認する社会的原則
寛容は個人の性格を表すだけでなく、歴史的・社会的な側面を持ちます。特定の立場を絶対視して他を排除せず、異なった立場を容認することです。
つまり、自分とは異なる意見や信仰を持つ存在が、同じ社会の中に並存することを認める「共存の原則」を意味します。この視点を持つことは、多様な価値観が交錯する現代社会において、円滑な人間関係を築く基礎となりますよ。
参考:『日本大百科全書』(小学館)

類語や言い換え表現は?
ここでは「寛容」に似た意味を持つ言葉を紹介していきましょう。
寛大
「寛容」と似た言葉に「寛大」があります。どちらも心の広さを表しますが、微妙なニュアンスが異なります。
「寛容」は、相手の言動や欠点を受け入れ、とがめだてしない姿勢を指します。一方、「寛大」は心が広い様子を表す言葉です。
どちらを使うかは、相手との関係性や伝えたいニュアンスによって選ぶといいでしょう。
雅量(がりょう)
人をよくうけいれる、度量の大きな心を意味します。「雅量のある人」、「雅量を示す」などというように使いますよ。
太っ腹
度量が大きいことを指します。さらに「太っ腹」は大胆で物事に同時ないことも意味しますよ。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』、『デジタル大辞泉』(ともに小学館)
「寛容な心」を持つための方法とは?
「寛容な心」を持つことで、日々の生活に余裕が生まれ、人間関係のトラブルを回避できます。生きていく上でメリットの多い「寛容な心」を育むための具体的なアプローチを見ていきましょう。
客観的に物事を捉える習慣をつける
トラブルが発生した際、焦りは視野を狭め、自己中心的な思考を誘発してしまいます。日頃から物事を客観的に俯瞰する習慣を持つことで、緊急時も相手の立場に立って状況を判断できるようになりますよ。
多様な価値観に触れ「容認」の幅を広げる
特定の立場を絶対視せず、異なる存在を容認することが寛容の基本です。読書などを通じて自分とは異なる思考プロセスに触れることは、他者への想像力を養い、心の許容度を高める一助となります。
スケジュールに余白を持たせる
時間の不足は、精神的な余裕を奪います。過密なスケジュールは予期せぬ事態への対応を困難にし、ストレスを増大させます。意識的にリラックスできる時間を確保し、生活に余白をつくることが「寛容な心」を維持する物理的な基盤になってくれるでしょう。

「寛容な心」に関するFAQ
ここでは、「寛容な心」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1:「寛容」と「妥協」の違いは何ですか?
A1:「妥協」は、対立を避けるため双方が譲歩することです。「寛容」は、異質な存在や他者の欠点をそのまま受け入れる姿勢を指します。
Q2:「寛容」の英語表現はありますか?
A2:最も一般的な言葉は“tolerance”です。“tolerance”には異なる意見や行動を許容するという意味がありますよ。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
Q3:常に寛容でいなければならないのでしょうか?
A3:心に余白がない時は無理に許そうとせず、物理的な距離を置くことも、寛容さを維持するための有効な手段です。
最後に
「寛容な心」は、人に優しくするためだけでなく、自分自身をすり減らさないためのヒントにもなります。少し肩の力を抜いて、人との違いを受け止める余白を持てたら、それだけで日々は少し楽になるのかもしれませんね。
TOP・アイキャッチ画像/(c)Adobe stock



