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この記事のサマリー
・青息吐息は苦しくてため息が出る状態を指す語です。
・青息吐息は経済的または精神的に苦しい状態を表します。
・類語は「火の車」「四苦八苦」などが挙げられます。
日常でもビジネスでも、思うように進まない状況でため息が出ることってありますよね。そんな場面で思い出すのが「青息吐息」です。読み方や意味を正確に理解しておくと、会話や文章で迷わず使うことができます。
この記事では、辞書に基づいた意味を確認しながら、使い方、類語、よくある疑問点まで整理していきます。
「青息吐息」とは? 読み方と意味を確認
まずは読み方と意味から確認していきましょう。
「青息吐息」の読み方と辞書に基づく意味
「青息吐息」の読み方は「あおいきといき」です。
辞書では、次のように定義されています。
あおいき‐といき〔あをいき‐〕【青息吐息】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
困って苦しいときなどに、弱りきって吐くため息。また、そのため息の出る状態。「物価高で―だ」
苦境や疲労で余裕がない様子を表すこの言葉は、会話や文章で共感や状況の深刻さを伝えるために使われることが多いですね。
ちなみに「青色吐息」や「生息吐息」という表記がネット上に見られますが、誤りですので注意しましょう。
「青息」だけでも使える?
「青息吐息」の一部である「青息」には、「困りきって出す、苦しそうなため息」という意味があります。ですから、「青息」だけでも使うことができますよ。
「青息をつく」「青息まじりに話す」などの形で用いられ、経済的な困難や精神的な消耗など、切迫した状態を表す場面で使われます。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「桃色吐息」との違い
「青息吐息」と混同しやすい言葉に「桃色吐息」があります。
「桃色吐息」は1984年に発売された高橋真梨子さんの楽曲名です(作詞:康珍化、作曲:佐藤隆)。また、園芸分野では花の品種名(品種改良したペチュニアの名前)として使われることもありますが、「青息吐息」との直接的な意味上のつながりはありません。
意味を混同しないよう注意しましょう。

「青息吐息」の使い方と例文|ビジネス・日常での自然な表現
「青息吐息」の意味がわかったところで、具体的な使い方を例文とともに見ていきましょう。
「年度末の予算調整で、経理部は毎日青息吐息のようだ」
年度末で予算の帳尻を合わせる必要があり、経理部が連日忙殺されて疲れきっている様子を表しています。「青息吐息」は、心身ともに疲労困憊しながら業務にあたっている姿を強調しています。
「子どもの進学費用に家計は青息吐息だが、何とかやりくりしている」
子どもの教育にかかる多額の出費によって家計が逼迫している状態です。ただし、「何とかやりくりしている」とあることで、困難な状況ながらも工夫しながら生活を続けている前向きなニュアンスも含まれています。
「在庫処分に追われて、現場は青息吐息の状態だった」
売れ残った在庫を処分するために現場スタッフが奔走しており、肉体的・精神的に疲れ果てている状況です。「青息吐息」は、仕事の重圧や労力の大きさにより疲弊している様子を的確に伝えています。

「青息吐息」の類語
「青息吐息」に似た言葉も紹介していきましょう。
「意気消沈(いきしょうちん)」
「意気消沈」とは、張りつめていた気力や前向きな気持ちがすっかりしぼみ、元気を失った状態を指します。主に精神面の落ち込みや落胆を表現するときに使われます。
例:「プレゼンで失敗し、意気消沈している」
「虫の息(むしのいき)」
「虫の息」は、今にも息が絶えそうなほど弱った状態を指す慣用句です。「虫の息」は主に弱り果てて、死にそうな息づかいに対して使います。
例:「車に轢かれたたぬきは虫の息だった」
「四苦八苦(しくはっく)」
「四苦八苦」は、非常に大きな苦労をしている様子を表す言葉で、現代では日常的な困難や苦境を強調する表現として使われます。
例:「初めての資料作成に四苦八苦している」

英語ではどう表す? 「青息吐息」に近いフレーズ
『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)では、「青息吐息である」に対応する英語表現として “be in great distress” を紹介しています。例えば、以下のように使います。
例文:Our company is in great distress because sales have been declining for months.
(数か月にわたり売上が下がり続けており、当社は青息吐息の状況だ。)
“in great distress” は、経済的に苦しい状態だけでなく、精神的な困難を含む幅広い場面で使うことができます。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「青息吐息」に関するFAQ
ここでは、「青息吐息」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「青息吐息」は自分のことにも使えますか?
A. 疲れや困窮を自分自身の状態として表現する場合に使えます。
例えば「予想外の請求を受けて、青息吐息だ」のように使います。
Q2. 「青息吐息」はポジティブな状況でも使えますか?
A. 苦しさや困難な状況を表す言葉なので、ポジティブな文脈には適しません。
Q5. 「青息吐息になっているのを見て見ぬふりした」は自然な使い方ですか?
A. 意味は通じますが、やや乱暴で責任の所在が曖昧な印象があります。
状況説明や配慮のある言い換えが望ましいでしょう。
最後に
「青息吐息」とは、「困って苦しいときなどに、弱りきって吐くため息」のこと。気分が落ち込むことを「ブルーになる」と表現することがあることからも、なんとなく憂鬱な気持ちであることが連想できますね。桃色吐息は全く異なる言葉なのでご注意を!
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