「広大無辺」の意味とは?
広大無辺(こうだいむへん)の「広大」と「無辺」いずれも、とても広々としていることを表す熟語です。
ここでは、広大無辺という四字熟語の意味や使い方について解説します。使い方については、会話例と例文、どちらも紹介するためぜひ参考にしてください。
語句の意味
広大無辺(こうだいむへん)は、「果てしなく広く大きいさま」を表した四字熟語です。「広大」は、広くて大きいことを表します。「無辺」は際限がない、果てしないといった意味をもちます。
2つの熟語を合わせて、どこまでも広いといった意味で用いられるようになりました。なお、「広」は「宏」「洪」と表記することもあります。
こうだい‐むへん〔クワウダイ‐〕【広大無辺】
出典:小学館 デジタル大辞泉
[名・形動]果てしなく広くて大きいこと。また、そのさま。「—な(の)宇宙空間」「—な(の)恩恵」

使い方
広大無辺を日常会話や文章で用いる場合は、下記の会話例や例文を参考にしてください。
会話例
Aさん「今度の連休は、 北海道に行く予定なんだ」
Bさん「私も一昨年の冬に行ったんだ! 本当に広くて綺麗な大地が広がっていたよ」
Aさん「そんなにきれいだったの? 見るのがすごく楽しみになってきた! 早く行きたいなあ」
Bさん「広大無辺な大地といえば、まさにあのことだったよ。 楽しんできてね」
例文
- 初めて見た鳥取砂丘は広大無辺で、日本だとは思えないほどでした
- 初めて海を見る息子にとっては、広大無辺で果てしなく続いているように映るだろう
- あなたがこれから進む道は、広大無辺です。時には道に迷うこともあるかもしれませんが、自分の信じた道を進んでください
「広大無辺」の類義語・言い換え表現
広大無辺の類義語や言い換え表現には、「深遠博大」「無尽蔵」「無限大」「計り知れない」「雄大」などがあげられます。いずれも、非常に大きいことを表した言葉です。
同じように「大きい」「広い」ことを意味する言葉であっても、ニュアンスが異なる熟語も。本章では、それぞれの意味やニュアンスの違いを解説します。大きいことを表現する場合は、より文脈に沿った熟語を選びましょう。

無尽蔵
無尽蔵もまた、限りなく大きなものに対して用いられる言葉です。いくら取ってもなくならないことや、そのさまを表しています。広大無辺よりも、「数が多いこと」に焦点が当てられている印象がある言葉といえるかもしれません。
他にも、広く尽きることのない「徳」を包含する蔵のことを「無尽蔵」と表現することも。この場合の無尽蔵は、仏教のことを意味して使われます。
無限大
無限大は、文字通り限りがないほど大きいという意味で用いられる熟語です。無限大な宇宙、といった使い方をします。
また、数学分野においては、変数Xの絶対値がどのような正の数よりも大きくなり得ることをX→∞と表記します。
計り知れない
計り知れないのは、物事をおしはかることができないことを表した言葉です。このことから「想像できないほど」という意味で用いられます。
「〇〇さんには、計り知れない恩がある」や「影響を及ぼす範囲には、計り知れないものがある」といった使い方をします。
雄大
雄大は、規模が大きく堂々としていることを表した言葉です。または、そのさまを表しています。「雄大な計画」「雄大な景色(自然)」といった使い方をします。
広大無辺の類似表現ですが、より迫力があることや大掛かりなことを強調するニュアンスが含まれています。
「広大無辺」の対義語
広大無辺の対義語には、「狭小」「猫の額」「せせこましい」「狭窄」などがあります。広大無辺が大きく、広いことを表した四字熟語であることに対し、本章で解説する熟語は小さいことや狭いことを表す言葉です。
どのような使い方をするのか、文脈に適した表現を選択できるように確認していきましょう。

狭小
狭小(きょうしょう)は、狭くて小さいことを表す熟語です。また、そのようなさまも意味します。
たとえば、「度量の狭小な人」や「狭小な国土」といった使い方をします。狭小の対義語は「広大」であり、広大無辺も対義語といえるでしょう。
猫の額
猫の額も、広大無辺の対義語として用いられます。猫の額が非常に狭いところから、このような意味で用いられるようになりました。
特定の場所が狭いことの例えであり、「ねこびたい」とも表現する言葉です。たとえば、「猫の額ほどの庭」といった使い方をします。
また、まったく同じ意味をもつ言葉には「猫額(びょうがく)」という熟語もあります。
せせこましい
「せせこましい」もまた、広大無辺と対をなす熟語です。狭くて窮屈な感じがする空間のことや、単に狭苦しいといった意味で使われることもあります。たとえば、「せせこましい家並み」といった使い方をする言葉です。
他にも、考え方や性格など、心にゆとりがない様子を指して「せせこましい」と表現します。
狭窄
狭窄(きょうさく)は、すぼまって狭い空間を表した熟語です。また、そのさまを表すこともあります。たとえば、「視野狭窄」や「狭窄な部分」といった使い方をします。
「広大無辺」を正しく使おう!
広大無辺は、特定のものや空間が、果てしなく広がっている様子を表した言葉です。広大無辺の類義語には、無尽蔵や無限大、計り知れない、雄大などがあります。
また、対義語の例としては、狭小や猫の額、せせこましい、狭窄などが挙げられます。
広大無辺という四字熟語について、もともと知っていた人もそうでない人も、本記事を参考にして日常生活に活用してみてください。
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