この記事のサマリー
・「疲弊」は、心身が疲れて弱ることや、経済・組織などが活力を失う状態を表す言葉です。
・「疲弊」は「ひへい」と読みます。
・類語には「疲労」「疲労困憊」「憔悴」などがあります。
「心身が疲弊する」「財政が疲弊する」など、仕事やニュースで目にする「疲弊」という言葉。深刻な疲れを表す印象はあっても、「疲労」とどう違うのか、人以外にも使えるのか迷うことはありませんか?
似た言葉との使い分けや、職場・組織を表す場合の意味を知れば、文章や会話での違和感も減らせます。言い換えや英語表現、避けたい使い方も含め、気になるポイントをひとつずつ確認していきましょう。
「疲弊」とは?
まずは読み方と意味から確認します。

読み方と意味
「疲弊」は「ひへい」と読みます。意味は、心身が疲れて弱ることです。また、財政や経済などの状態が悪化し、活力を失うことも表します。
辞書では次のように説明されていますよ。
【疲弊(ひへい)】
[名](スル)
(1)心身が疲れて弱ること。「神経が―する」
(2)経済状態などが悪化して活力をなくしてしまうこと。「財政が―する」
<小学館デジタル大辞泉>
使い方を例文でチェック
「疲弊」は、報道やビジネス文書だけでなく、仕事上の会話でも使われます。人の心身のほか、会社、職場、組織、財政、経済など、さまざまな対象に使える言葉です。ここでは、例文を通して意味と使い方を確認しましょう。

会社の繁忙期は毎日残業が続き、心身共に疲弊してしまった。
この例文では、繁忙期の残業が続いたことで、体力と気力が低下し、心身が弱っている状況を「疲弊」と表しています。
「疲弊」は、負担や消耗が重なって弱っている状態に使われることが多いでしょう。そのため、一日だけ残業して疲れたという程度の状況では、大げさに聞こえてしまいます。「長期間にわたって残業が続いた」「業務量が多い状態が続いている」など、負担の継続がわかる文脈にすると相手に伝わりやすくなりますよ。
連日の交渉や会議が続き、神経が疲弊していた。
「神経が疲弊する」のように、精神的な消耗について「疲弊」を使うこともできます。心と体の双方のほか、財政、経済、組織などが弱り、活力を失っている状態にも使えますよ。
赤字続きで国の財政が疲弊しているのは明らかだ。
「疲弊」は、人の心身だけでなく、財政や経済などの状態についても使える言葉です。この例文では、赤字が続いたことで財政状況が悪化し、必要な支出や活動を支える活力や余力が低下していることを表しています。
「地域経済が疲弊する」「戦争によって国力が疲弊する」「長引く赤字で会社の財務基盤が疲弊する」などと使います。
類語や言い換え表現は?
「疲弊」の他にも、疲れていることを表す表現として、「疲労」や「憔悴」などがあります。それぞれどのような違いがあるのでしょうか? 意味や使い方を確認しておきましょう。

疲労(ひろう)
「疲労」とは、筋肉や神経などを使いすぎたことによって、その機能が低下し、本来の働きを十分にできなくなる状態です。心身が疲れることを表すため、「疲弊」と意味が重なる場合があります。
「疲労」は、主に人の心身や、金属などの材料の機能低下について使います。
疲労困憊(ひろうこんぱい)
「疲労困憊」とは、ひどく疲れて苦しみ、疲れ果てることです。「困憊」も、くたくたに疲れることを意味します。「徹夜続きで疲労困憊する」「長旅で疲労困憊の状態になる」などと使いますよ。
憔悴(しょうすい)
「憔悴」とは、心配や疲労、病気などによって、やせ衰えることです。心身の消耗が外見にも表れている状態について使われます。
くたくた・へとへと
日常会話では、ひどく疲れたときに「もうくたくただよ」「へとへとで動けない」などと表現します。どちらも、非常に疲れて力が残っていない様子を表す口語的な言葉です。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
英語表現は?
「疲弊」は英語で“become impoverished”と表現できますよ。以下に例文を紹介します。
例文:The village became impoverished after repeated natural disasters.
(その村は、度重なる自然災害によって疲弊しました。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「疲弊」に関するFAQ
ここでは、「疲弊」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1.「疲弊」の読み方と意味は?
A.「疲弊」は「ひへい」と読みます。
Q2.「疲弊する」とは、どのような状態ですか?
A.負担や消耗が重なり、本来の力や活力を十分に発揮しにくくなっている状態です。
Q3.「疲弊」の言い換えには何がありますか?
A.「疲労」「疲労困憊」「憔悴」などが挙げられます。
最後に
疲れや消耗を感じたときは、自分や周囲の状態にもそっと目を向けてみてください。今の状態を言葉にすることで、ほんの少し心が軽くなるかもしれませんよ。
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