「木端微塵(こっぱみじん)」という言葉を目にしたとき、どのような情景が思い浮かぶでしょうか? 夢や理想、敵などを徹底的に打ち砕くようなこの表現は、日常会話やフィクション作品の中でも使われることがあります。
この記事では、「木端微塵」の意味や使い方を例文とともに整理して紹介します。
「木端微塵」とは? 意味と使い方を丁寧に解説
「木端微塵」は、破壊や崩壊のイメージを伴う表現です。まずは意味から確認していきましょう。
「木端微塵」の意味を確認
「木端微塵」は、「こっぱみじん」と読みます。「木っ端微塵」とも表記しますよ。意味を辞書で確認しましょう。
こっぱ‐みじん〔‐ミヂン〕【木っ端▽微×塵】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
細かく粉々に砕け散ること。粉みじん。「ガラスが―に砕ける」
「木端微塵」は、木端(木を切ったときに残る木のきれはし)と微塵(物が割れたりして、非常に細かくなること)を組み合わせた表現です。「粉々に砕け散ること」を意味します。
「木端微塵」の使い方とは?
物や建物が爆発などで跡形もなく壊れてしまった場合、「木端微塵に吹き飛ぶ」「木端微塵になった」というような形で使われます。また、感情や計画が完全に崩れてしまったときにも、やや誇張的に用いられることがあります。

「木端微塵にしてくれる」、「木端微塵にしてやる」などの言い回しについて
「木端微塵にしてくれる」、「木端微塵にしてやる」などという言い回しは、強い怒りや敵意を込めて使われることがあります。例えば、アニメや漫画のセリフで「木端微塵にしてくれる!」といった言い方が登場する場面もあり、攻撃的な決意を表現する手段になっています。
「木端微塵」を使った例文を紹介
「木端微塵」の使い方を具体的な例文とともに確認していきましょう。
「敵を木端微塵にしてやると叫んだ」
フィクション作品の中では、戦闘や対立する場面などでよく聞く表現です。実際の行動よりも、強い意志を語る場面で多用されます。
「信頼関係が木端微塵に砕けたようだった」
関係性が取り返しのつかないほどに壊れてしまったという場面でも使われます。

「その爆発で建物は木端微塵になった」
爆発や災害など、実際の物理的な破壊が起きたときの描写で使われる例です。
「木端微塵」の類語や言い換え表現をチェック
ここでは、「木端微塵」に近い表現を2つ紹介していきましょう。
粉粉(こなごな)
「粉粉」は、何かが壊れて非常に細かく砕けた様子を表す言葉です。

粉微塵(こなみじん)
「粉微塵」は、「粉粉」よりさらに強調された表現で、非常に細かく砕けた状態を示します。「木端微塵」よりも細かく砕けるイメージです。
参考:『類語例解辞典』(小学館)
英語で「木端微塵」は何と言う?
英語にも「木端微塵」を表す表現があります。紹介していきましょう。
break into pieces
木端微塵になることを意味する英語表現です。以下に例文を紹介します。
例文:The glass fell to the floor and broke into pieces.
(グラスは床に落ちて、木端微塵に砕けました。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
最後に
「木端微塵」という言葉は、ただ壊れるというよりも、“跡形もなく砕け散る”という強いニュアンスが込められているかのようです。日常会話では少し大げさに聞こえる場面もあるかもしれませんが、場面によっては印象的な表現として効果を発揮することもあります。意味や使い方を知っておくと、言葉選びの幅が少し広がるかもしれませんね。
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