目次Contents
「鯨飲馬食」という言葉は、漢字の並びを見ただけでも、凄みのようなものがありますね。そもそも何と読み、どういう意味を持っているのでしょうか…?
この記事では、この四字熟語の基本から、使い方や言い換え表現まで丁寧に紐解いていきます。
「鯨飲馬食」とは? 読み方と意味を確認
「鯨飲馬食」は、印象的な漢字の並びから、何となく勢いのある様子を思い浮かべる人も多いかもしれません。まずは読み方と基本の意味を確認しておきましょう。
「鯨飲馬食」の読み方と意味
「鯨飲馬食」は「げいいんばしょく」と読みます。意味を辞書で確認しましょう。
げいいん‐ばしょく【鯨飲馬食】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
鯨のように多量の酒を飲み、馬のように多量の物を食べること。牛飲馬食。
この言葉は、「鯨のように飲み、馬のように食べる」という大胆なイメージから、たくさん飲み食いする様子をあらわします。
落ち着いた食べ方とは異なり、食欲に任せた勢いある食事風景を表現するときに使われます。やや誇張された印象を含むこともあり、場合によっては皮肉や驚きを込めた使い方をされることもあるでしょう。

「鯨飲馬食」の使い方を例文で確認
「鯨飲馬食」という表現は、実際の食事量をそのまま表すというよりも、比喩的に使われることが多い言葉です。口にする人の意図や場面によって、伝わる印象が少しずつ変わってきます。ここでは、代表的な使い方を例文とともに見ていきましょう。
「週末は、鯨飲馬食でストレスを発散してしまった」
この例文では、思いきり飲んで食べたという開放感を表しています。多少の罪悪感をまじえつつ、自分を笑い飛ばすような気持ちも感じられますね。自嘲を込めた言い回しとして、使うことができます。
「彼の食事は、まさに鯨飲馬食そのものだった」
この例文では、第三者の驚きや、少しあきれたような視線が含まれています。直接的な批判を避けつつ、食べ方の勢いを強調する場面で使われますよ。距離を保ちながらも印象を残したいときに向いている言い回しです。
「鯨飲馬食」と「牛飲馬食」の違いは?
「鯨飲馬食」と似たような響きを持つ四字熟語に「牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)」があります。違いはあるのでしょうか?

「牛飲馬食」とは?
「牛飲馬食」は、「ぎゅういんばしょく」と読みます。意味を辞書で確認しましょう。
ぎゅういん‐ばしょく〔ギウイン‐〕【牛飲馬食】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)牛が水を飲み、馬がまぐさを食うように、多量に飲み食いすること。鯨飲馬食。
鯨と牛とでたとえられているものは違いますが、どちらもたくさん飲み食いすることを表していることがわかりますね。「鯨飲馬食」と「牛飲馬食」は類語だといえるでしょう。
「鯨飲馬食」の類語や言い換え表現を紹介
ここでは、「鯨飲馬食」と意味が似ている言葉を3つ紹介します。

暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)
限度をこえて飲み食いすることを指します。生活習慣や体調の話題に関連して使われることが多いでしょう。
大食漢(たいしょくかん)
たくさん食べる人を表す言葉です。個人の食べる量に注目した言い方としてよく使われます。
健啖家(けんたんか)
「食欲が旺盛な人」という意味です。やや上品な響きを持っていますね。
「鯨飲馬食」の英語表現は?
英語で「鯨飲馬食」を表現するなら、“drink like a fish and eat like a horse”を使うとたくさん飲んで食べる様子をユーモラスに伝えられるでしょう。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
最後に
「鯨飲馬食」という言葉は、見た目からインパクトのある四字熟語です。豪快に食べることを表す一方で、使う場面や言い方次第では、少し皮肉や照れを込めた表現にもなります。言葉が持つ表情の違いに気づくことで、コミュニケーションの幅も広がるかもしれませんね。
TOP画像/(c) Adobe Stock