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2024.04.16

「鬼が出るか蛇が出るか」ってどんな意味? 由来や使い方、類語を解説

「鬼が出るか蛇が出るか」は、「どんな運命が待ち構えているか予測できないこと」。ビジネスシーンでは、良い結果が出るか悪い結果が出るかわからない時に使われます。本記事では、言葉の意味や使い方、類語を解説します。

「鬼が出るか蛇が出るか」という言葉、聞いたことはありますか? 「聞いたことがない」「一体どんな意味があるの?」と疑問に思う方も多いはず。鬼が出てくることからなんとなく怖そうな印象もありますね。あまり馴染みのない言葉ではあるものの、ビジネスシーンなどでも使うことができますよ。

本記事では、言葉の意味や使い方、類語を解説します。

「鬼が出るか蛇が出るか」

「鬼が出るか蛇が出るか」の正しい読み方は、「おにがでるかじゃがでるか」です。「蛇」を「へび」と誤読しないよう気をつけてくださいね。言葉の意味を辞書で確認していきましょう。

前途にはどんな運命が待ち構えているのか予測できない。鬼が出るか仏(ほとけ)が出るか。
[補説]からくり人形師の口上から出た語。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

この先どんなことが起きるか予測できない時に、「鬼が出るか蛇が出るか」は使われます。たとえ本人がまっすぐ人生を歩みたいと思っていても、途中から鬼が出てきて邪魔をしたり、時には蛇が出てくることも。そんな予測不能なドキドキ感や不安感などが含まれている言葉です。

(c) Adobe Stock

由来

「鬼が出るか蛇が出るか」は、もともとからくり人形師のセリフとして出てきた言葉だと言われています。人形師が胸に抱えた箱を観客に見せながら、「さて鬼が出るか蛇が出るか」と言って、観客の好奇心を煽ったのだとか。「鬼」と「蛇」は、人間にとって突然現れては困る、不気味なものの象徴として用いられたようです。

現代では、「蛇」は怖いイメージがありますが、昔は神の化身として敬われる存在でもありました。そのため、「(箱を開けたら)良いものが出るか、それとも悪いものが出るか」といった意味合いで使われていたと考えられますね。

使い方を例文でチェック!

「鬼が出るか蛇が出るか」は、一体どのように使えば良いのでしょうか? 使い方を例文で確認していきましょう。

1:顧客にプランの見直しを提案したが、鬼が出るか蛇が出るかわからない。相手の考え方次第で、断られる可能性もあるだろう。

「鬼が出るか蛇が出るか」は、この例文のようにビジネスシーンで使うこともできます。プランの見直しを提案したものの、それを受け入れるか否かは顧客の考え方次第。自分にとって良い結果が出るか、悪い結果が出るかわかりません。

2:最近注目を集めているベンチャー企業に投資してみたが、鬼が出るか蛇が出るかわからない。

どんなに業績が鰻登りの企業に投資したからといって、必ずしも高い収益が得られるとは限りません。経済状況や世界情勢、企業の突然の不祥事などにより、株価が暴落する可能性もあります。得をするか損をするか、予測がつかない状況です。

(c) Adobe Stock

3:会社を立ち上げたが、鬼が出るか蛇が出るか…。今はまだわからない。

人生で大きな選択をして、期待や不安を感じている際にも使われます。転職したり、起業したばかりの時には、「この選択をして正解だったのか」「今までのままの方が良かったのではないか」などと迷うこともあるでしょう。そんな複雑な心境を「鬼が出るか蛇が出るか」で伝えることもできますね。

類語や言い換え表現は?

「鬼が出るか蛇が出るか」の類語には同じように、口上として用いられるものもあります。ここでは、「鬼が出るか仏が出るか」「吉と出るか凶と出るか」「当たるも八卦当たらぬも八卦」をみていきましょう。

1:鬼が出るか仏が出るか

「鬼が出るか仏が出るか」は、「鬼が出るか蛇が出るか」と同じ意味を持ちます。次にどんな事態が起こるか予測がつかないことに使われますね。先述したように、人形師の口上では、「鬼」は悪いことの象徴。対して「蛇」は良いことの象徴です。つまりここでは蛇の代わりに「仏」が良いことの象徴となりますね。

(例文)
・鬼が出るか仏が出るかは誰にもわからない。
・鬼が出るか仏が出るかとドキドキしていた。

2:吉と出るか凶と出るか

「吉と出るか凶と出るか」は、良い方向にことが運ぶか、悪い方向にことが運ぶかわからないという意味。おみくじを引く前や、賭け事をしている時などに使われる印象がありますね。こちらは、「吉」つまり良いことが先に来ている点が「鬼が出るか蛇が出るか」と異なりますが、意味はほぼ同じです。

(例文)
・転職したことが吉と出るか凶と出るか… 今はまだわからない。
・思い切って告白したことが、吉と出るか凶と出るか。まだ相手の返事を待っているところだ。

(c) Adobe Stock

3:当たるも八卦当たらぬも八卦

占いは当たる場合もあれば、当たらない場合もあるということ。→八卦

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「八卦(はっけ)」とは、占いの一種のこと。占いの結果は当たることもあれば、外れることもある。必ずしも的中するわけではないという意味。占い師が占いを勧める際の口上として使われることもあるようです。

(例文)
・当たるも八卦当たらぬも八卦だから、あまり結果を気にしすぎない方がいいよ。
・当たるも八卦当たらぬも八卦、一度将来を占ってもらいたい。

対義語はある?

「鬼が出るか蛇が出るか」と反対の意味を持つ言葉としては、「先見の明」が挙げられます。

《「後漢書」楊彪伝から》事が起こる前にそれを見抜く見識。先見の識(しき)。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

将来のことを見通す目を持っている人のことを、「あの人は先見の明がある」と表現することがありますね。今までの人生経験や直感から物事を正しく見極めることができる、賢い人のことを指します。

「先見の明」を持つ人は、ある確信を持って物事を選択しているため、「鬼が出るか蛇が出るか」のように、どのような結果が出るかわからないことへの不安感を持つことがありません。結果に振り回されることがない点も、両者の違いといえますね。

最後に

「鬼が出るか蛇が出るか」は、どんな結果が出るか予測できないことのたとえ。人形師の口上から出てきた言葉だという由来も興味深いですね。滅多に聞かない言葉ではありますが、ビジネスシーンなどで使うこともできますので、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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