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「よろしかったでしょうか」は間違った使い方?
上司や顧客の方に「よろしかったでしょうか」という発言をした経験はありませんか? 物事を確認する際に使う表現としてよく知られていますよね。
しかし、実は「よろしかったでしょうか」は、間違った使い方をされていることがほとんどです。今回は、「よろしかったでしょうか」がなぜ間違っているのか、そして「よろしかったでしょうか」の代わりに使える正しい言い換え表現について一緒に見ていきましょう。
「よろしかったでしょうか」はNG表現?
「よろしかったでしょうか」という表現を使うシーンは、相手に対して物事を確認するときです。「現在」確認しているのにも関わらず、「よろしかった」と過去形を使っては不自然ですよね。
「よろしかったでしょうか」は、いわゆる「バイト敬語」として有名です。「バイト敬語」とは、主にアルバイトで雇われたサービス系のお店の接客でよく聞く、正確には正しくない敬語を指しています。
しかし、あまりにも浸透してしまったため、見過ごされている場合がほとんどです。例えば、「あちらのほうに在庫がございます」や、「5000円からお預かりいたします」なども「バイト敬語」になります。どこか違和感を覚えませんか? 正しくは「あちらに在庫がございます」、「5000円をお預かりいたします」です。
このように、一般的に使われている表現でも、日本語としてふさわしくないとされる表現を「バイト敬語」といいます。
「よろしかったでしょうか」が使える場合もある
「よろしかったでしょうか」も同様に見過ごされがちな「バイト敬語」です。しかし、過去のことを確認する場合に限っては正しい使い方になります。
また、丁寧さを意識した表現だという考え方もあります。「よろしいでしょうか」よりも丁寧な印象を与えるため、相手や場合によって使い分けるのがおすすめです。
「よろしかったでしょうか」の言い換え表現を紹介
続いては、「よろしかったでしょうか」よりもふさわしい確認の仕方を紹介します。
よろしいでしょうか
「よろしいでしょうか」が、本来正しい言い方です。「よろしいでしょうか」には、2パターンの使い方があります。一つは、確認を取る場合。そしてもう一つは、了承を得る場合です。確認を取る場合は、「こちらの商品でよろしいでしょうか」のように使います。一方、了承を得る場合は、「明日の16時ごろ、再びお電話してもよろしいでしょうか」と使うことが可能です。
2:いかがでしょうか
「いかかでしょうか」も、「よろしいでしょうか」と同じニュアンスを持つ表現です。相手に同意や意見を求める表現としても使うことができます。「どうですか」や「どうでしょうか」よりも丁寧な表現のため、ビジネスシーンで大いに役立つ言い回しです。
3:構いませんか
「構いませんか」は、「よろしいですか」のように相手への確認、同意を求める表現ですが、印象としてはやや上からになります。
相手に有無を言わせない威圧的な感じがするため、あまり使う場面はないかもしれません。
正しい返答の仕方とは?
「よろしいでしょうか」と聞かれた時は、どのように返答するのがベストなのでしょうか。
「よろしいでしょうか」や「いかがでしょうか」、「構いませんか」と問いかけられた時は、基本的に「はい」か「いいえ」でまず返答するようにしましょう。
そして、その後につけ足すべき内容を述べると話が混乱せずに分かりやすくなります。
丁寧で簡潔な返答としては、「はい、構いません」などがいいでしょう。もし否定する場合は、「申し訳ありません」と一言謝罪の言葉を挟むと険悪な雰囲気を防ぐことができます。
「よろしかったでしょうか」の正しい英語表現
先に述べたように、「よろしかったでしょうか」の正しい使い方は「よろしいでしょうか」になります。「よろしいでしょうか」の英語表現についていくつか紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1:「May I ask your name and company name?」
「May I…?」は、「してもよろしいでしょうか?」を英語で表現する際に使う丁寧な言い回しです。自分が行う行動に対して、相手に許可を得る際に使うことのできる便利な表現なので、覚えておいて損はありません。
2:「Do you agree to the contents of this document?」
「Do you agree… ?」で相手が同意するか、そうでないかを聞くことができます。「よろしいでしょうか」と相手に内容の確認を取る際に便利な表現です。
ビジネスシーンで使える便利な敬語表現
ビジネスにおいて、正しい敬語を身につけることは必須条件。「よろしかったでしょうか」のように、使い方が難しい敬語も存在します。そこで、ビジネスシーンで使いやすい敬語表現を紹介! ぜひ参考にしてくださいね。
1:拝見します
「拝見」は、「見る」の謙譲語です。つまり、自分がへりくだって相手の敬意を高めます。「見させていただきます」よりも丁寧でビジネス向きなのが「拝見します」という表現です。よく使う表現ですが、実は間違えやすい敬語でもあるため、注意が必要。
例えば、「拝見させていただきます」は、二重敬語で誤った使い方です。「させていただく」は、「させてもらう」の謙譲語なので、「拝見」と「させていただく」が重なってしまっています。
2:承知しました
社外の人とのやり取りで使いたい表現が「承知しました」です。「了解しました」や「分かりました」よりもかしこまった言い方で、丁寧な印象を与えることができます。また、「承知しました」の他に、「かしこまりました」を使っても良いかもしれません。
3:おっしゃる通りです
上司から指摘を受けた際や、アドバイスを貰った時などに使うと好印象な表現です。相手の意見を全面的に肯定して、受け入れている姿勢を表すことができます。
最後に
無意識に「よろしかったでしょうか」を使っていませんでしたか? 場合によっては正しい日本語ですが、基本的には「よろしいでしょうか」を使った方がベターです。
日頃の言葉遣いを意識してみると、意外と違和感のある言葉をたくさん使っていたなんてことも。この機会に一度、自分の話すときの口癖を振り返ってみてくださいね。
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