この記事のサマリー
・「鬼に金棒」とは「強いものにさらに強さが加わる」ことを表すことわざです。
・「優秀な人が仲間に加わる」などの場面で使えます。
・同じ意味のことわざには「弁慶に薙刀」「強飯に胡麻塩」などがあります。
「鬼に金棒」は、ただでさえ強いものにさらなる強さが加わることを表す、インパクトのあることわざです。ビジネスや日常会話でも応用しやすく、知っておくと表現の幅が広がりますよ。
この記事では、意味や例文、類語、英語での言い換え、NGな使い方までわかりやすく紹介します。
「鬼に金棒」の意味
「鬼に金棒(おににかなぼう)」の意味を辞書で確認してみましょう。
鬼(おに)に金棒(かなぼう)
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
《強い鬼にさらに武器を持たせる意から》ただでさえ強いものに、一層の強さが加わること。鬼に鉄杖(てつじょう)。
ただでさえ強い鬼に、金棒を持たせたら無敵ですよね。「金棒」の「金」は、金属、鉄の意味でイボのついた太い鉄の棒を指します。古くは、「鬼に鉄撮棒(かなさいぼう)」とも言われましたが、江戸時代にはほぼ「鬼に金棒」と呼ばれるようになったようです。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

使い方を例文でチェック!
ここでは、ビジネスシーンでも使える例文を3つ紹介します。
高いプレゼン能力がある上に、英語も話せるなんて鬼に金棒ですね。
「鬼に金棒」は、武力や戦闘能力以外に、知識やスキルがある場合にも応用できる言葉です。ビジネスシーンでは、1つ秀でたところがある人に、さらに新たな能力が加わる際にも使うことができます。
私のチームに田中さんが加わってくれるなんて、鬼に金棒です。
優秀なメンバーが集うチームに、さらに能力の高い人が加わったら頼もしいですよね。「田中さんのような、優秀な人が参加してくれて嬉しい」という気持ちが伝わり、相手も喜ぶことでしょう。

ただでさえ人気機種のPCに、最新機能が搭載されるなんて鬼に金棒だね。
「鬼に金棒」は人だけでなく、物の能力が上がる時にも使用できます。例えば、デジタル機器に、今まで備わっていなかった機能が加わるなど。使う側の要望に応える機能がプラスされれば、魅力や強みがいっそう増し、まさに鬼に金棒といえるでしょう。
類語や言い換え表現は?
強いものにさらに強い力が加わるという意味を持つことわざは、意外と多くあります。今回は、その中から3つのことわざを紹介しますね。
弁慶に薙刀
「弁慶に薙刀」は、「べんけいになぎなた」と読みます。弁慶とは、平安時代後期に、源義経の家来として活躍した武蔵坊弁慶のこと。弁慶は武術にも優れ、とりわけ薙刀を得意としていたとか。このことから、武器によってさらに強くなるという意味として、「弁慶に薙刀」ということわざが生まれたとされています。
(例文)
・野球の横山選手はクラブチームから、最新のバットを贈られたそうだ。弁慶に薙刀とはこのことだね。
強飯に胡麻塩
「強飯に胡麻塩」は、「こわめしにごましお」と読みます。「強飯」とは、米を甑(こしき)やせいろうに入れて蒸して炊いた米のことで、粘り気がなく硬いのが特徴です。もともと強いものに、一層強さを増すものが加わることのたとえなので、「鬼に金棒」とほぼ意味が同じですね。
(例文)
・佐藤さんが手伝ってくれるなんて、強飯に胡麻塩だ。
龍に翼を得たる如し
「龍に翼を得たる如し」は、「りゅうにつばさをえたるごとし」と読みます。天に昇る龍が翼を得て、さらにその力が増すことから、強い者にさらに力が加わることを表します。こちらも、「鬼に金棒」とほぼ意味は同じです。
(例文)
・彼女は大会に優勝して、海外への渡航権をゲットしたようだ。まさに龍に翼を得たる如しだね。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)、『日本国語大辞典』(小学館)、『日本大百科全書』(小学館)
対義語は?
「鬼に金棒」と反対の意味を持つことわざに、「餓鬼に苧殻(がきにおがら)」があります。「餓鬼」とは、生前に罪を犯したために、餓鬼道という名の地獄に落ちて飢えに苦しむ亡者のこと。
地獄絵などでは、餓鬼が飢えに苦しむ姿として描かれることがあります。力のない者が、折れやすい苧殻を振り回すように、頼りにも力にもならないことを、「餓鬼に苧殻」というのです。
(例文)
・決定権がないのに結果を覆そうとするなんて、餓鬼に苧殻というものだよ。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「鬼」を使ったことわざ
ここでは、「鬼」が登場することわざを豆知識として紹介します。
鬼の目にも涙
「鬼の目にも涙」は、「無慈悲な人も、時には慈悲心を起こし、泣くことがある」という意味。普段、冷酷で厳しい性格に見える人にも、弱いところがあるということを表したことわざです。
来年のことを言えば鬼が笑う
「来年のことを言えば鬼が笑う」とは、「明日何が起こるかわからないのに来年のことなどわかるはずがない」という意味で、将来のことをあれこれ心配しても仕方ないと言いたい時に使えますよ。
「鬼」が出てくることわざは数々あるので、ユニークなことわざの1つとして覚えてみてくださいね。

「鬼に金棒」に関するFAQ
ここでは、「鬼に金棒」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「鬼に金棒」はどんな場面で使うことわざですか?
A. もともと強い人や有利な立場に、さらに強みが加わる場面で使います。
Q2. 「鬼に金棒」の例文を簡単に教えてください。
A.「彼が来てくれたら鬼に金棒だ」「この機能が付けば鬼に金棒」などです。
Q3. 類似した意味のことわざには何がありますか?
A.「弁慶に薙刀」「強飯に胡麻塩」「龍に翼を得たる如し」などがあります。
最後に
「鬼に金棒」とは、ただでさえ強いものに、一層の強さが加わること。弱いものに強さが加わることではないため、誤解しないように気をつけてくださいね。
ビジネスシーンでは、力を貸してくれた人に、「先輩が参加してくれるなんて鬼に金棒です!」などと言って、感激している気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか?
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