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2022.03.30

「推敲」ってどんな意味? 由来は?「校正」との違い・やり方も紹介

「推敲」という言葉、正しく使えていますか? 「推敲」は「文章を十分に吟味して練り直すこと」という意味です。文章を書く上で欠かせない行為だと言えるでしょう。今回はこの「推敲」を取り上げ、意味や使い方に加え、言葉の由来などを解説していきます。

「推敲」の意味や読み⽅とは?

文章を書く際に求められるのが「推敲」です。ビジネスシーンでも使われるこの言葉、どういう意味なのでしょうか? 今回は「推敲」という言葉を取り上げます。意味や「推敲」の類語などに加えて、由来となった中国の故事も解説。また、例文も紹介しますので「推敲」の使い方を知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。

読み⽅と意味

(c)Shutterstock.com

「推敲」は「すいこう」と読み、「文章を十分に吟味して練り直すこと」を意味します。詩や文章がより良くなるように、読みづらい箇所を修正したり、他に良い表現がないかを考えたりしながら文章を完成させていく作業が「推敲」です。

主には出版業界や作家の間で使われる表現ですが、ビジネスシーンでも用いられることがあります。例えば、契約書や企画書といった書類や、クライアントへのメールの文面など、書面のチェックが求められる際には「推敲」という言葉がぴったりです。

由来

「推敲」は、以下の中国の故事に由来します。

唐の時代に賈島(かとう)という詩人がいました。彼が「僧は推す月下の門」という句を作る際、「推す(おす)」を「敲く(たたく)」にすべきか迷っていました。そうして夢中になって考えるうちに、都の長官で一流の文学者・韓愈(かんゆ)の行列に突っ込んでしまいます。

突き当たった理由を問われた賈島は、相手が唐詩四大家の一人であることを知り、教えを請いました。「推と敲のどちらが良いでしょう?」、その問いに韓愈は「敲にしたほうが良い」と助言。

このことから、詩文や文章を考え、練り直すことを「推敲」というようになったとされています。

「推敲」と「校正」の違い

「推敲」と混同されやすい言葉として「校正」が挙げられます。「校正」とは「文章・文字を比べ合わせ、誤りを正すこと」という意味です。どちらも「文章を直す」という意味では同じですが、「校正」の場合は“文章そのもの”を変えるのではなく、“表記の間違いや誤字脱字を修正する”というニュアンスが込められています。

一方「推敲」は文章を直すことに使う言葉ですが、主に“言葉回しや表現をより良くする”といった意味で使われるのが一般的です。そのため「推敲」を行うのは作家や小説家本人、「校正」を行うのは編集者、という違いが生じます。

また「校正」は、主に印刷物に使われる言葉です。出版にあたり、印刷前に刷ったものを、元の原稿の内容と照合し、誤植や不備を正します。そのため「推敲」のようにビジネスシーンで用いられることはあまりありません。

使い⽅を例⽂でチェック

「推敲」を使った例文をもとに、その使い方をチェックしていきましょう。

1:「投稿する作品の推敲を重ねる」

「推敲」は「重ねる」とセットで用いられることが多いです。文章を“何度も何度も”練り直すことは、まるで文章をどんどん「重ねる」ようだといえるでしょう。

2:「この論文はもう少し推敲する必要がある」

「推敲する」と動詞的に用いることも可能です。文章を何度も練り直し、修正することを意味します。他の用例として「書類を何度も推敲する」「推敲した自信作だ」などが挙げられますよ。

3:「この原稿はまだ推敲の余地がある」

「推敲」は「余地がある」と組み合わせて使われます。「推敲の余地」とは「推敲できる箇所」という意味です。反対に「推敲の余地がない」の場合は「もう推敲するところがない」「推敲し終わった」という意味になります。

(c)Shutterstock.com

「推敲」のやり方

日々の仕事の中でも「推敲する」機会は多くあります。では実際に「推敲」はどのように行えば良いのでしょうか? やり方やテクニックを紹介します。

1:明快な文章かどうか

文章は分かりやすさ・読みやすさが大切です。例えば、一文が長すぎていないか、主語や目的語が明確かという観点で読み返してみましょう。誤字脱字をチェックするだけでなく、読んでもらいやすい文章であるかどうかも見ます。第三者になったつもりで見ると、客観的な視点に立てるため、修正点を見つけやすいです。

2:読み上げ機能を使う

「推敲」に当たっては、音声の読み上げ機能を使うのもおススメです。ただ文章を黙読するだけだと違和感に気づきにくくなります。音で聞くことで、これまで見えていなかった思い込みやおかしい言い回しなどを発見できるでしょう。

3:時間をおいてから推敲する

時間をおいてから「推敲」するのもポイントの一つです。書いた直後は、自分の書いた記憶が書かれている文字よりも優先されやすいため、修正点が見つかりにくくなります。1日ほど空けて冷静になれば、見えてこなかった間違いに気づけるはずです。新たな気持ちを持ってチェックしましょう。

類語や⾔い換え表現

「推敲」の類語や言い換え表現をみていきましょう。

1:「校閲」

「校閲」とは「文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること」という意味です。文章を修正する点は「推敲」と似ていますが、「校閲」は作家とは別の人が行う場合が多いとされます。また「校閲」の目的は、書かれている内容の事実確認にある点も「推敲」との違いと言えるでしょう。

2:「添削」

「添削」は「他人の文章・答案などを、書き加えたり削ったりして、改め直すこと」を意味します。「添削」は、“他人”の書いた文章を直すため、若干「推敲」と異なりますね。

3:「リライト」

「リライト」は「他人の原稿を目的に合わせて書き直すこと」を指す言葉です。「rewrite」という文字の通り、「再び書く」という意味になります。「リライト」も「校閲」や「添削」と同様、作成者とは別の人が行う行為。文章の語句や文節を並び替えたり、近い意味の語句を使ったりして、元の文を「リライト」します。

英語表現は?

「推敲」は英語で「polish」「elaboration」と表現できます。「polish the wording(文章を磨き上げる)」や「elaborate the wording(文章を推敲する)」と使いますよ。他にも「rewrite(もう一度書く)」や「improve the wording(文章を向上させる)」といった言い回しを使えば「推敲」の持つ言葉のニュアンスを表現できるでしょう。

最後に

(c)Shutterstock.com

今回は「推敲」を取り上げ、意味や由来となった故事、使い方、類語などを幅広く解説していきました。作家でなくとも、働く中で文章を書く機会というのは案外多いもの。自分の書いたものを「推敲」する力を身に付けるのは社会人に必要な力といえるのではないでしょうか。今回の記事を参考に「推敲」に対する理解を深めてみてください。

TOP画像/(c)Shutterstock.com


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