目次Contents
この記事のサマリー
・「上旬」は月の1日から10日までを指す表現です。
・「上旬」の英語表現には “the beginning of” や “the first 10 days” などがあります。
・「上旬」の類語には「初旬」「上澣」「月初め」などがあります。
「上旬」という言葉は日常でも仕事でもよく使う一般的な表現ですが、いざ相手に時期を伝えるとき、「正しく伝わっているか不安…」と感じたことはありませんか?
特に納期や予定の共有では、受け取り方の違いが行き違いの原因になることも…。この記事では、「上旬」の正確な意味と範囲を辞書に基づいて整理していきます。
「初旬」や「月初め」との違いや、あいまいな表現への注意点をチェックしながら、迷わず使えるように紹介します。
「上旬」とは何日から何日まで?
最初に「上旬」の期間を確認し、「中旬」、「下旬」についても整理しましょう。
「上旬」の意味
「上旬っていつからいつまで?」という疑問に、まずはっきりと答えを出しておきましょう。以下は、辞書からの引用です。
じょう‐じゅん〔ジヤウ‐〕【上旬】
月の1日から10日までの10日間。初旬。上澣(じょうかん)。→下旬 →中旬
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
辞書では月を三つに分けたうちの最初の10日間を「上旬」としています。
中旬は11日〜20日、下旬は21日〜末日までの間です。
誤用に注意!「上旬は15日まで?」は✕
辞書では「上旬=1日から10日まで」と明記しており、ビジネスの場でも「上旬=10日まで」とするのが一般的です。しかし、日常会話では「15日ごろまで」と広く捉える人もいます。
このような誤解を避けたい場面では、具体的な日付を示すようにしましょう。
「上旬ごろ」「上旬以降」など曖昧な表現に注意
「上旬ごろ」や「上旬以降」といった表現は、受け取る側によって解釈に幅が生まれるため、注意が必要です。
「ごろ」は、指定された時期に対して多少の前後を含んだ幅のある期間を示します。
「以降」は、指定された日付(ここでは上旬の末日など)を含む、それ以後のすべての日を指す可能性があります。
これらは、予定が曖昧な段階では便利な表現ですが、納期や期日に関する場面では、誤解や認識のズレが大きなトラブルにつながるリスクをはらんでいます。そのため、重要な取り決めでは、可能な限り「○月○日まで」というように具体的な日付を明記しましょう。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)

仕事・プライベートで迷わない「上旬」の使い方
「上旬」は、さまざまな場面で使う言葉です。だからこそ、正しい使い方を覚えて、どんな状況でも対応できるようにしておきたいですね。
ここでは、「上旬」の具体的な使い方を紹介します。
「12月上旬に納品予定です」
ビジネスシーンでは、納期の目安を伝える際に「上旬」という表現を使うことで、おおよそのスケジュール感を共有しやすくなります。
ただし、計画が具体化してきた段階では、「12月10日までに納品」など、日付を明記することで認識のズレを防ぐことができます。
社内では「上旬」「中旬」「下旬」の定義をあらかじめ共有しておくと、やり取りがスムーズです。
「今月上旬に一度集まりたいね」
日常会話では、「今月上旬に会おう」「上旬のどこかで食事しよう」など、ざっくりとした時期を伝える場面があるでしょう。
その後で「10日ごろ」など、具体的な日付をすり合わせることで、行き違いを防ぎながら、具体的な予定を立てるようにしたいですね。
「上旬入荷予定」「上旬発送予定」の読み取り方
「〇月上旬入荷予定」や「上旬発送予定」といった表記は、一般的にその月の1日から10日ごろを目安とした案内として使います。
ただし、これらの表記はあくまで「予定」であり、実際の入荷や発送が前後する場合も多くあります。
そのため、確実な受け取りが必要な場合や期日が重要な場合には、事前に担当者と調整し、具体的な日付を明確にしておきましょう。
参考:『デジタル大辞泉』『日本国語大辞典』(ともに小学館)

「上旬」とあわせて覚えておきたい、期間を表わす言葉
時期を示す言葉は「上旬」の他にも多くあります。それぞれの期間の定義を整理しておくと、表現の幅が広がり、誤解のないコミュニケーションに役立ちます。英語での表現とあわせて確認しましょう。
「上旬」と、「初旬」「上澣」「月初め」の違い
「上旬」「初旬」「上澣(じょうかん)」は、いずれも「月の初めの10日間」を指します。
一方、「月初め」は「月の初めの5日間くらい」とされ、やや幅を持った表現です。
「月半ば」「月末」「初頭」の意味
より細かな時期を表す言葉も理解しておきましょう。
「月半ば」:15日前後
「月末」:月の終わりの日、もしくは月の終わりの数日間
「初頭」:ある時代や時期のはじめごろを指す言葉。「20世紀初頭」といった使い方があります。
英語表現の「上旬」
「上旬」を英語で表す場合は、“the beginning of the month” または “the first 10 days” という言い回しが一般的です。
“the beginning of the month” は「月初め」を表し、幅のある表現として便利な使い方ができます。
“the first 10 days” は「最初の10日間」を表します。明確な日付の範囲表す際に適しています。
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)

「上旬」に関するFAQ
ここでは、「上旬」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「上旬」は何日から何日までですか?
A. 1日から10日までです。
Q2. 「上旬ごろ」「上旬以降」という表現は正確ですか?
A. あいまいな表現です。
ビジネス文書では具体的な日付を併記すると誤解を防ぐことができます。
Q3. 「上旬=15日まで」は正しいですか?
A. いいえ、誤りです。
上旬は10日までです。
最後に
「上旬」という表現は、日常にもビジネスにも欠かせない語のひとつです。定義や言い換えの違いを正しく理解することで、より的確に意図を伝えられるようになります。
今回の記事を参考に、あいまいさを避けた伝え方を意識してみてください。
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