「ソリューション」の意味とは?
近年、「ソリューション」という言葉を耳にすることが増えてきました。こうしたカタカナ語は、意味が分かりそうでイマイチ理解し切れないもの。そこで今回は「ソリューション」を取り上げ、意味や使い方、「ITソリューション」や「ソリューションサービス」といった派生語などを解説していきます。
意味
「ソリューション」とは「業務上の問題点や課題を解決するための手段」という意味です。また、そのために導入される情報システム全般のことも指します。
そもそも、元となった英単語「solution」は「解明、解決」という意味です。また、科学の分野で、物質が液体に溶けて溶液となることを表す「溶解」の意味を持ちます。ここから派生して、ビジネスシーンでは「業務上の問題点や課題を解決するための手段」という意味で用いられているのです。
ビジネスシーンでの「ソリューション」
「ソリューション」という単語は、ビジネスの中でも特にIT分野や経営の分野で多く使われており、情報や最新技術を取り扱うような場面で聞くことが多いでしょう。会社名やプロジェクト名に「ソリューション」が使用されているものも。その場合、「サービスとして顧客への課題解決を提供する」というニュアンスが込められています。
解決する問題が、コンピューターシステムから普段の生活まで多岐に渡るのが、IT業界です。そうした複雑さから「解決策」を「ソリューション」という言葉で表現するようになったと考えられています。
使い⽅を例⽂でチェック
意味を確認したところで、ここからは「ソリューション」を使った例文をもとに、その使い方をチェックしていきましょう。
1:「このソリューションにより、作業が効率的になった」
「ある解決策を講じたことで、効率化できた」という意味です。効率化をもたらす「ソリューション」の例をみていきましょう。ある市場では、商品の取引を手書きで行っていました。そこにタブレットを導入したことで、作業コストを大幅に削減。テクノロジーによる電子化を行うことで、ミスも減り、効率的な作業を実現したのでした。こうした問題を解決するための策が「ソリューション」です。
2:「会議では、顧客にソリューションを提案する」
この場合の「ソリューション」は「クライアントの課題を解決するための支援や策の提案」を指します。単に「解決策・方法」という意味だけではなく、課題解決のための情報システムの導入や、課題を解決するノウハウや人員の手配など包括的な提案、というニュアンスが込められていますよ。
3:「新規プロジェクトには、ソリューション力のあるメンバーを選出しよう」
「ソリューション力」とは、「課題を自発的に見つけ、その上で解決策を提案できる能力」という意味です。新しいことを始める際に求められるのは、自ら課題と向き合える存在だと言えるでしょう。それを「ソリューション力」という言葉で表現しています。
「ソリューション」の派生語
「ソリューション」はその語単体だけではなく、様々な言葉と組み合わせて使われています。ここからは「ソリューション」の派生語を4つ紹介していきましょう。
1:「ITソリューション」
「ITソリューション」とは「企業が抱えている問題をITシステムやビジネスモデルで解決すること」という意味です。課題解決の中でも、ハードウェアやソフトウェアなどの「IT」を用いて解決する方法を指します。例えば、顧客の情報をデータベース化する、社内専用のコミュニケーションツールを開発するなどの際には、何かしらのITの導入が求められます。この場合が「ITソリューション」です。
2:「ソリューションサービス」
「ソリューションサービス」は「クライアントの課題解決のために必要なサービス全般」のことです。そのサービスでは、クライアントである企業が持つ理想像と現状との差を埋めるために、最適な解決策を提供します。具体的には、ビジネスモデルやシステム構築サービス、運用管理サービスなどです。
また「ソリューションサービス」は、大きく二種類に分けられます。1つ目は先述した「ITソリューション」です。2つ目である「IoTソリューション」は、インターネットに接続されたデバイスをコンピューターと組み合わせて、課題解決を行います。別のデバイスを用いてデータを収集する仕組みを含む点が特徴的です。
3:「ソリューション営業」
「ソリューション営業」とは「顧客の抱える問題に対する解決方法を提案し、それが実現するサービス・商品提供を行う営業手法」を指す言葉です。「ソリューション型営業」とも呼ばれます。これまでは顧客から問題やニーズを発信してもらい、それに対する解決策を提案する受動的な営業が主流でした。しかし最近は、営業側が能動的にニーズなどを提示する営業スタイルが主流になっています。
4:「ソリューションプロバイダー」
「ソリューションプロバイダー」とは「業務上必要となるコンピューターシステムの構築などの業務を請け負う業者」を指します。別名「ソリューションベンダー」です。コンピューターを導入し、情報システム全般を設計・開発する「システムインテグレーター」とほぼ同義とされます。
「ソリューション」の言い換え
「ソリューション」の言い換え表現としては、どのような言葉が当てはまるのでしょうか?
「ソリューション」は日本語では「解決策」「解決方法」といった意味になります。そのため、別の言葉で置き換える際は「解決策」「解決方法」などが適切でしょう。カタカナ言葉をあまり好まない相手には「ソリューション」ではなく、これらの言葉を使うと良いかもしれません。
最後に
今回は「ソリューション」を取り上げて、意味や使い方、派生語などを紹介しました。イマイチ意味の分からないカタカナ語も、元となった英単語や由来を知ると理解しやすくなるはずです。ビジネスで用いる際には、「ソリューション」の本質は“課題解決”を主眼としたサービスの提供であることを念頭に置いて、使うようにしましょう。
TOP画像/(c)Shutterstock.com