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日常の中では耳にする機会があっても、漢字で表現されるとたちまちわからなくなる言葉ってありますよね。そうした言葉の一つ、「強請る」という言葉、何と読むかわかりますか?
この記事では、「強請る」の読み方や意味、使い方、言い換え表現、英語での表し方まで、わかりやすく整理していきます。
「強請る」とは? 読み方・意味・使い方をやさしく整理
まずは、「強請る」の読み方と意味から確認していきます。
「強請る」の読み方は?
「強請る」は「ねだる」もしくは「ゆする」、「もがる」と読みます。この記事では、「ねだる」と「ゆする」について紹介していきます。どちらの読みも広く使われていますが、意味が異なるため、文脈によって読み方を見極める必要がありますよ。

「強請る(ねだる)」の基本的な意味
「ねだる」と読む場合の意味を辞書で確認しましょう。
ねだ・る【強=請る】
一部引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
一[動ラ五(四)]
1 甘えたり、無理に頼んだりしてほしいものを請い求める。せがむ。せびる。「小遣いを―・る」「おもちゃを―・る」
2 難くせをつけて要求する。ゆする。
「おれを―・って銀取らうとは」〈浄・曽根崎〉
3 ぐずぐず文句を言う。ごねる。
「客様さへ紛らかしてくれなさるに、華車様聞こえぬと―・りけるを」〈咄・軽口大黒柱・四〉
「強請る(ねだる)」は、相手に何かをしてほしいと甘えたり、無理に頼んだりする様子を表す言葉です。
甘えるような要求から、強引な脅しに近い意味まで、幅の広いニュアンスを持つ言葉といえるでしょう。文脈に応じて、相手に与える印象が変わる点も意識したいところです。
「強請る(ゆする)」の基本的な意味
「ゆする」と読む場合の意味を辞書で確認しましょう。
ゆす・る【揺する】
一部引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
人をおどして金品を出させる。「盛り場で金を―・られる」
[補説]「強請る」とも当てて書く。
「強請る(ゆする)」と読む場合は、相手を脅して金品などを要求する行為を指します。
「ねだる」と「ゆする」、どう違う?
日常の会話でも耳にする「ねだる」と、どこか物騒な印象のある「ゆする」。同じ「強請る」という漢字が当てられますが、この2つの言葉は意味も使われる場面も異なります。それぞれの違いを確認しておきましょう。
「ねだる」とはどういうこと?
「ねだる」は、何かをほしいという気持ちを、相手に甘えたり、あるいは繰り返し伝える行動を指します。子どもがお菓子をほしがったり、プレゼントを頼んだりするときなど、日常的な場面で見られるものです。
基本的には軽いニュアンスで使われることが多いでしょう。

「ゆする」とはどういう場面で使う?
「ゆする」は、相手を脅迫して、無理に金品を要求するような行為に対して使われます。報道などで耳にする言葉だといえます。「ねだる」に比べて、強要して金を出させる意が強いといえるでしょう。
「強請る」の使い方を例文で確認
ここでは、「ねだる」、「ゆする」それぞれの使い方を例文で確認しましょう。
「弟はお菓子を強請(ねだ)ってきたが、今日は断った」
相手の好意に甘えて、ほしいものを頼む子どもらしい行動を描いています。
「彼は昔のことを持ち出して、金を強請(ゆす)ったといわれている」
過去の事情を持ち出して相手を脅し、利益を得ようとする様子を示しています。
「強請(ねだ)る」の類語や言い換え表現とそれぞれの使い分けは?
ここでは、「強請(ねだ)る」と意味の近い言葉を2つ紹介します。それぞれのニュアンスの違いを知っておくことで、場面に応じた使い分けがしやすくなるでしょう。

せがむ
「せがむ」は、身近な相手に対して何かを求める場面で使われます。好意を要求するような場面でも用いられるため、「強請る(ねだる)」のように物を欲しがる場面に限定されません。
せびる
「せびる」は、相手との関係を利用して、金品などを強引に求める場合に使われます。「強請(ねだ)る」や「せがむ」は親密な関係のある人に対する行為ですが、「せびる」のはちょっとした関わりのある人にも行われる点が違いです。
また、「せびる」は要求するだけでなく、実際にそれを得ることを前提とした使い方が多いとされます。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)
最後に
「強請(ねだ)る」行為は、相手との関係性や文脈によって、受け取られ方が大きく変わることがあるでしょう。言葉の選び方ひとつで伝わり方が大きく変わる場面もあるため、注意して使いたいですね。
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