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この記事のサマリー
・「ですが」は「だが」の丁寧な言い方。
・「ですが」は前の発言を受けて、それを否定する形で使う、逆説の接続詞。
・言い換えは「しかし」「しかしながら」「とはいえ」など。
「ですが」は、職場での会話や会議などで多用される言葉。主に前の発言に対して否定する形で使うことが多いので、「この言い方は失礼かも?」と気になる人も多いのではないでしょうか?
この記事では、「ですが」の意味と使い方、場面に応じた言い換え表現、さらに英語での対応までを整理しました。
「ですが」の基礎知識
まず最初に「ですが」の基本的な役割を確認しましょう。
「ですが」の意味と役割
「ですが」は、前の内容を受け止めつつ、「それとは反対の内容を述べる」という「逆接」の役割を担います。辞書で定義を確認してみましょう。
です‐が
[接]「だが」の丁寧な言い方。ですけれど。「熱は下がりました。―咳(せき)は止まりません」だ‐が
[接]前に述べた事柄と反対・対立の関係の内容を述べるのに用いる語。そうではあるが。けれど。だけど。「失敗した。―有意義な経験だった」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「ですが」は、「だが」の丁寧な言い方になります。「けれど」と同じ働きをし、主に会話で使われます。
例えば「兄は真面目ですが、時間にルーズなところがあります」のように、前の情報を認めつつ、逆の内容を続けるのがポイントです。
接続詞には「順接」「逆説」「累加」「選択」などの種類がありますが、「ですが」はその中でも「逆説」に分類されます。
「ですが」は使いすぎに注意
「ですが」を連続して使うと、相手の意見を否定するような印象を強めてしまいます。
「ですが」を使うのは本当に必要な場面に絞り、代わりに他の接続詞(あるいは接続詞を使わない表現) を使うと、相手へのメッセージが伝わりやすくなるでしょう。

「ですが」の使い方を例文でチェック
ビジネスシーンを想定しながら、「ですが」の使い方を確認しましょう。
このデザインも悪くないですが、私は前のほうが好きです。
比較や意見表明でよく使われる構文です。「〜ですが」で自分の主張や好みをやわらかく提示しています。対立ではなく、穏やかな意見の違いを示すときに適しています。
確かに便利ですが、値段が少し高いですね。
前半で相手の意見に一度同意し、後半で自分の見解を述べる形。「ですが」はこのように譲歩+対比の接続として使われ、会話を丁寧に進める効果があります。
急なお願いですが、こちらの資料を本日中にご確認いただけますか?
「〜ですが、〜していただけますか?」の形は依頼の際によく使われます。相手への配慮を添えることができ、丁寧で控えめなお願いをするときに最適です。

「ですが」の言い換え表現
よく使う言葉であるからこそ、類語や言い換え表現も覚えておきたいですね。一緒に見ていきましょう。
「しかし」
『デジタル大辞泉』(小学館)では「今まで述べてきた事柄を受けて、それと相反することを述べるときに用いる」と説明されています。どちらかというと、メールや手紙で使用されることの多い表現です。
例:「その提案は有効です。しかし、現時点では予算が不足しています」
「しかしながら」
「しかし」の改まった言い方です。
例:「新製品は高評価を得ています。しかしながら、量産体制の構築には時間を要します」
「とはいえ」
前に述べた事柄と相反する内容を導く語です。「とは言うものの」と同じ意味を表します。
例:「結果は順調です。とはいえ、まだ改善すべき点も残っています」
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

英語では「ですが」をどう表現する?
「ですが」の英語表現についても見ていきましょう。
“but”
“but” は「しかし」を表す逆接の接続詞です。
例:“I finished the report, but I still need to check the data. ”
(報告書は完成しましたが、データを確認する必要があります。)
“however”
“however”は「しかしながら」という意味を持つ、逆説の副詞です。文頭・文末・文中で使うことができます。
例:“The proposal is well-prepared. However, we need more time to review it. ”
(提案書はよく準備されていますが、確認にはもう少し時間が必要です。)
参考:『プログレッシブ英和中辞典』(小学館)

「ですが」に関するFAQ
ここでは、「ですが」 に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「ですが」は丁寧ですか?
A. はい。
「ですが」は「だが」の丁寧な言い方になります。
Q2. 「ですが」と「しかし」の違いはありますか?
A. 「ですが」は丁寧な言い方になります。
「しかし」を改まった言い方にするなら、「しかしながら」となります。
Q3. 「ですが」のNGな使い方はありますか?
A. 多用すると、相手を否定するような印象が強くなってしまいます。
「ですが」を使うのは、ここぞという場面に絞りましょう。
最後に
ついつい職場でも「ですが」を多用していた! と気づいた人も多いのではないでしょうか。たとえ相手と意見が違う場合でも、失礼にならない言い方で自分の意見を伝えられるようになりたいですね。
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