「牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)」という言葉、字面を見てもなかなかインパクトがありますね。「牛を飲む」ってどういうことでしょうか…? この記事では、「牛飲馬食」の意味、由来、類語、そして日常での使い方について、整理して紹介していきます。
「牛飲馬食」とは? 読み方と意味を丁寧に紹介
「牛飲馬食」は、古くから使われてきた表現です。まずは、読み方と意味を確認していきましょう。

「牛飲馬食」の読み方と意味を確認
「牛飲馬食」は「ぎゅういんばしょく」と読みます。意味を辞書で確認しましょう。
ぎゅういん‐ばしょく〔ギウイン‐〕【牛飲馬食】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)牛が水を飲み、馬がまぐさを食うように、多量に飲み食いすること。鯨飲馬食。
「牛飲馬食」は、たくさん食べたり飲んだりすることを意味します。必ずしも悪い意味ではなく、旺盛な食欲を表現する際にも使われることがあります。
「牛飲馬食」の由来は?
「牛飲馬食」という言葉の由来は、その字面の通り、牛と馬の食べ方にあります。牛が大量に水を飲み、馬がたくさんのまぐさ(飼料)を食べる、その豪快な姿が、たくさん飲んだり食べたりする人の様子にたとえられたとされています。
「牛飲馬食」はどんな場面で使える?
ここでは「牛飲馬食」の使い方を例文とともに紹介しましょう。

昨夜の飲み会は牛飲馬食そのもので、翌朝は参加者全員がぐったりしていた。
大人数で盛り上がった飲み会の様子を「牛飲馬食」で表現しています。にぎやかで食べすぎ・飲みすぎたことをユーモラスに伝えたいときに使える言い回しです。
週末はストレス発散も兼ねて、牛飲馬食してしまった。
日常の疲れを癒すために、たっぷり飲み食いした様子を指します。自分自身の行動に対して使うことで、自虐的な意味も込めつつ、共感を得やすい表現になっています。
旅行先でご当地グルメを牛飲馬食したので、体重計に乗るのが怖くなった…。
旅先での食べすぎに対して使われた例です。「牛飲馬食」が非日常の楽しさと、そのあとの現実を対比する効果を生み出しています。
「牛飲馬食」の類語や言い換え表現は?
「牛飲馬食」に似た意味を持つ言葉はいくつかあります。ここでは3つ紹介していきましょう。

鯨飲馬食(げいいんばしょく)
「鯨飲馬食」とは、鯨のように多量の酒を飲み、馬のように多量のものを食べることです。「牛飲馬食」と同じく、多量に飲んだり食べたりする様子のたとえとして使われます。
暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)
「暴飲暴食」は、節度を超えて飲み食いする様子を指します。むやみに飲んだり食べたりすることを指すので、ややネガティブな意味があるといえるでしょう。
大食い
「大食い」は、たくさん食べることを意味します。日常的にもよく使われる表現ですね。
英語で「牛飲馬食」はどう表現する?
「牛飲馬食」を英語で表現するなら、“drink like a fish and eat like a wolf”が使えますよ。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
最後に
「牛飲馬食」という言葉からは、食欲の強さだけでなく、ある種の勢いや豪快さが感じられます。時には少し笑いを交えた会話の中で、またある時には自虐的に使える場面があるかもしれません。言葉の背景や使い方を知っておくことで、日常の会話にも少しの深みが加わるかもしれませんね。
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