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2024.04.16

「疲弊」とはどんな意味?使い方や疲労との違い、英語表現などを解説

「疲弊」とは、「心身が疲れて弱っていること」。肉体的にも精神的にも疲れ果てており、力が湧かない状態を表します。また、経済状態の悪化に使うことも。そこで今回は、「疲弊」の意味や使い方、類語、英語表現などを解説しましょう。

皆さんは「疲弊」と聞くとどのような状態をイメージしますか?あまりに残業が続いたり、仕事がきつかったりすると疲れを感じることもあるでしょう。そこで今回は、「疲弊」の意味や使い方、「疲労」との違い、英語表現などを解説します。

「疲弊」の意味とは?

疲弊している女性
(c)Shutterstock.com

「疲弊(ひへい)」とは、「心身が疲れて弱っていること」。肉体的にも精神的にも疲れ果てており、力が湧かない状態のことを表します。「疲」は、「疲れること、弱ること」という意味を、「弊」は、「疲れ苦しむこと、滅びてしまうこと」などの意味を持つ漢字です。よって「疲弊」とは、疲れている状態を強調した言葉といえるでしょう。

【疲弊(ひへい)】
[名](スル)
(1)心身が疲れて弱ること。「神経が―する」
(2)経済状態などが悪化して活力をなくしてしまうこと。「財政が―する」
<小学館デジタル大辞泉>

使い方を例文でチェック

「疲弊」はやや硬い表現なので、会話で使うよりもニュースや新聞などで使われることが多いです。ここでは、主な使い方をチェックしてみましょう。

疲弊する女性
(c)Shutterstock.com

会社の繁忙期は毎日残業が続き、心身共に疲弊してしまった。

「疲弊」は、あらゆるストレスが積み重なって、精神がすり減っているような状態のこと。「疲弊している」と言った場合、単に「疲れた」というよりもさらに激しい疲れを指しています。「疲弊」は、残業が続いて、疲労が蓄積しているような状態。状況にもよりますが、残業を一日だけ行なって疲れたときに使うと、場合によってはオーバーだと捉えられることもあるでしょう。

今日は目上の人とばかり話して神経が疲弊した。

「神経が疲弊した」という表現があるように、「疲弊」はどちらかというと精神的な疲れに重きをおいた表現です。職場で初対面の人と話したり、プレゼンで人からの視線を浴びると、思った以上に疲れてしまうことがあります。そのような気疲れにも「疲弊」は当てはまります。

赤字続きで国の財政が疲弊しているのは明らかだ。

「疲弊」は、人間の状態だけでなく、経済の悪化状態に対しても使える言葉です。経済が困窮し、立ち行かなくなった状態のことを「経済が疲弊している」と言います。世界や国の経済状況だけでなく、会社や家庭の経済状況にも使える表現です。

類語や言い換え表現とは?

「疲弊」の他にも、疲れていることを表す表現として、「疲労」や「憔悴」などがあります。それぞれどのような違いがあるのでしょうか?意味や使い方を確認しておきましょう。

疲弊している人
(c)Shutterstock.com

疲労

「疲弊」とよく似た言葉に「疲労」があります。「疲労」とは、「心身を働かせたためにくたびれること」。長時間運動したり作業を続けたことによって、肉体と精神が疲れてしまうことを指します。何となく疲れているなと感じることを「疲労感」と呼んだりします。心身が疲れ切ることを表す「疲弊」と違い、「疲労」は、筋肉や神経などを使って疲れたことを表す表現なので、やや軽いニュアンスとして捉えることができるでしょう。

・母は疲労が重なって倒れてしまった。
・歳のせいか疲労感がなかなか取れない。

疲労困憊

ひどく疲れて苦しむことを「疲労困憊(ひろうこんぱい)」と言います。会話の中では、「徹夜続きでさすがに疲労困憊だよ」というように使われることが多いです。「困って疲れ果てること」という意味の「困憊」をつけることで、より疲れた状態を表現することができます。疲れ果ててもう何もしたくないというような状態です。

・お客さんからのクレームを浴びて、社長は疲労困憊の様子だった。
・兄は連日の試合続きで、すっかり疲労困憊のようだ。

憔悴

「憔悴(しょうすい)」とは、「心配や疲労、病気のために痩せ衰えること」。例えば、大切な人が亡くなって悲しんでいるときや、病気になって落ち込んでいるときなど、極度のストレスを抱えてやつれているさまを表します。がっくりと肩を落としていたり、やせ衰えていることから、他人から見ても非常に苦しんでいることが明らかな場合が多いでしょう。

・お通夜では近親者の憔悴した様子が伺えた。
・父親はひどく憔悴した顔をしていた。

くたくた・へとへと

日常会話ではひどく疲れたときに、「もうくたくただよ」「もうへとへとだ」などと表現します。どちらも、「とても疲れてすっかり力が抜けてしまうさま」を表します。状態を擬音化したオノマトペを使うことで、体から力が抜けてしまったニュアンスがよく伝わるでしょう。

・部活動を終えた兄はくたくたになって帰ってきた。
・子供たちは「へとへとでもう歩けない」と言い出した。

過労

「過労(かろう)」とは、「身心を損ねるほど働きすぎて疲れがたまること」。過度に疲れており、心身のバランスを崩していることを指します。眠気により事故を起こしてしまったり、精神疾患を患うリスクもあるため、注意が必要な状態です。

・医師に聞くと、体の不調は過労が原因とのことだった。
・長年の疲れがたたったのか、過労で倒れてしまった。

英語表現とは?

疲弊している男女
(c)Shutterstock.com

英語で「疲弊」を表現する場合、どのような単語を使うのが適切なのでしょうか?ここでは、心身の「疲弊」と、経済的な「疲弊」にわけて紹介します。

1:exhaustion

「exhaustion」は、「消耗すること、疲労困憊」などの意味があります。どちらかというと肉体的な疲れを表すイメージがありますが、「mental exhaustion」で「精神的な疲弊」を表現することもできます。

・He’s in a state of exhaustion.(彼は疲れ切っている)
・She was exhausted and collapsed.(彼女は疲れ切って倒れてしまった)

2:impoverishment

「impoverishment」は、「貧しくする、不毛にする」などの意味を持つことから、経済的な「疲弊」に対して使用します。国や会社の経済状況が悪化している場合に適切です。

・The Japanese economy was impoverishmented by the bursting of the bubble economy.(バブル崩壊により日本経済は疲弊した)

日常会話ではオノマトペでわかりやすく表現を

「疲弊」とは、心身ともに疲れてぐったりとした状態や、経済力が衰えているときに使われる言葉です。「疲労」や「憔悴」などの類語もありますが、日常生活では「へとへと」や「くたくた」などのオノマトペを使ったほうが伝わりやすいかもしれません。心身ともにへとへとになっているのは日々頑張っている証拠。あまり無理をせず、自分自身を労ってあげてくださいね。

TOP画像・アイキャッチ/(c)Shutterstock.com

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