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2022.03.30

ビジネス用語「報連相」とはどんな意味? 由来や関連語、対義語も紹介

「報連相」と聞いて、何を思い浮かべますか? 野菜の「ほうれん草」と同じ響きを持つ、この言葉。実は野菜ではなく「報告・連絡・相談」を省略したビジネス用語なんです。今回はこの「報連相」を取り上げ、意味や言葉の由来などを解説していきます。

「報連相」の意味や読み⽅とは?

(c)Shutterstock.com

社会人には「報連相」が求められる、といったフレーズを耳にしたことはありませんか? 野菜の「ほうれん草」と同じ響きを持つこの言葉、一体どういう意味なのでしょうか。今回はビジネス用語である「報連相」を取り上げ、意味や由来などを解説していきます。また「ちんげんさい」や「おひたし」といった関連語も合わせて紹介するので、気になる方はチェックしてみてください。

読み⽅と意味

「報連相」は「ほうれんそう」と読み、「報告・連絡・相談」の省略語です。“報”告・“連”絡・“相”談の3つの言葉を、分かりやすく“ほうれん草” と掛けて、こう呼びます。より具体的に言えば、企業活動を効率よく進めるための必須事項とされる、上司・同僚への、報告・連絡・相談が「報連相」です。

定義

「報連相」を構成する3つの要素である「報告・連絡・相談」は、それぞれどういった意味なのでしょうか? それぞれ以下のように定義されるのが一般的です。

まず「報告」とは「自分の仕事の進捗状況や結果を伝えること」です。続いて、「連絡」とは「仕事を行う上で生まれた事実や情報等を、関係者へ伝達すること」。そして「相談」とは「迷いが生じた際に、上司や先輩・同僚からアドバイスやヒントをもらうこと」です。

これら3つを合わせて「報連相」と呼びます。どれも複数人で一つの仕事に取り組む上で欠かせない要素だといえるでしょう。

由来

では、なぜ「報連相」という言葉が生まれたのでしょうか? その言葉の誕生は1982年に遡ります。「報連相」は、山種証券(現SMBCフレンド証券)の社長であった山崎富治さんが思い付いたものだとされます。下から意見を汲み取り、みんなが働きやすい環境をどのように作るか、風通しの良い会社をどう作るか、それを考える中で生まれた言葉です。

彼はそれを社内で「ほうれんそう運動」として広めます。その後、1986年には『ほうれんそうが会社を強くする―報告・連絡・相談の経営学』という本を出版されました。そうして世間的にも注目を浴び、「報連相」が世間一般にも広がっていったとされています。

今日では「報連相を徹底して行う」といったように、部下に課される義務のようなニュアンスで用いられています。しかし、元々は部下から意見を汲み取り、働きやすい環境にするためのスローガンのような文脈で使われていた、といえるでしょう。

「報連相」の目的

「報連相」は複数人で一つの仕事に取り組む上で欠かせないものだとされています。ここからは「報連相」を行う具体的な目的を確認していきましょう。

まずは「チームや組織全体の業務効率を上げるため」です。組織の中で仕事をする場合は、ひとりで完結する仕事はあまりありません。分担や連携が求められる職場では、誰が何の業務をどのくらい行っているのか把握することが求められますよね。お互いがお互いを把握すれば、指示を出したり、残りの仕事を再分配したりしやすくなり、業務効率のアップに繋がります。

また「問題を早く解決するため」というのも「報連相」の目的です。「報連相」を適切に行うことで、現状の把握が可能となり、どのような問題が生じているかを認識することができます。早く問題点が見えれば、早く対処法を見つけやすくなり、早く問題を解決することができるはずです。

関連語は?

「報連相」の関連語には、「おひたし」や「こまつな」、「かくれんぼう」が挙げられます。どちらもビジネスシーンで使われる造語ですが、それぞれどのような意味なのでしょうか?

1:「おひたし」

「おひたし」は「お(怒らない)」、「ひ(否定しない)」、「た(助ける)」、「し(指示する)」をまとめた造語です。この言葉は、「報連相」を受け答える際のスタンスを表現しているとされています。部下から「報告・連絡・相談」をされた際には上司は、怒ったり、否定したりせずに、相手を助け、指示を出すことが求められますよね。「報連相」を貰ったら「おひたし」で返す、という言葉遊びになっています。

(c)Shutterstock.com

2:「こまつな」

「こまつな」とは「こま(困ったら)」、「つ(使える人に)」、「な(投げる)」という意味です。「困ったら使える人に投げる」という文を、野菜の“小松菜”と掛けて、端的に表現しています。困った時は、助けてくれる、信頼できる人に甘えたら良い、というメッセージが込められているのですね。

3:「かくれんぼう」

「かくれんぼう」は「かく(確認)」、「れん(連絡)」、「ぼう(報告)」をまとめた造語です。「報連相」と同様、部下が自主的に考え、上司に確認するというコミュニケーション方法を表しています。

「報連相」との違いは、「相談」が「確認」となっている点です。「報連相」は情報の共有に主眼が置かれているため、部下は「相談」するだけで、自ら考える力が育たないことが指摘されていました。そこで上司が部下から提案された内容を「確認」し、フィードバックすれば、自ら解決策を考える力を養うことができると考えられ、「かくれんぼう」が考案されたのです。

対義語は?

「報連相」の関連語を確認しましたが、ここからはその対義語も紹介していきます。それが「ちんげんさい」です。

「ちんげんさい」とは「ちん(沈黙する)」、「げん(限界まで言わない)」、「さい(最後まで我慢する)」をまとめた言葉。問題が発生した際に、怒れられることに怯えて、つい「報連相」を先延ばしにしてしまう… そんな様子を表現したのがこの「ちんげんさい」です。

問題を解決するためには、なるべく早く上司に知らせて、事態を把握してもらう方が賢明ですよ。報告義務を怠れば、最悪の場合は手遅れになるかもしれません。やはりビジネスシーンでは、いち早く「報連相」することが大切ですね。

最後に

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今回は「報連相」を取り上げ、その意味や由来、関連語などを解説していきました。「仕事を効率よく進めるために行う、報告・連絡・相談」を意味する「報連相」。一つの仕事に携わる人達と情報を共有する必要があることから、この言葉が重要視されています。「報連相」を大切にする第一歩として、まずは言葉の理解を深めてみてはいかがでしょうか。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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