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2024.05.19

「鬼に金棒」とはどんな意味? ビジネスシーンでの使い方や類語を解説

「鬼に金棒」とは、「強いものに、より一層強さが加わること」。強い鬼に武器を持たせることからできたことわざです。本記事では、「鬼に金棒」の意味や使い方、類語を解説します。

「鬼に金棒」ということわざを、知っている方も多いはず。「鬼」というと怖いイメージがありますが、実は褒め言葉として使うことができるんですよ。本記事では、「鬼に金棒」の意味や使い方、類語などを解説します。ビジネスシーンでも応用できるので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?

「鬼に金棒」の意味

「鬼に金棒(おににかなぼう)」の意味を辞書で確認してみましょう。

《強い鬼にさらに武器を持たせる意から》ただでさえ強いものに、一層の強さが加わること。鬼に鉄杖(てつじょう)。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

ただでさえ強い鬼に、金棒を持たせたら無敵ですよね。「金棒」の「金」は、金属、鉄の意味でイボのついた太い鉄の棒を指します。古くは、「鬼に鉄撮棒(かなさいぼう)」とも言われましたが、江戸時代にはほぼ「鬼に金棒」と呼ばれるようになったようです。

(c) Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「鬼に金棒」は、「鬼」という文字が使われていることから、怖いイメージを持つことわざですが、実はポジティブな意味として使われます。ビジネスシーンでも使える例文を3つ紹介します。

1:高いプレゼン能力がある上に、英語も話せるなんて鬼に金棒ですね。

「鬼に金棒」は、武力や戦闘能力以外に、知識やスキルがある場合にも応用できる言葉です。ビジネスシーンでは、1つ秀でたところがある人に、さらに新たな能力が加わる際にも使うことができます。海外のビジネスパーソンにもプレゼンすることができるのは、グローバルに活躍する際の大きな武器になり得ますよね。

2:私のチームに田中さんが加わってくれるなんて、鬼に金棒です。

優秀なメンバーが集うチームに、さらに能力の高い人が加わったら頼もしいですよね。「田中さんのような、優秀な人が参加してくれて嬉しい」という気持ちが伝わり、相手も喜ぶことでしょう。チーム力がよりパワーアップしそうですね。

(c) Adobe Stock

3:ただでさえ人気機種のPCに、最新機能が搭載されるなんて鬼に金棒だね。

「鬼に金棒」は人だけでなく、物の能力が上がる時にも使用できます。例えば、デジタル機器に、今まで備わっていなかった機能が加わるなど。使う側の要望に応える機能がプラスされれば、競合他社の製品を追い抜くことができるので、まさに鬼に金棒と言えるでしょう。

類語や言い換え表現は?

強い者にさらに強い力が加わるという意味を持つことわざは、意外と多くあります。今回は、その中から3つのことわざを紹介しますね。

1:弁慶に薙刀

「弁慶に薙刀」は、「べんけいになぎなた」と読みます。弁慶とは、平安時代後期に、源義経の家来として活躍した武蔵坊弁慶のこと。弁慶は武術にも優れ、とりわけ薙刀を得意としていたとか。このことから、武器によってさらに強くなるという意味として、「弁慶に薙刀」ということわざが生まれたとされています。

(例文)
・野球の横山選手はクラブチームから、最新のバットを贈られたそうだ。弁慶に薙刀とはこのことだね。

2:強飯に胡麻塩

「強飯に胡麻塩」は、「こわめしにごましお」と読みます。「強飯」とは、米を甑(こしき)に入れて蒸して炊いた米のことで、粘り気がなく硬いのが特徴です。もともと強いものに、一層強さを増すものが加わることのたとえなので、「鬼に金棒」とほぼ意味が同じですね。

(例文)
・佐藤さんが手伝ってくれるなんて、強飯に胡麻塩だ。

3:龍に翼を得たる如し

「龍に翼を得たる如し」は、「りゅうにつばさをえたるごとし」と読みます。天に昇る龍が翼を得て、さらにその力が増すことから、強い者にさらに力が加わることを表します。こちらも、「鬼に金棒」とほぼ意味は同じです。

(例文)
・彼女は大会に優勝して、海外への渡航権をゲットしたようだ。まさに龍に翼を得たる如しだね。

(c) Adobe Stock

対義語は?

「鬼に金棒」と反対の意味を持つことわざに、「餓鬼に苧殻(がきにおがら)」があります。「餓鬼」とは、生前に罪を犯したために、餓鬼道という名の地獄に落ちて飢えに苦しむ亡者のこと。

地獄絵では、ガリガリに痩せ細りながらも、腹だけ妙に膨らんでいる姿で描かれています。力のない者が、折れやすい苧殻を振り回すように、頼りにも力にもならないことを、「餓鬼に苧殻」と言うのです。

(例文)
・決定権がないのに結果を覆そうとするなんて、餓鬼に苧殻というものだよ。

「鬼」を使ったことわざ

「鬼」が登場することわざも豆知識として覚えてみては? 例えば、「鬼の目にも涙」は、「無慈悲な人も、時には慈悲心を起こし、泣くことがある」という意味。普段、冷酷で厳しい性格に見える人にも、弱いところがあるということを表したことわざです。

また、他にも「来年のことを言えば鬼が笑う」という言葉も。「明日何が起こるかわからないのに来年のことなどわかるはずがない」という意味で、将来のことをあれこれ心配しても仕方ないと言いたい時に使えますよ。

「鬼」が出てくることわざも数々あるので、ユニークなことわざの1つとして覚えてみてくださいね。

最後に

「鬼に金棒」とは、ただでさえ強いものに、一層の強さが加わること。弱いものに強さが加わることではないため、誤解しないように気をつけてくださいね。ビジネスシーンでは、力を貸してくれた人に、「先輩が参加してくれるなんて鬼に金棒です!」などと言って、感激している気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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