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「銚釐」という熟語を見たことはあるでしょうか? 知らないと、なかなか読むのは難しいですね…。しかし、日本酒好きであれば、知っておきたい言葉です。この記事では、「銚釐」の読み方や意味、ことわざを紹介していきます。
「銚釐」の読み方と意味は?
まずは気になる「銚釐」の読み方から確認していきましょう。

「銚釐」の読み方と意味
「銚釐」は「ちろり」と読みます。予測して読むには、難しい漢字ですね。辞書で定義を確認しましょう。
ちろり【銚=釐】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
銅または真鍮(しんちゅう)製の、酒を温めるのに用いる容器。筒形で下の方がやや細く、つぎ口と取っ手とがついている。
もともとは日本酒を温めるための酒器を指し、銅や真鍮、錫(すず)で作られることが多いでしょう。注ぎ口や把手(とって)が付き、下方がやや細くなっているのが特徴。酒を燗する際に使われる器具です。
銚釐の語源は不明だそうですが、中国から渡来したと考えられています。
江戸時代によく使われていましたが、現代でも小料理屋や居酒屋などで見かけることがありますよ。
参考:『日本大百科全書』(小学館)

「燗銚釐」とは?
「燗銚釐(かんちろり)」とは、特に酒の燗をするために用いられる器を指します。銅や真鍮の他に陶製のものもあり、燗銚子(かんちょうし)や燗湯婆(かんたんぱ)とも呼ばれますよ。酒を適温に温める器具として古くから使われてきました。
銚釐に関することわざを確認
「銚釐」に関連することわざはいくつか存在します。昔の日本人が日常の中でどのように使っていたかを知ることができますよ。ここでは2つ紹介しましょう。
銚釐の酒で能持(のうじ)がない
「銚釐の酒で能持がない」ということわざは、銚釐で温めた酒がすぐに冷めてしまい長続きしないことを例えています。「能持がない」は「耐久力がない」ことを意味し、物事が続かない様子を表現する際に使われることが多いでしょう。

鍋に耳あり銚釐に口あり
「鍋に耳あり銚釐に口あり」ということわざは、秘密が漏れやすいことを指しています。「耳」は鍋の取っ手、「口」は銚釐の注ぎ口を意味してますよ。これは「壁に耳あり障子に目あり」ということわざをもじった洒落でもあります。
最後に
「銚釐」という言葉は、酒器としての意味を持つだけでなく、ことわざや日本文化にも深く関わりがあります。また、今でも店名に使われることもありますよ。この記事を参考に、銚釐という言葉の奥深さに触れてみてください。
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