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2025.02.24

「帷子」何と読む? 「いし」ではありません|読み方と意味、語源をチェック!

「帷子(かたびら)」とは、麻や木綿、絹などで作ったひとえものなど、裏地のない薄手の衣類を指します。この記事では、「帷子」の意味や語源、地名として定着した過程を紹介します。

「帷子」という漢字を見て、すぐに読める人は少ないかもしれません。しかし、「帷子」は日本の伝統文化や「帷子ノ辻」「帷子川」といった地名としても知られています。この記事では、「帷子」の正しい読み方や歴史、現代での使われ方について詳しく解説していきましょう。

「帷子」とは? 読み方と意味、語源を確認

「帷子」は、古くから日本の文化や衣服に関連する用語として使われてきました。しかし、現代では日常的に目にする機会が限られていますね。ここでは、「帷子」の読み方や意味について整理していきましょう。

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(c) Adobe Stock

帷子の正しい読み方と語源

「帷子」は、「かたびら」と読みます。字面を見ても、すぐに正しい読み方を思い浮かべるのが難しいかもしれません。辞書に記載されている意味を確認してみましょう。

かた‐びら【帷=子】
《袷(あわせ)の片枚(かたひら)の意》
1 裏をつけない衣服の総称。ひとえもの。
2 生絹(すずし)や麻布で仕立てた、夏に着るひとえの着物。《季 夏》「青空のやうな―きたりけり/一茶」
3 経帷子(きょうかたびら)のこと。
4 几帳(きちょう)や帳(とばり)などに用いて垂らす絹。夏は生絹(すずし)、冬は練り絹を用いた。
「御几帳の―引き下ろし」〈源・若紫〉

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

帷子は、裏地のない薄手の衣類を指し、特に夏の衣服として使われてきました。現在では、麻や木綿、絹などで作ったひとえの着物を指すことが多いでしょう。

「帷子」の語源は?

「帷子」の語源にはいくつかの説があります。数ある中から、ここでは2つを紹介しましょう。1つ目の説は、袷(あわせ)の片枚(かたひら)を意味するというもの。もう1つの説は、「かた」は裏のないこと、「ひら」はひらめくことを意味するという説もあります。

これらの説が生まれた背景には、帷子が実際にどのように着用され、どのような用途で使われていたのかが大きく関わっているのかもしれませんね。

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(c) Adobe Stock

なぜ「帷子=死装束」と連想されるのか?

「帷子」を検索すると、「死装束(しにしょうぞく)」と関連づけられていることが多いことがわかります。これは、仏式の葬儀において、死者に「経帷子(きょうかたびら)」を着せるからでしょう。

経帷子とは、名号や経文、題目などが書かれた白麻もしくは白木綿で作られた着物のことで、死装束です。「帷子」はひとえの着物を指すだけでなく、死装束として着せる浄衣であることも覚えておきたいですね。

参考:『日本国語大辞典』(小学館)

「帷子ノ辻」や「帷子川」—地名としての帷子とは?

「帷子」という言葉は、地名としても用いられています。特に「帷子ノ辻」(かたびらのつじ)や「帷子川」(かたびらがわ)は、京都や神奈川県で見られる地名として知られていますよ。この言葉がどのように地名として定着したのかを見ていきましょう。

京都の「帷子ノ辻」とは? 地名の歴史と変遷

京都市右京区にある「帷子ノ辻」は、かつて交通の要所として知られた場所です。江戸時代の地誌『都名所図会』には、「上嵯峨・下嵯峨・太秦・常盤・広沢・愛宕等の別れ道なり」と記されており、嵯峨方面や太秦方面へ向かう分岐点として機能していたことがわかります。

東は太秦(うずまさ)、西は下嵯峨(しもさが)へと続く下嵯峨街道上に位置し、東北方向は常盤(ときわ)、西北方向は上嵯峨・愛宕(あたご)へとつながっていました。

この地名の由来にはいくつかの説があります。一つは、南に通じる道がなく、一方のみに分岐する地形から「帷子ノ辻」と呼ばれるようになったというものです。

また、『雍州府志』には、嵯峨天皇の皇后である檀林皇后が嵯峨深山谷で葬送された際、棺を覆っていた帷子の衣が風に舞い、この地に落ちたと伝えられています。この伝承が地名の由来となった可能性もあるようです。

現在の「帷子ノ辻」は、嵐電の乗換駅として機能し、嵐山や太秦映画村などの観光地へ向かう拠点の一つとなっています。古くから分岐点として重要視されていたこの地は、現代でも交通の要所としての役割を果たしているといえるでしょう。

駅の看板
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横浜の「帷子川」—地名の由来と地域との関わり

「帷子川(かたびらがわ)」は、横浜市を流れる河川で、旭区上川井町に源を発し、市の中心部を東へ貫流して横浜港へと注いでいます。上流・中流域では川幅が狭く、下流域は低湿地や埋立地が広がっているため、過去には水害をもたらすこともあったようです。全長は約19キロメートルに及び、その流域には長い歴史を持つ地域が点在していますよ。

帷子川の名称の由来は、かつて北側の河口部沿岸がなだらかで、片側だけが平地だったことから「片平(かたひら)」と呼ばれ、それが転じて「帷子」になったといわれています。

現在では、都市の中を流れる河川として、環境整備や治水対策が進められています。

参考:『日本歴史地名大系』(平凡社)
横浜市保土ヶ谷区

最後に

「帷子」は一見すると馴染みのない難読漢字ですが、意味を知ると日本の文化や歴史との深いつながりが見えてきます。知的な会話のネタやSNSでの話題作りにも生かせるため、ぜひ「帷子」の読み方と意味を覚えておいてください。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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