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この記事のサマリー
・「励行」は「れいこう」と読みます。
・「励行」とは、厳格に実行することを意味します。
・「奨励」は他人に勧める行為、「励行」は主に自らが励み行うことを指します。
仕事のメールや社内掲示で見かける「励行」という言葉。意味は分かっているつもりでも、実際の文面でどう使えばいいか迷った経験はありませんか?
この記事では、辞書の定義に基づいた「励行」の意味と、ビジネスで自然に使える言い回しを整理。類語や英語表現まで実務で使える形でまとめます。
「励行」とは? 意味と使い方をわかりやすく解説
まずは、辞書の定義をもとに「励行」の読み方と意味を確認していきましょう。
「励行」の読み方と意味
「励行」の読み方は、「れいこう」です。厳格に実行することを意味します。
辞書では、次のように説明されていますよ。
れい‐こう〔‐カウ〕【励行/×厲行】
[名](スル)決めたこと、決められたことをその通りに実行すること。「早寝早起きを―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
例えば、「手洗いを励行する」「禁酒励行」といった使い方をします。
「励行」と似た言葉との違い
「励行」に似た言葉に、「奨励(しょうれい)」、「遂行(すいこう)」、「遵守(じゅんしゅ)」があります。それぞれの意味と違いを確認していきましょう。
「奨励」
「奨励」は、いいと思ったことを人に勧めることを指します。つまり、他人に働きかける行為ということ。一方で「励行」は、他者に勧める意味はありません。
「遂行」と「遵守」
「遂行」は任務や仕事をやりとげること、「遵守」は法律や道徳・習慣を守り従うことを意味します。
「励行」は日常的な行動や習慣を意識的に続けるときに使われることが多いでしょう。

「励行」の使い方を例文で確認
ビジネスシーンや日常会話で「励行」がどのように使われるかを見ていきましょう。
「手洗い・うがいを励行する」
感染症予防のために「手洗い・うがい」を実践することを表すフレーズです。「〜を励行する」は、生活習慣や行動の徹底を表現する定型的な使い方です。
「定時退社を励行して、働き方改革を進める」
会社や組織で方針として定めたことを、社員一人一人がしっかり実行することを示します。ビジネスシーンでは「〜を励行し、〜を推進する」の形でよく用いられます。
「安全運転の励行を呼びかける」
交通安全などの啓発活動でよく使われる表現です。自分の実践だけでなく、他者に実践を促す文脈でも使われます。
「励行」の類語や言い換え表現
ここでは、「励行」に近い意味を持つ言葉を紹介します。場面に応じて言い換えることで、会話や文章の表現がより正確で洗練されたものになります。
履行(りこう)
意味: 決めたこと・約束したことを実際に行うこと。すなわち「実行」することを指します。
ややかたい表現で、契約や義務などを果たす文章などで使われることが多い言葉です。
例:「契約内容を履行する」「義務を履行する」
実践(じっせん)
意味: 理論や考えに基づいて、実際に自分で行うこと。
例:「学んだ知識を実践する」「環境に配慮した生活を実践する」
執行(しっこう)
意味: 決められたことを正式に執り行うこと。主に行政や組織、法的な手続きなどで使われることの多い言葉です。
例:「新しい方針を執行する」「刑を執行する」
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)、『角川類語新辞典』(角川書店)

「励行」の英語表現は?
“strict observance” は、「決められたことを厳格に守る」という意味で、「励行」の意味に近い英語表現だといえるでしょう。
例文:“Strict observance of company rules is required.”
(社内規則の励行が求められています。)
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)

「励行」に関する FAQ
ここでは、「励行」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「励行」は何と読みますか?
A. 「れいこう」と読みます。意味は、決めたこと・決められたことをその通りに実行することです。
Q2. 「励行」と「奨励」は同じ意味ですか?
A. いいえ。「奨励」は「他者に勧めること」を指しますが、「励行」は「実行すること」を意味します。
最後に
「励行」は、読み方も意味も勘違いしやすい言葉です。今まで、間違って使っていたという場合は、この機会に正しい意味と使い方を覚えてみてください。
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