「旦那」の意味や由来・語源を知りたい!
まずは「旦那」という言葉の意味や由来、語源をおさえておきましょう。
♦︎「旦那」の意味
デジタル大辞泉(小学館)によると「旦那」には、妻が夫をいう意味のほかにも、商家の奉公人などが男の主人を敬っていう語としての意味や、商人が男性の得意客や役者や芸人が自分のひいき筋を敬って使う意味、妾 (めかけ) の主やパトロンを指す意味があります。
また“ほどこし”や布施を表す意味が転じて、布施をする人という意味も有しています。
♦︎「旦那」の由来・語源
旦那は「檀那(だんな)」とも書き、元々はサンスクリット語の[dāna(ダーナ)]の音写という説が一般的です。
また、この言葉は「布施」を意味する仏教用語でもあり、妻が夫を旦那と呼ぶのは働いて給料を家庭に持ってきてくれるということに由来しているという考え方もあります。
「旦那」と呼ぶときの注意点

「旦那」は夫を意味する言葉として一般的ですが、昨今の価値観では「旦那」をあえて使わない人も増えています。
雑談でも「うちの旦那が…」などとよく使いがちだからこそ、使用にあたって気をつけておきたい注意点を解説します。
♦︎ビジネスシーン・フォーマルシーンでは使用を避ける
「旦那」はややくだけたニュアンスの言葉なので、ビジネスシーンやフォーマルな場面での使用は控えましょう。
特に目上の人や立場が上の人がいる公式な場面では「旦那」ではなく「夫」を用いるほうがスマートな印象を与えられます。
♦︎対等な関係を意識するなら使わないほうが無難
夫婦間で「対等」な関係を特に意識していくのであれば「旦那」は使わないほうが無難でしょう。
「旦那」という言葉には、昔の家父長制度における主人といったイメージもあるために、対等性を強調するにあたっては「夫」と呼ぶほうが現代的なニュアンスで表現できます。
♦︎よその家庭の夫に軽々しく使わない
他人の夫を指すときに「旦那さん」という言い方は、少し前までは極めて一般的な呼称でした。しかし時代が変わり、家庭によってはあえて「旦那」を使わないようにしている夫婦も少なくない実態に。
相手の家庭が「夫」や「主人」を使っているのであれば、その呼称に合わせて呼ぶほうが無難でしょう。
「旦那」の場面別での言い換え方

普段は夫を「旦那」と呼んでいても、TPOに応じて言い換え方をわきまえておくと便利です。
♦︎フォーマルな場面での言い換え
フォーマルなシーンでは、最も一般的で公的な表現である「夫」が無難。
このほか伝統的な表現で、フォーマルな場でも使える言い方として「主人」、役所関係や法律・ビジネスの場ならば「配偶者」も使えます。
♦︎カジュアルな場面での言い換え
カジュアルシーンでは、夫婦関係を対等に表現したいときに用いられることが多い「パートナー」や、夫をやんわりと指す表現である「うちの人」なども一般的です。
また「○○さん」と、夫の名前に“さん”をつけてそのまま呼ぶ言い方も違和感が少ないでしょう。
♦︎他人の夫を指す場合の言い換え
よその夫を指すときには「ご主人」や「旦那さん」を用いてしまいがちですが、家庭ごとに呼び方のポリシーが異なるので、今の時代はよりフラットかつ対等性のある呼び方が無難でもあります。
「配偶者様」や「パートナーさん」「夫様」など、これまででは違和感があった呼び方も、時代の流れによって耳にする機会が増えています。
「旦那」はフォーマルな場面では避けるべき
「旦那」という呼び方は、令和の時代においても親しい間柄やカジュアルな場ではよく使われています。しかしフォーマルな場や対等な関係を意識する場面では「夫」や「配偶者」が適切でしょう。
場面や相手に応じて、使い分けるようにしましょう。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。