ホッチキスを留める正しい位置って?
文房具として身近なホッチキス。ホッチキスは「ホチキス」「ステープラー」とも呼ばれます。頑丈な金属製のアームとバネを持ち、ペンや鉛筆に比べれば複雑な仕組みをしていますね。ペーパーレス化が進んだとしても、紙の出番がなくなったわけではないので、ホッチキスもまだまだ健在です。
針を装填して何度も使うので、とても長持ち。パソコンを交換する回数の方が多いくらいでしょう。かつては、一度に一つの針しか装填できず、毎回装填したそう。最近は、針を使わないホッチキスもありますよね。
そんなホッチキスですが、実は留め方には一定のルールがあります。実は、書類の種類や状態に応じて、針を留める位置が異なってくるのです。この記事では、ホッチキスの留め方の種類や注意点について説明していきます。
1:縦書きの場合は「右上」
縦書きの場合、書類の右上にホッチキスを留めます。右側にある文章から、上下に読んでいくので、ページの最後が左下になりますね。左端をつまんで書類をめくるので、右上に留めてあるとスムーズに次のページに進むことができます。
また、針の向きは斜め45度にしておきましょう。紙をめくる時に、一部にだけ力が加わるのを防ぎ、スムーズにめくることができます。
2:横書きの場合は「左上」
横書きの場合は、書類の左上にホッチキスを留めましょう。横書きの文書は、左上から読み始めて右下へと読み進めます。一番下まで来たら、文章が終わる右下をつまんで次のページをめくるのが自然な流れです。
また、針の向きは縦書きの時と同じく斜め45度にしておきましょう。理由は、縦書きの時と同様です。
3:縦書き・横書きが混在する書類の場合は「左上」
では、縦書きと横書きが混在している時は、どのようにホッチキスを留めればいいのでしょうか? 資料の中では、グラフや図があると、縦書き・横書きが混在するケースがあります。
その場合、横書きの書類を左に90度回転させて書類を縦長に置き、その左上に留めるのが基本的なルールとされています。ですが、見やすいということが何よりです。縦書きと横書きの比率などに応じて、留め方を変えるのもいいでしょう。
状況・目的別のホッチキスを留める位置は?
次に、状況・目的別の留め方についても説明していきます。
1:ファイリングが目的の時
ホッチキスで留めた書類をファイリングするとなると、留めた個所の厚みが気になってきます。書類の数が膨大になればなるほど、偏りが目立ち整理しにくくなるかもしれません。
そこで、ホッチキスで留める位置を少しずらすという方法があります。ずらすことで、同じ位置に針が重なり合うのを防止できます。
2:書類の枚数が多い時
ページ数が多いと、普通に留めるだけではまとまらないか、そもそも綴じられないかもしれません。その場合、中綴じにするという手があります。
一般的なホッチキスを使う場合、ホッチキスを180度開いた状態にしてください。いわば、「口」が開ききった状態ですね。針が付いている位置を確認し、書類のページを全て二つ折りにします。中心が少しでもずれると、綺麗に折れません。まっすぐ正確に折り目をつけた上で、ずれないように位置を確認してから、ホッチキスで留めます。
そして、ホッチキスの針がついている位置が折り目にくるようにしましょう。ホッチキスを上から強く押して、書類に差し込みます。この時、書類の下に発泡スチロールや段ボールの板などがあれば、作業しやすいでしょう。後は書類を裏返しにして、飛び出ている部分をペンチなどで畳み込めば完了。指で曲げようとすると傷つくことがあるので、気を付けてくださいね。
上記のように一般的なホッチキスでも、中綴じができないわけではありませんが、歪んでしまったりするかもしれません。大量に中綴じする必要があるなら、中綴じ専用のホッチキスを用意した方がいいでしょう。
ホッチキスを留める時の注意点
ホッチキスを留めるにあたって、注意すべき点を確認しておきましょう。
1:斜め45度で留める
既に説明しましたが、ページは斜めにめくるので、ホッチキスも斜め45度に留めた方がいいでしょう。横に留めると、一部に力が集中し、紙がゆがんだりするかもしれません。
2:重ねる時は少しずらす
同じ位置にホッチキス留めした書類が大量に積まれると、偏りが出てファイリングによる整理がしにくくなります。少しずつ留める位置をずらしながら、ホッチキス留めをするといいでしょう。
3:会社に独自ルールがあるか確認する
会社によっては、独自のルールを設けているところもあります。自分で「このやり方がいい」と思っていても、会社の基準とは異なることも。トラブルを避けるためにも、会社におけるホッチキスの留め方について、事前に確認しておきましょう。
最後に
ホッチキスの留め方について見てきました。文書が縦書きか横書きかなどで、留める位置は変わってきます。一般的なホッチキス留め以外にも、中綴じにして冊子にすることもできます。書類を読む人にとって、どの位置で留められているのが最も見やすいのかを意識することが大切と言えます。会社でのホッチキス留めのルールのことも忘れずに。
デジタル化が進んだとはいえ、ホッチキスのようなアナログの道具も軽視できないものです。目立たなくても、あらゆる場面で登場してきます。使いやすい道具であればあるほど、作業は効率的になり、仕事もはかどるでしょう。さまざまなメーカーから、いろいろな種類のホッチキスが販売されています。一度、ホッチキスについて考えてみてはどうでしょうか。
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