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「パリピ」の語源と現代における使われ方は?
まずは「パリピ」の語源と、現代におけるこの単語の使われ方をチェックしていきましょう。
パリピの語源は「パーティー・ピープル」
パリピとは、英語の「パーティー・ピープル」の略。直訳すると「パーティー好きな人」を意味します。
もともとは英語圏の言葉が由来ですが、日本ではまず若者言葉として広まり、今では派手で社交的なライフスタイルを送る人を指す言葉としても定着しています。
現代における「パリピ」の使われ方
現代の日本では単なる「パーティー好き」という意味にとどまらず、目立つ行動や派手なファッション、自由な恋愛観を持つ人を指すときにも使われます。
「パリピ」という単語は肯定的にも否定的にもどちらのニュアンスでも用いられているので、文脈によって意味が変化している実態もあります。
「パリピだね」が悪口になるケースは…

「パリピだね」と言われるときには、必ずしも褒め言葉とは限りません。ときには悪口として、否定的な意味で使われるケースも散見されます。
悪口として使われるシーンでのニュアンスや状況を整理しましょう。
♦︎浮ついている・軽い性格を指す言葉として
ノリだけで行動している様子や深く考えずに楽しいことばかり追いかけている姿に対して、否定的な意味で「パリピだね」と用いる場合があります。
たとえば、仕事中にふざけている様子を見て「ああ、パリピだね…」と言っているのは典型的な否定的ニュアンスでしょう。
♦︎周囲への配慮が足りない姿勢を批判する言葉として
自分だけの楽しさを優先しすぎて、周囲に迷惑をかけている場面で「あの人は、パリピだね」などと用いるのは否定的な意味です。
たとえば、大声で騒いだりルールを無視したりといったモラルに欠ける言動や、みんなで決めた計画を軽く扱って自分だけが好き勝手に振る舞ったりする人に対して「パリピすぎる」などと用いられています。
♦︎金銭感覚や生活態度に呆れている言葉として
身の丈に合う or 合わないは別として、派手な飲み会や高額なイベントに参加してばかりで浪費家的な生活を送っている姿に呆れているときにも「パリピだね」と否定的な意味で使われています。
派手な生活を好む本人に対して「ほんとパリピって感じだね」などとストレートに口にする場合は、皮肉混じりの言葉として用いられているケースも多く見受けられます。
「パリピだね」を褒め言葉として使う場面は…

一方で「パリピだね」が好意的な意味で使われる場面もあります。
限定的ではありますが、典型的なパターンを見てみましょう。
♦︎盛り上げ上手で場を明るくしている人への褒め言葉として
飲み会やイベントで、ムードメーカーとして活躍している人に対しては「○○さんのおかげで盛り上がっていて感謝! さすがパリピだね!」などと肯定的なニュアンスで用いられています。
この場合の「パリピだね!」には、周囲を楽しませる力に対するねぎらいの意味も含んでいます。
♦︎社交的で広い人脈に感心している言葉として
友達が多く誰とでもすぐに打ち解けられる様子をポジティブに評価するときや、想像していた以上に相手が幅広い人脈を持っていることを知り驚いたときなどに、相手の社交性を褒める言葉として「パリピだね〜!」と使うケースもあります。
また、初対面の相手とあっという間に仲良くしている人に対して「さすがパリピ〜!」などとコミュニケーション力の高さを褒めるフレーズとして用いられる場合も。
♦︎ポジティブなエネルギーへの評価として
ズーンと落ち込んでいる場面を明るくしたり、みんなを楽しませようと努力していたりする人への好意的な評価として「パリピ」を使うパターンもあります。
エネルギッシュな様子を称賛するニュアンスで「一緒にいると元気もらえる! さすがパリピだねー」などと用いられています。
【実例あり】「パリピ」と一緒に仕事を進めるうえでの心得は?

「パリピ」と呼ばれるような人と仕事をするときには、彼らの明るさや社交性は強みになる一方で注意すべきポイントもあります。
「パリピと仕事をする心得」を、実例付きでまとめました。
♦︎明るさと社交性を武器にしてもらう
パリピは、人と打ち解ける力・場を盛り上げる力が強みです。
そのため営業やイベント運営・チームビルディングなどでは大きな戦力になるので、できるだけ能力を生かせる場面で活躍してもらえるように意識しましょう。
パリピにポジティブな空気作りを任せると、チーム全体が活気づきます。
▶︎実例をチェック! お調子者で苦手だった取引先の人がイベントで大活躍!
「取引先にお調子者と評判の人がいて、真面目な話をしたくてもいつも冗談なのか本気なのかわからない発言ばかりで苦手だったんです。
でも、その人と一緒にイベントブースに入らなくてはいけなくなったときに、その人がいるおかげでブースが普段よりも活気づいているのを見て、適材適所ってあるんだなーって実感しました」(29歳女性/東京都)
♦︎テンションに振り回されないようにする
パリピには常にハイテンションな人が多く、落ち着いている人からすると「疲れる」「軽薄」などとネガティブな印象を抱きやすいのも事実。
相手のテンションに振り回されると良い関係は築けないので、無理に同調する必要はありません。常に自分のペースを保つよう心がけて。
▶︎実例をチェック! テンションの違いを強みに変えた
「同僚にめちゃめちゃパリピな人がいて、仕事中もノリについていけずに悩んでいました。
でもあるときから相手のノリに合わせすぎずに、私は私でクールな態度で臨もうと決めたんです。
一緒に仕事をしているときに、相手はノリノリでも私は冷静なスタンスをキープすることで、逆に良いバランスが生まれて全体の雰囲気がよくなりました」(35歳女性/神奈川県)
♦︎アイデア出しに強みを活かしてもらう
パリピは、往々にして流行やトレンドに敏感。言い換えると、企画力や発想力に強みを持っているタイプも多い傾向にあります。
一緒に仕事を進めていくなら、この強みを活かしてもらうと◎。ブレストの場やクリエイティブな仕事で積極的にアイデアを求めると、期待以上に力を発揮してくれるでしょう。
▶︎実例をチェック! 立場に関係なく意見を出してもらったら予想外の成功へ
「新製品のアイデアに詰まっていたとき、これまでは年長者しか意見を言いにくかった雰囲気をいったんやめて、若手から順に意見を出せる運用に変えました。
すると社内イチのパリピで知られる後輩がスラスラとアイデアを出してくれて、そのうちのひとつが商品化まで進んだんです!
これまでと同じ会議のやり方だったら絶対に出てこなかった意見だと思うので、思い切って運用方法を変えてみてよかったです」(34歳女性/東京都)
パリピへの評価は肯定的・否定的の両面がある
パリピには社交性や刺激を求めるタイプが多く、SNSを通じた自己表現に長けている人も多い傾向にあります。
一方でパリピに対する評価は、肯定的・否定的の両面があるのも現実でしょう。やや否定的なニュアンスがメインだといっても、間違いではないかもしれません。
もしもあなたがパリピに苦手意識があって、それでも仕事上の理由から上手に付き合っていく必要があるならば、テンションや価値観、距離感に注意を払いながら関わるよう心がけてみてください。相手の良さを理解したうえで交流できれば、パリピともきっと良い関係を築いていけるはずです。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。