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2024.12.06

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味とは? 使い方や言い換え表現など紹介

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」とは、優れた才能をもつ人は、石に紛れても照らせば光る宝石のように、場所を問わず目立つことを意味することわざです。本記事では、正しい意味とともに、具体的な使い方や言い換え表現などについてわかりやすく紹介します。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味とは

「瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる)」は、宝石である「瑠璃」や「玻璃」を、才能のあるものにたとえたことわざです。

宝石がどこにあっても照らせば光るように、才能のある人は、どこにいても目立つことを意味します。また、「瑠璃」や「玻璃」は、仏教で7つの宝といわれる「七宝」(しちほう)にあたります。

瑠璃も玻璃も照らせば光る
すぐれた素質や才能をもつものは、どこにいても目立つというたとえ。瑠璃も玻璃も照らせば分かる。

出典:小学館 デジタル大辞泉

優れた才能を意味する七宝の「瑠璃」と「玻璃」

「七宝」とは、仏教で7種の宝のことを指します。「瑠璃」や「玻璃」を含む以下7種は、ときには富の象徴として古くから扱われてきました。以下は、「無量寿経(むりょうじゅきょう)」というお経における七宝です。

・金(こん)
・銀(ごん)
・瑠璃(るり)
・玻瓈(はり)
・硨磲(しゃこ)
・珊瑚 (さんご)
・碼碯(めのう)

「瑠璃」は青色、「玻璃」は透明に輝く宝石です。そこに金色や銀色、美しい貝殻の硨磲、珊瑚、エメラルドを指す瑪瑙が加わるなど、七宝は実に色とりどりの宝石であることがうかがえます。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は、才能をもつ人を表す言葉です。七宝が美しいだけではなく貴重であったことからも、優れた素質をたとえるにふさわしい、ことわざだといえるでしょう。

青色の宝石「瑠璃」

「瑠璃」は、ラピスラズリのことです。ラピスラズリの濃い青い色は、「瑠璃色」とも呼ばれます。

ラピスラズリのイメージ
(c)AdobeStock

また、人形を操って語ることで知られる「浄瑠璃(じょうるり)」を浮かべる人もいるのではないでしょうか。「浄瑠璃」は江戸時代に流行したとされる語り物のこと。三味線の浄瑠璃にあわせて人形を操る「人形浄瑠璃」は、日本の古典芸能として現代まで受け継がれています。

水晶を意味する「玻璃」

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の「玻璃」は、水晶のことです。水晶は無色透明で結晶の形がはっきりとし、「水玉(すいぎょく)」の別名をもちます。

水晶である「玻璃」は、他の七宝のように色のある宝石ではありません。しかし、透明度の高い水晶は、ことわざにあるように光を反射して輝きます。

たとえほかの石のなかに紛れても、光によってその輝きを放つさまが、才能をもつ人のたとえに通じているのだと考えられるでしょう。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」が登場する「いろはかるた」

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」という言葉は、江戸時代後期に生まれたとされる「いろはかるた」にその一節がみられます。

「いろはかるた」とは、「いろはにほへと~」から始まる47字に「京」の一文字を加えた48字の「かるた」のことです。

・い 犬も歩けば棒にあたる
・ろ 論より証拠
・は 花より団子
・に 憎まれっ子世にはばかる
 ︙
・る 瑠璃も玻璃も照らせば光る

いろはかるたのイメージイラスト

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の使い方

古くから存在する「瑠璃も玻璃も照らせば光る」ということわざは、現代でも以下のように使用できます。「才能のある人は、どこにいても目立つ」ことを表したいときは活用してみてください。

・今では日本を代表する俳優となった彼女は、幼いころから瑠璃も玻璃も照らせば光る存在だった
・瑠璃も玻璃も照らせば光るというが、多くの参加者が集まったコンテストにおいて、彼の存在は審査員の目を奪うものだった

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の言い換え表現

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と似た意味をもつ言葉には、「嚢中の錐(のうちゅうのきり)」が挙げられます。

「嚢中の錐」は、優れた人は、凡人のなかに混ざっても自然にその才能が目立つという意味です。「嚢中之錐」と、四字熟語として用いることもあります。

「嚢中」は袋のことで、「錐」は先の尖った道具のこと。袋に錐をそのまま入れれば、尖った先端は自然に袋を突き抜けてしまいます。

「嚢中の錐」はその様子から、優れた人は凡人のなかから突き抜けた才能を表すことにたとえています。

優秀な人は、どこにいても目立つことを意味する「瑠璃も玻璃も照らせば光る」に比べると、その才能がより突出する際に適した表現といえるかもしれません。

・彼の類まれな英語力は、まさに嚢中の錐だった
・彼女の将棋の才能は嚢中の錐で、見る間に昇段していった

才能にまつわることわざや四字熟語

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」のように、才能にまつわることわざや四字熟語には「鬼に金棒」や「鶏群一鶏」などが挙げられます。

虫眼鏡で人材を見ているイラスト
(c)AdobeStock

鬼に金棒(おににかなぼう)

本来強いはずの鬼に、さらに金棒をもたせる「鬼に金棒」は、ただでさえ強いものにいっそうの強さが加わることを意味します。

そもそも「鬼」は、頭に角、口に鋭い牙をもつ怪物です。鉄製の金棒を手にもつことで、その強さは倍増します。

以下のように、もともと優れている人やものが、さらによい状態になるときにも活用できることわざです。

・もともと瞬発力に長けていた彼だが、トレーニングで持久力も身につけたなんて、スポーツ選手としてまさに鬼に金棒だね

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鶏群一鶴(けいぐんのいっかく)

「鶏群一鶴」は、鶏の群れのなかに一羽の鶴が紛れた様子を表す言葉です。転じて、多くの凡人のなかに、1人だけ優れた人がいることを意味します。

また、「鶴」を使った同様のことわざには、「掃き溜めに鶴(はきだめにつる)」が挙げられます。こちらも鶴を優れたものに見立て、つまらない所に優れたものや、美しいものが存在することを表した言葉です。

・素人ばかりで編成した野球チームにおいて、甲子園に出場した経験をもつ彼は、鶏群一鶴といった存在だ

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「瑠璃も玻璃も照らせば光る」を理解し正しく使おう

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は、宝石に光を当てると輝くように、優秀な人の存在は、どのような場所にあっても目立つことを意味することわざです。「瑠璃」はラピスラズリ、「玻璃」は水晶を表します。

古くから存在することわざですが、現在も問題なく使用できるでしょう。正しい意味や類語との違いをふまえながら、ぜひ日常生活で活用してみてください。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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