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「焦眉の急(しょうびのきゅう)」という言葉を見て、すぐに意味と結びつくでしょうか? 漢字を見て、意味を推測する人も多いかもしれませんね。
そこで、この記事では、「焦眉の急」の意味や由来から使い方、言い換え表現までを、わかりやすく紹介していきます。
「焦眉の急」とは?|今すぐ対応が必要な“切迫感”を伝える表現
「焦眉の急」という言葉には、ただの“急ぎ”とは異なる、差し迫った危機感が込められています。まずは、意味を確認していきましょう。
「焦眉の急」の読み方と意味
「焦眉の急」は、「しょうびのきゅう」と読みます。意味を辞書で確認しましょう。
しょうび‐の‐きゅう〔セウビ‐キフ〕【焦眉の急】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
危険がひどく迫っていること。状況が切迫していること。「―を告げる事態」
「焦眉の急」は、「危険が迫っていること」や「事態が切迫しいること」を表します。

「焦眉の急」の由来は?
「焦眉の急」という言葉は、「眉が焦げるほどに火の危険が迫っている」という意味に由来します。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「焦眉の急」の使い方を例文で確認
「焦眉の急」の意味を理解しても、実際に使うとなると難しく感じるかもしれません。例文とともに使い方を確認していきましょう。
「物価高騰への対策は、今まさに焦眉の急だ」
社会的な課題に対して、対応の遅れが許されないほど切迫していることを表しています。
「業績悪化が続く中でのコスト見直しは、焦眉の急の課題となっている」
ビジネスの現場で、早急な対処が求められる経営課題に対して使われています。「課題」との相性もよく、書き言葉として用いられることが多いでしょう。

「感染症の再拡大に備えた体制づくりは、焦眉の急を要する」
「焦眉の急を要する」という形で、直ちに行動を求める意を強調しています。
「焦眉の急」の類語や言い換え表現は?
「焦眉の急」という言葉には、すぐにでも対処しなければならない切迫感があります。ここでは、似たような意味を持つ表現をいくつか紹介します。
緊急
「緊急」は、すぐに対応が求められる状況を表す言葉。幅広い場面で使いやすい表現です。
喫緊(きっきん)
「喫緊」は、「重要性と差し迫って重要なこと」を表す言葉です。公的な文章などで使われることが多く、「喫緊の問題」「喫緊の用事」などの形で用いられます。
火急(かきゅう)
「火急」は、火がついたように緊迫している状態を表します。「火急の要件」「火急の報」などの形で使われる表現です。

「焦眉の急」は英語でどう表現する?
ここでは、状況の切迫感を表す代表的な言い回しを紹介します。
“be near the rocks”
この表現は、危機や困難、破綻が目前に迫っている状況を表します。とくに経済的な文脈で使われることが多く、「危険が間近に迫っている」ことを暗示するフレーズです。
例文:The company is near the rocks after months of financial trouble.
(数か月にわたる財政難で、その会社は焦眉の急を告げている。)
“impend”
“impend”は、「差し迫る」「目前に迫る」という意味の動詞です。とくに災難や危機が近づいている状況で使われます。
例文:A major crisis seems to impend as tensions continue to rise.
(緊張が高まり続けるなか、大きな危機が差し迫っているように見える。)
参考:『小学館ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
最後に
「焦眉の急」は、少し硬い感じのする言葉かもしれませんが、状況に応じてうまく使いこなせると、伝えたいことがより鮮明になるはずです。
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