「耳朶」という漢字、何と読むかわかりますか? そもそも耳のどこを指すのかも、いまいちわかりにくいですね。そこで、この記事では、「耳朶」の読み方を確認し、意味や使い方、関連する表現について紹介していきますよ。
「耳朶」とは? 意外と知らない読み方と意味
耳朶という言葉は、耳の一部を指すものですが、普段あまり使われることはありません。主に文学や医療の分野で見かけることが多いですが、知っておくと役立つこともあります。耳朶の意味や読み方を確認しながら、どのように使われているのかを見ていきましょう。

「耳朶」の読み方と意味
耳朶は、「じだ」もしくは「みみたぶ」と読みます。意味を辞書で確認しましょう。
じ‐だ【耳×朶】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 みみたぶ。
2 みみ。
「耳朶」は、耳たぶのことを指し、耳の下に柔らかく垂れ下がった部分を意味します。
医学的な文脈では採血や血糖測定に関連して登場することがあります。一方で、文学表現では「耳朶を打つ」という言葉が使われたりしますよ。「耳朶を打つ」については後述します。
「耳朶」の語源は?
耳朶(じだ)、つまり「耳たぶ」の語源には諸説あります。代表的なものとして、三つの説が挙げられます。
一つ目は、「耳垂(じすい)」に由来し、耳の垂れ下がった部分を指すという説。二つ目は、「たぶ」が「たふやか(=柔らかい)」を語源とし、耳の柔らかさを表しているという説。三つ目は、「たぶ」が「髪のたわ」と同じく、垂れ下がるものを意味するという説です。
これらの解釈を知ることで、耳朶という言葉の成り立ちに対する理解が深まるでしょう。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「耳朶」を使った表現と例文を紹介
耳朶という言葉は、耳の部位を指すだけでなく、さまざまな表現としても使われています。比喩的な表現や文学的な表現の中で使われることがあり、その意味を知ることで、より豊かな言葉の使い方ができるようになりますよ。
耳朶を打つ
「耳朶を打つ」という表現は、音や言葉が耳に強く響くことを意味します。驚きを伴うような響きや、印象深い言葉が強く心に残るような場面で用いられますよ。特に文学作品の中で、風の音や鐘の音、感動的な言葉などが耳に響く様子を描写する際に使われることが多いでしょう。
例文:深夜の静寂の中、遠くの寺の鐘の音が耳朶を打った。

耳朶に触れる
「耳朶に触れる」という表現は、ある話題や情報が自然と耳に入ることを意味します。いい知らせにも悪い知らせにも使われ、直接聞いたわけではなくても、噂や報道を通じて知るような場面で用いられます。
日常会話ではあまり馴染みがない言葉ですが、新聞記事や文学作品などで見かけることがあるため、知っておくと文章の理解が深まるでしょう。
例文:その噂は次第に広まり、ついに彼の耳朶に触れることとなった。
耳朶の類語・言い換え表現
耳朶という言葉は日常的に使われない分、誰しもがわかる言葉ではないかもしれませんね。類似する言葉を知っておくと、状況に応じた表現が可能になります。

耳たぶ
「耳たぶ」は、耳朶の最も一般的な言い換え表現です。日常的に使われる言葉であり、多くの人にとって馴染みがあります。特に会話の中では「耳朶」よりも「耳たぶ」と言うほうが自然で、わかりやすいですね。
耳朶の英語表現
耳朶を英語で表す場合、一般的には “earlobe” という単語が使われます。「耳たぶ」に相当する言葉であり、日常会話でも広く使われています。
最後に
「耳朶」という言葉は、日常会話ではあまり使われませんが、文学表現や医療の分野では見かけることがあります。その意味や使い方を知ることで、表現の幅が広がり、文章の理解も深まるでしょう。耳朶に関する知識を身につけることで、適切な場面で自然に使えるようになるかもしれません。
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