「粗食」とは?
皆さんは、「粗食」という言葉から、どんなことをイメージしますか? 「粗」という言葉から、質素な食事や添加物多めの食事など、健康に良くない食事をイメージする方も多いのはないでしょうか。
まずは、「粗食」の意味から、一緒に確認していきましょう。
「粗食」の意味
「粗食」は「そしょく」と読みます。もともとは、「粗末な食事」という意味で用いられてきました。「粗食に耐える」などという表現をしていたことからもわかるように、「粗食」という言葉に良い意味は含まれていませんでした。
ところが、最近では「粗食」を良い意味で捉えられるように。「シンプルだけど、バランスの取れた食事」として「粗食」が注目されているようです。
「粗食」をすることで得られるメリット
それではさっそく、「粗食」のメリットについて見ていきましょう。どのようなことが考えられるでしょうか。
1:脂肪や塩分、糖質の過剰摂取を防ぐ
現代では、簡単においしい食べ物が手に入ります。例えば、ジャンクフードはお家でお店の味そっくりの食事を楽しむことができますよね。
ところが、そういった食事には、脂肪や塩分、糖質が沢山入っていることが多いもの。したがって、食べ過ぎると将来的に健康を害する可能性があります。その点、「粗食」は伝統的な食生活を取り入れたシンプルな食事です。味付けも控えめで健康的といえるのではないでしょうか。
2:旬の食材を食べることができる
メリット1「脂肪や塩分、糖質の過剰摂取を防ぐ」で少しお話しましたが、「粗食」のベースは、伝統的な日本の食事である「和食」です。
「和食」は、旬の食べ物を取り入れやすいのがポイント。旬の食べ物は、その食材にとって最も良い環境で育てられ、最も成熟している時期に収穫されたものなので、非常に栄養価が高いとされています。
そのため、非常においしく、また人間にとっても十分な栄養を摂取できるのです。
3:精神衛生が良くなる
現代の「粗食」は、バランスの取れた健康的な食事のことを指します。十分な栄養と正しい食習慣によって、身体だけでなく、心も安定させることができるのではないでしょうか。
4:健康的な身体づくりができる
「粗食」は、ダイエットにも効果があるとされています。過度な食事制限は、リバウンドや体調不良の原因に。スイーツやジャンクフードなどを控えて「粗食」をすることで、健康的にダイエットすることができるといわれています。
5:「食」に興味を持つことができる
「粗食」は基本的に自分で食事をつくります。どんな食材が健康に良いのか、どのような調理方法があるのかを調べていくうちに、「食」に関する興味が高まっていくかもしれませんね。
「粗食」のポイント
続いて、「粗食」をする上で意識したいポイントについて紹介します。今までの食事とどこが違うのか比較しながら見てみると、面白いかもしれませんよ。
1:基本的にお肉よりお魚
「粗食」では、お肉よりお魚に重きを置きます。なぜなら、古来日本では、魚料理がメインだったからです。もちろん、絶対にお肉を食べてはいけないということではありませんが、揚げ物や油をたっぷりと使った料理は控えたほうが良いとされています。魚料理は、焼くだけでなく、蒸したり煮付けたり、お刺身にして食べるなどバリエーションも豊富です。
2:白米よりも雑穀米や玄米
ダイエットでは、炭水化物をなるべく取らないように意識することがあるかと思います。しかし、「粗食」ではお米がポイントです。お米は、パンや麺類よりも腹持ちがよく、感触を防ぐことにも繋がりますし、体内の脂肪を燃やすために必要なエネルギーにもなります。
そこで、雑穀米や玄米を取り入れてみましょう。雑穀米や玄米は、ミネラルや食物繊維が白米よりも含まれており、非常に健康的です。
3:旬の野菜を取り入れる
おかずやお味噌汁には、旬の野菜をたっぷり使いましょう。旬の野菜に含まれる豊富な栄養素を取り入れながら、季節のめぐりを楽しむこともできますよ。
大きめにカットしてあげると歯ごたえが出て、満腹中枢を刺激するため、食べ過ぎ予防にもなります。
4:調味料にこだわる
折角良い食材を使っても、添加物が多めの調味料を使っていたら勿体ないですよね。実は、調味料も「粗食」をする上でとても重要なポイントになります。
お酢やお醤油、お味噌などに含まれる成分も立派な栄養素です。他にも、白砂糖を黒砂糖に変えたり、天然の素材を使った調味料に変えるなど、少しこだわるだけで味もさらに良くなります。
5:よく噛んで食べる
ゆっくり咀嚼して食べることを意識しましょう。満腹感というのは、咀嚼した食べ物が胃に入ることで血糖値が上昇し、満腹中枢が刺激されるという仕組みです。この血糖値が上昇してから、満腹中枢が刺激されるまでには、20分ほどかかるといわれています。そのため、ゆっくり食べることで、暴飲暴食を防ぐことができますよ。
6:発酵食品を取り入れる
実は「和食」は、発酵食品を多く取り入れたお料理が多いです。発酵食品は腸の働きを活性化させ、腸内環境を整えてくれます。
例えば、甘酒や納豆、漬物、味噌などが発酵食品です。つまり、玄米や雑穀米、漬物とお味噌汁が揃えば今日からでも「粗食」をスタートさせることができますよ。
「粗食」をする上での注意点
「粗食」には、様々なメリットがあることが分かったのではないでしょうか。「粗食」を始める前に注意点を紹介しますので、一緒に確認していきましょう。
「粗食」=「少ない食事」ではない
現代でいう粗食は、「粗末な食事をすること」ではないのが前提です。野菜や魚を中心とした優しい味つけの食事をすることを心がけましょう。栄養が足りていない人は寿命を縮めやすいと言われており、体力や筋力の低下も懸念されます。
最後に
「粗食」とは、「シンプルで優しいバランスの取れた食事」のことです。今までの「粗食」とは違うすがたの「粗食」が窺えたのではないでしょうか。「粗食」のポイントを押さえて、健康的な生活を送りましょう!
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