「今宵(こよい)」という言葉は、普段の会話ではあまり耳にすることがないかもしれません。しかし、詩的な表現やフォーマルなシーンで使われることがある独特な言葉です。
本記事では、今宵の意味や使い方を分かりやすく解説し、さらにエンタメや文学での活用例を通して、知的な会話に役立つ情報をお届けします。
「今宵」とは? 意味と背景を知る
まずは「今宵」の意味や語源について確認していきましょう。

「今宵」の意味と使われ方
「今宵」の意味を辞書で確認します。
こ‐よい〔‐よひ〕【▽今宵】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 今夜。今晩。「―の月」
2 翌朝になってからみて、昨夜のこと。ゆうべ。
「―の風にも、あくがれなまほしく侍りつれ」〈源・野分〉
「今宵」は「今夜」を意味する言葉です。現在では詩的で文学的な表現として用いられることが多いでしょう。例えば、「今宵は月が美しいですね」というフレーズでは、話者の情緒やロマンチックな気持ちを含ませるニュアンスが伝わってきます。
「今宵」の語源は?
「今宵」はもともと「此の宵」を意味します。
今では、「今夜」という意味で使われますが、中世までは「昨夜」という意味でも使われていたようです。中世以降は「今夜」の意味に統一されました。
「今宵」の使い方をマスターする
「今宵」を自然に使いこなすことができれば、日常会話や文章がより豊かで洗練された印象になります。ここでは、実際に使える具体例を紹介していきます。
日常会話での「今宵」の使い方
カジュアルな場面で「今宵」を使う場合、詩的なニュアンスを残しつつ、親しみやすさを意識するといいでしょう。例えば、「今宵はどこでディナーを楽しむ?」といった言い回しなら、軽いユーモアを交えつつも特別感を演出できます。
また、友人同士の会話では、「今宵の予定はどう?」と問いかけると、いつもと違う趣のあるやり取りが楽しめますね。

フォーマルなシーンでの「今宵」の使い方
「今宵」は、スピーチや挨拶文で使うと非常に効果的です。例えば、結婚式のスピーチでは、「今宵のよき日を迎えられた新郎新婦に、心よりお祝いを申し上げます」というフレーズが適しています。
また、イベントや式典の案内文でも、「今宵の催しにご参加いただき、誠にありがとうございます」といった表現で特別感を演出できますね。
「今宵」をさらに深く理解する
「今宵」という言葉の魅力は、その文化的・文学的な背景にもあります。ここでは、日本語の奥深さを味わいましょう。
「今宵」の文学的な表現
「今宵」は日本文学や歌謡曲の中で多用されてきました。例えば、エレファントカシマシの『今宵の月のように』という歌では、切ない感情や心の揺れを表現しています。
また、古典文学では「今宵の星空を眺めながら」という描写が見られ、登場人物の内面を豊かに表現する役割を果たしています。現代においても、こうした情緒的な表現は特別な場面で人々の心に響く力を持っているでしょう。
古典にも出てくる、「今宵」
『日本書紀』や『万葉集』、『源氏物語』や『平家物語』にも「今宵」という言葉は登場します。古典では「宵居(よいい、夜更けまで起きていること)」という言葉もあり、夕暮れから夜にかけての情景がよく描かれているものです。こうした背景を知ると、「今宵」という言葉が持つロマンティックな響きや奥深さをより一層楽しめるでしょう。

最後に
「今宵」という言葉は、日本語の美しさや奥深さ感じさせてくれます。使い方をマスターすることで、日常の会話や文章に一味違う魅力を加えることができるのでは?
ぜひ本記事で紹介したポイントを参考に、「今宵」を上手に活用してみてください。あなたの語彙力と自己表現がさらに豊かになるはずです。
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